2020年10月25日:パート2

 間もなく21時。今日も、ほとんど日本のテレビ番組を見ていない。英語の勉強も兼ねた米国の主要ネットワークの最新ニュース・サーフィンを終えた後、Netflixで話題のドラマを(2話続けて)見た。

 寝る前に、新聞にはまとめて目を通す。ヤフーのニュースとNHKのウェブニュースもチェックしておこう。

 夕方。武藤健康福祉部長から電話があった。本日、県内で確認された新型コロナ感染者は9名。濃厚接触者が多いようだ。「この局面を乗り切れば、感染拡大(クラスター)を抑えられる。力を合わせて頑張っていこう」と声をかけた。

 さて、10月7日に県が県議会側(行財政改革特別委員会)に示した「県有10施設の見直し」に関する中間報告の中身については、県民の間でも様々な反応があるようだ。

 少し前のブログでも述べたように、「この時点で議会等から異論や反論が出る」のは当のこと(想定の範囲内)だと捉えている。ここからオープンな議論を重ね、年度内に最終方針を決定する。何度も言うが、中間報告の内容は、最終決定ではない。

 特に、今回の中間報告の中で、「前橋市内のベイシア文化ホール(県民会館)は、県有施設としては廃止を検討」としたことに、関係者等から懸念や反対の声が起こっていると聞いた。県として「なぜ、こうした方向性を打ち出したのか?!」は、改めて(このブログでも)詳しく解説する。

 が、この問題に関して、ひとつだけ、県民の方々に伝えておきたいことがある。それは、今回の県の提案が、(言うまでもないことではあるが)「単なる感情や思いつきに基づくいい加減な方針ではない」ということだ。県庁内で何度も議論を重ねた上での提案だということは、県民の皆さんに、ぜひ分かっていただきたいと思う。

 県都前橋の県民会館は、長年、県民に親しまれた施設だ。知事になる前、20年以上も群馬選出の国会議員として活動した。この間、何度、県民会館の集会やイベントに足を運んだか分からない。個人的にも、ある種の思い入れはある。出来ることなら、自分だってこの歴史のある施設を残したい。

 しかしながら、この施設を維持するためには、大規模な改修工事が不可欠だ。改修費は、恐らく30億円から40億円くらいかかるだろう。しかも、毎年、少なくとも1億円(恐らくはそれ以上)の赤字が続く。それは、全て県民の負担(税金)として、県民自身に返って来るのだ。

 これ以上の具体的な理由は後述するが、あらゆる状況を総合的に考えると、この施設を「県有施設として運営し続ける」のは、相当に難しい。中間報告の段階では、そうした結論に達した。

 考えて見て欲しい。これまで、新型コロナ対策に相当額の県予算を充てて来た。今後もこの問題に関しては、大きな財政負担が予想される。加えて、昨年末に発表した気象激甚化の非常事態宣言を踏まえ、県内の災害対策(特に水害対策)も強化していかねばならない。これからも、県民の健康と生命、安全を守ることは最優先事項だ。

 そうだとすれば、既存の事業を大胆に見直していかない限り、県民を守るための財源、もっと言うなら、県民に必要な行政サービスを提供し続けるための余力を確保出来ない。そのことは皆、分かっているはずだ。

 どんな事業でも、どんな施設でも、「廃止する」「見直す」と言い出した瞬間に、それに関わって来た人たちは必ず反対する。が、もし「反発があるなら手をつけない」と言うなら、何1つ、変えることは出来なくなる。そうでしょう?!知事としては、県民全体の利益、県民全体の幸福を考えなければならない。

 え?「知事が文化振興への関心が低いから、県有施設としての県民会館の廃止などということを言い出しているんじゃないか」って?!まさに的外れの批判だ。

 自分ほど文化戦略や文化政策を重視している知事は、全国を探しても、そんなにいないと思う。何しろ、自民党のクールジャパン戦略推進特別委員会の委員長を3年も務めていたのだ。

 あ、お湯が沸いた。この続きは次回のブログで。