2020年9月21日

 午後。大きく深呼吸をして、本日1本目のブログを書き始めた。

 昨日(20日)も終日、首席補佐官と連絡を取り合った。外国籍の県民の間で感染が急増している事態を受け、「どう対応すべきか?」を相談した。複数のソースから現場の情勢をよく聞き、幾つかの対策を指示した。新たに打ち出す対策も含め、外国籍の県民に対する情報発信等を強化する。

 同日の夕方、武藤健康福祉部長から電話。昨日の322件の検査のうち、19件の陽性が確認されたという報告だった。

 「知事、全体としては、昨日(19日)と同じ傾向が続いています。大多数は外国籍の県民の方々。家庭内や職場内の感染も増えています」とのこと。「状況は把握出来ている、いつものとおり、焦らず、冷静かつ迅速に対応していこう」と伝えた。

 連休中でも、健康福祉部や外国人活躍課を含む関係部局の職員は飛び回っている。関係部局の課長からのメールを読み、直接、携帯に激励の電話を入れた。昨晩は、2人の副知事とも情報を共有した。

 関係部局の県庁職員の皆さん、休日返上で本当に大変だと思います。が、ここ何日かが県内の新たなクラスターを封じ込められるかどうかの正念場です。まさに現場のプレーヤー(当事者)である私たちが行動しない限り、県民の健康と安全は守れません。知事も連日、神経を研ぎ澄ませています。力を合わせて、頑張り抜きましょう。

 外国籍の県民の間の感染拡大という状況の中、今回のブログでは、先週(16日)の定例会見で発表した3点の対策パッケージのうちの2点目:「外国籍の県民向け情報発信」等について解説する。このブログの末尾に添付したスライドを見ながら、読んでください。

 最も重要なポイントは、全ての外国籍の県民の人たちに必要な情報を届けること。そのために、多言語による情報発信等を今まで以上に強化することだ。

 この点を頭に置きつつ、具体的に次の3つの対応を行う。

(1)発信する情報の内容を、これまで以上に分かりやすくする。

 県としては、これまで手指消毒の徹底や3密の回避など、基本的な感染防止対策に関する発信を繰り返し行なって来ている。が、今後は、(こうした発信に加え)大人数での飲食やハグを含む身体的接触の回避など、外国の文化や生活習慣も考慮した、より具体的な内容の周知が必要なことを強く感じている。

 このため、3密となるリスクが高いクラブやカラオケ店、飲食店に滞在する際の細かい注意事項や、身近な人に感染の疑いのある人が出た場合の対応について、今まで以上に分かりやすく説明したチラシを急遽作成した。先週、市町村あてに配布済みだ。情報伝達のツールとして更なる動画の活用も検討する。

(2)市町村や地域企業等との連携を通じたより丁寧な広報。

 県としては、今までも市町村と協力しつつ、地域の企業や学校などに対して3密を避ける取組等をまとめた広報資料を配布していた。この取り組みは当然、強化する。

 特に、東毛地域(伊勢崎市、太田市、館林市、大泉町)には、大勢の外国籍県民が暮らしている。この人たちの雇用の受け皿となっている企業も多い。こうした地域との連携を深め、地元の企業などに向けた発信を強めていくことも急務だ。

 具体的には、県と市町村が連携・協力し、外国籍従業員の多い企業や、外国籍の県民が多く集まる宗教施設などを直接訪問する。もちろん、多様な言語で、感染防止対策を呼びかけていく。

 さらには、既存のルートだけではなく、外国人コミュニティでキーパーソンとなっている方々を通じた呼びかけにも力を注ぐ。多方面からの周知を図っていくことが効果的だ。

(3)フェイスブックの更なる活用。

 これは上述した(1)と(2)の取組を補強するものだ。

 従来から県政の情報発信に活用しているフェイスブックに関しては、かなりの手応えを感じている。事実、新型コロナ対策関係の発信に限定しても、約半年で閲覧数が35万を超えている。かなり有効なツールだと考えていい。

 対応言語は、英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語の5カ国語。必要な情報をダイレクトに届けるため、フェイスブックによる発信を更に強めていく方針だ。

 例えば、フェイスブックは、前述した3密となるリスクが高いクラブやカラオケ店、飲食店を利用する際の具体的な注意事項の周知にも、より積極的に活用出来る。

 県からの情報発信を強化するだけではない。併せて、相談を受ける態勢も引き続き充実させていくことが重要だ。

 具体的に言うと、ぐんま外国人総合相談ワンストップセンターで行なっている保健所・医療機関と外国籍の県民との間の通訳を継続かつ強化する。加えて、コロナ関係の相談であれば、即座に関係機関に繋ぐ。こうした作業を通して、日々、相談員のスキルアップも図られていくに違いない。

 まとめて言うと、現在の取組の有効性を再確認しつつ、更に効果的な情報発信のあり方を模索していく。その過程で、システムの必要なアップデートを重ねる。そのことが、外国籍の県民の方々の安心・安全に結びついていくと考えている。

 あ、お湯が沸いた。熱いミルクティーを飲む。この続きはその④で。

 

◇群馬県の政策の詳細については県のサイトをご覧ください。
https://www.pref.gunma.jp/

◇新型コロナウイルス感染症についてのまとめページはこちらです。
https://www.pref.gunma.jp/02/d29g_00243.html