2020年8月16日:パート2

 22時30分。熱いミルクティーを飲みながらのブログ。

 少し前から、iPadを積極活用している。iPadの威力を再発見した。欧米のニュースやレイトショーがどこでも見られる。スゴく便利だ。

 組織でも個人でも同じだ。誰もが、自らの仕事ぶりや実績をアピールしようとする。健全な競争は、活力を生み出す源だ。が、不正な手段や姑息な操作で、自らの実力を大きく見せたり、公正なルールを歪めようとする。これは最悪だ。

 「一事が万事」と言う。こういうことを平気でやる人物は、何をやっても、どんな世界でも、絶対に成功しない。「不器用でもいい。『直滑降』の精神を貫こう。」改めて、自分自身にそう言い聞かせた。

 本日、県内で実施した検査(89件)のうち、計19件の陽性が判明。大多数は前橋市内の某ホストクラブの関係者。感染経路は明確だ。

 健康福祉部長と何度か連絡を取った。「よく連携してもらっているとは思いますが、県としても、引き続き管轄する前橋市の保健所を、全面的にサポートしてあげてください」と指示した。

 山本龍市長とも電話で話した。今後も、しっかりと連携して取り組んでいくことを確認した。

 沖縄県や愛知県が、県独自の緊急事態宣言を行なっている。2人の知事の立場はよく分かる。同じ状況に陥ったとしたら、きっと自分も同じことをするだろう。

 ただし、群馬県では、(何度も言っているように)出来る限り2度目の休業要請を回避したい。地域の経済活動を制限する措置は、何とかやらないで済む状況を作りたい。そう思って、感染防止対策や県内事業者への支援に関して、県独自の様々な対策を打ち出して来た。

 例えば、マイクロツーリズムを促進するための愛郷プロジェクトも、資金繰りに関する7年間の利子補給も、高齢者施設との情報共有システムも、県内100以上の業界との協定締結等もその一環だ。

 え?知事が休業要請に踏み込みたくないと考えるのは、当然だろう。休業要請は出来るのに、それに代わる補償措置が法律に盛り込まれていないのだ。もちろん、それをやらざる得なくなった時は、国の支援も求めつつ、県としても可能な限りの支援を行う。

 が、県の対策にも限界がある。県民に外出自粛や休業を要請すれば、地域経済は大きな打撃を受ける。すでに県内の中小・零細企業は、ギリギリの状態なのだ。

 県内には、約70の山本一太後援会がある。生まれ育った群馬県には、どんなに苦しい時も、ずっと応援してくれている大勢の支持者の方々がいる。前回、休業要請を余儀なくされた際、いろいろな人の顔が浮かんだ。

 分野や職業は違っても、皆、一生懸命、真面目に仕事をし、頑張って来た人たちばかりなのだ。それが、予想もしなかった新型コロナ感染という事態の中で、塗炭の苦しみを味わっている。

 そうした中でも、ほとんどの事業者の方々に、県の新型コロナ対策に協力していただいている。新しい生活様式の実践への呼びかけにも、応えてもらっている。県内の感染状況は、この数週間、厳しい状況になりつつあるが、ここまで群馬県が何とか踏ん張って来れたのは、県民の方々の理解と努力のお陰だ。

 その甲斐もあって、県内感染は、いったん収まった状態(完全な根絶は不可能だとしても)になっていた。これを受けて、ようやく経済活動が再開されたのだ。先日も、ある飲食店経営者がこう話していた。

 「知事、まだまだ厳しいけど、うちの店にも、やっと人が戻り始めた感じです」と。

 経済・社会活動が増えれば、必ず陽性者が出る。だからこそ、「過剰反応をしないようにしよう」と心に決めていた。

 知事の立場からすると、経済活動を厳しく制限する措置を実施するのは、難しくない。いや、精神的にもその方が楽だと思う。「対策が遅れたから、感染が広がった」と批判されないで済むもの。しかしながら、今、知事としてやるべきことは、「経済活動の制限を最小限にする」ための最大限の努力をすることだと思う。

 そんな中、昨日(15日)から、県独自の「社会経済活動再開に関するガイドライン」に基づき、県内の警戒度を「2」に引き上げている。

 前回のブログでも触れたが、ガイドラインを策定した5月時点と比べ、医療体制の整備や感染防止対策の取り組みが進んでいる。状況が違うのに、既存のガイドラインの内容をそのままあてはめると、実態にそぐわない部分が出て来てしまう。

 例えば、既存のガイドラインの行動基準だと、警戒度「2」では、学校の分散登校を求める必要がある。が、現状では、一律に分散登校をお願いするような状況ではない。

 結果として、既存の行動基準の考え方を踏襲しつつ、実態に合わせた要請を行うことにした。

 確かに警戒度の移行を発表した一昨日の記者会見で、「新たなガイドライン」を公表し、それに沿って対策を説明出来れば、県民の方々には、より分かりやすかったかもしれない。が、既存のガイドラインの見直しには、もう少し時間をかけたかった。その理由は次の2つだ。

(1)政府の新型コロナ感染症対策分科会で、感染状況を区分するための新たな指標や各ステージの対策等に関する提言が出された。政府の指標も変わる可能性がある。県のガイドライン見直しの作業は、国の方針とも連動する形で進めたい。

(2)ガイドライン修正版の策定は、秋以降に発生する可能性が高い(?)第2波、第3波への対応(具体的な対策)を考えつつ、行う必要がある。県の危機管理チームの専門家とも十分に協議する時間が欲しい。

 今月末までには、修正作業を終え、新たなガイドラインを発表したいと思う。

 ということで、今回のような対応(警戒度「2」への移行と行動基準の調整)になりました。県民の皆さん、ぜひご理解をお願いします。

追伸:前橋市内でクラスター(集団感染)が連続発生した。前述したように、感染拡大を封じ込めるための最大の努力をする。が、この状況が続くようなことがあれば、(残念ながら)何らかの経済活動制限措置を取らざる得なくなるかもしれない。

 「経済活動は止めたくない。過剰反応も避けたい。が、県民の安全と生命は守らねばならない。」 知事としての難しい判断が続く。全国のどの知事も、きっと同じ悩みを抱えている。

 

◇群馬県の政策の詳細については県のサイトをご覧ください。
https://www.pref.gunma.jp/

◇新型コロナウイルス感染症についてのまとめページはこちらです。

https://www.pref.gunma.jp/02/d29g_00243.html


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