2020年8月28日:パート3

 安倍総理の辞任表明会見を受けて、18時から知事の臨時会見を行なった。冒頭、次のような趣旨の話をした。

 「本日17時からの総理会見で、安倍首相が正式に辞任の意向を表明しました。歴代最長の政権のトップが変わるということは、中央政府はもちろんのこと、地域を含む日本全体に影響を与える重大事だと考えます。この認識から、臨時会見を開かせてもらうことにしました。」

 「率直な感想を申し上げると、とても驚きました。夕方の会見で、ご自身の健康不安説を払拭していただけるものと信じていたからです。総理自身も会見の中で、『拉致問題、北方領土問題、憲法改正といった問題がまだ片付いていない段階で辞めることは、断腸の思いだ』と語っておられました。いろいろ考え抜いた末の結論なのだと思います。」

 「とても残念ではありますが、持病の再発が判明した段階で、自らの体調の問題で国政が少しでも停滞することを避けたいという総理の心情は、よく分かります。それはそれで、リーダーとしての立派なご判断ではないでしょうか。総理には、『本当にお疲れ様でした』と申し上げたい気持ちです。」

 「安倍総理は、ひとことで言うと、私にとって特別な存在です。個人的にも強い思い入れがあります。若手議員の頃から、いろいろとご指導を頂きました。同じ派閥の先輩だったこともあり、数々の政局も一緒に戦いました。第2次安倍内閣では、約2年間、閣僚も努めさせて頂きました。改めて、総理に感謝申し上げたいと思います。」

 「振り返ってみると、総理との思い出は、数多くあります。例えば、私自身が中核的な役割を果たしたと自負している2つの対北朝鮮経済制裁法が成立したのは、当時の安倍官房長官(後に自民党幹事長)が後押しをしてくれたお陰です。」

 「知事に立候補する際も、安倍総理に背中を押してもらいました。あの時、総理から『何があっても国政に留まって欲しい』と言われていたら、出馬は難しかったかもしれません。知事就任直後に官邸で会っていただくなど、知事になってからも、様々なご支援を頂きました。知事になって早々に発生したCSF(豚熱)問題では、北関東3知事の要望を受けていただくなど、力強いサポートを頂戴しました。」

 「閣僚時代、総理というポストがいかに孤独て過酷なものか、何度か目の当たりにする場面がありました。苦しい時にも逃げずに困難に立ち向かい、歴代最長となる政権の首相を務め上げた安倍総理の強靭な体力と精神力、意志力や使命感に、心から敬意を表したいと思います。」

 「8年近い長期政権に対しては、色々な見方があると思います。総理会見での複数の記者からの『安倍内閣の最大のレガシー(実績、遺産)は男だと思うか?』という質問に対して、安倍首相は『それは歴史が評価することだ」と答えていました。個人的には、安倍総理が『戦後の名宰相の1人として歴史に刻まれる』ことは間違いないと確信しています。」

 「少なくとも私の24年の政治経験の中で言うと、経済政策や外交安保政策を含め、これだけ多くの実績を残した内閣は皆無です。特に『国際社会における日本の存在感を高めた』という点で、安倍首相の功績は極めて大きいと考えています。過去、国際舞台で安倍総理ほどの存在感を発揮した日本のリーダーは、ほとんどいなかったと感じています。」

 「新型コロナとの戦いは長期戦です。ここからが正念場です。正直言って、新型コロナ対策、経済の立て直しを含む内外の重要課題が山積する状況の中で、『この危機を乗り越えていけるリーダーが、果たして安倍首相の他にいるのだろうか?』という気持ちがあることは事実です。」

 「新型コロナ感染という未曾有の危機の渦中です。『誰が何をやても批判される』状態の中で、これだけの対策を打ち出して来れたのは、安倍首相の政権基盤が強固だったからに他なりません。」

 「が、それはそれとして、私が24年間、誇りを持って所属してきた自民党には、優秀な人材も大勢いると思います。出来るだけ早く次の首相を選出し、新首相のもとで一致協力して新型コロナに立ち向かう体制を作り上げていただきたいと願っています。都道府県だけで出来ることは限られています。新型コロナとの戦いに勝ち抜くためには、政府のリーダーシップが不可欠です。」

 「安倍総理の党内での人望、グローバルな人脈等を考えると、総理退任後も、政界に大きな影響力を持ち続けることは間違いないと考えます。今後は、前首相という立場から、引き続き日本のためにご活躍いただくよう、お願いしたいと思います。」


 この続きは次回のブログで。

 

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