2020年8月1日:パート2

 21時。高崎の自宅で、パソコンを起動させた。

 本日、県内で行われた新型コロナ感染症の検査は128件。うち、1名の陽性が確認された。まだ低いレベルに留まっている。が、東京都を含む首都圏は、さらに深刻な状況に陥りつつある。明日からも、緊張感を持って対応する。

 ある起業家といろいろな話をした。「先のない(衰退する)組織って、そこに所属するメンバーを見れば、たちどころに分かる」とのこと。全く同感だ。

 有能な人材がどんどん流出し、組織内の人材が劣化する。必然的に、その組織が生み出すアウトプットの質も悪化する。そうなると、更に国民(消費者)の信頼を失う。まさに悪循環だ。

 昨年末だったと思う。コンビニのトイレで、ある若者(大学生)と遭遇した。相手の方から声をかけて来た。実はこの現象、知事になってから2度目のことだ。なぜ、同じ場所なんだろうか? 当時、マスクは付けていなかった。

 「あのう、山本知事ですよね。驚きました。私は、将来、県庁で働きたいと考えています。山本知事が県のトップなら、とてもやり甲斐のある仕事が出来るんじゃないかと思ってるんです。」

 この青年の言葉は、とても嬉しかった。爽やかな感じの若者だった。

 「ありがとう。ぜひ頑張ってください。県庁で待ってるからね。」そう答えた。名刺を渡す暇はなかったが、本人の名前と、どの大学に通っているのかくらいは、聞いておけば良かったなあ。

 今晩、このブログを読んだ本人は、きっとこうつぶやいている。「あ、オレのことだ。知事、ちゃんと憶えてくれてるんだな」と。

 県庁職員1人1人のモラルを高めたい。県庁を、若者が「ぜひ就職したい」と思えるような、魅力のある場所にしたい。これから群馬県は、危機的な状況に直面する。次々と襲いかかってくる数々の試練を乗り越え、群馬県の魅力と存在感を高めていくという難しい挑戦が待ち受けている。だからこそ、1人でも多くの優秀な人材を集めたい。知事として、心から、そう思っている。

 4、5日前、県内で最大の発行部数を誇る地元紙(上毛新聞)の記者からの電話で、「ブログ歴が20年に及んでいる」事実を再認識した。

 さすがにこのくらい続けていると、長年の愛読者というのが出て来るものだ。先日、久々に電話で言葉を交わした有力な支持者の方が、知事の近況を詳細に把握していることに驚いた。「なぜ、そんなに良く知っているんですか?」と聞いたら、こんな反応が返って来た。

 「あたり前じゃないか。一太知事のブログを毎日、欠かさず読んでいるんだから。」 

 その人は、こうも話していた。

 「あのブログから、山本知事の行動だけじゃなくて、人間性や心情、心境まで伝わって来る。一太さんは、知事になっても、ちっとも変わらないね。政治家で、ここまで本音を吐露している人は他にいない。だから面白いんだ。ずっと続けて欲しい」と。

 「実際、『直滑降』は、そこらへんの新聞より影響力があるんじゃないか?twitterのフォロワーも23万人いるんだってね。ブログは、市役所の職員の間でも、ファンが多いらしいよ」とも。

 そう言えば、亡くなった北群馬郡の大林俊一県議(高校時代の同級生)から、優しく叱られたことを思い出す。

 「あのさ、山本のブログ、本人が思ったよりずっと大勢の人が読んでるんだぜ。だから、感情的になっている時は、先ず深呼吸して、1日置いてから、書いたほうがいい。それだけは、頭に置いておいてくれよな」と。

 別の後援会幹部は、ブログについて、こんな感想を述べていた。そのまま書く。

 「最近、新聞はあまり読まなくなった。が、知事のブログは毎日、読んでいる。いつの間にか習慣になってしまった。(苦笑)でも、言葉の中で、知事の覚悟が伝わって来る。政策の説明や政局の分析も鋭いし、説得力がある。何より、文章が分かりやすいよね。」

 「そもそも新聞記事は、断片的で分かりにくい。知事のブログとは情報量が違う。直滑降ブログは、情報ソースとしても貴重だと思うよ。」

 少し前のことになるが、地元のある担当秘書が、県内の有力企業の経営者と打ち合わせをした。その際、こう言われたと報告して来た。

 「山本知事のブログ、あそこに私も実名で一度、登場したいんだけどなあ。」

 秘書を介して、次のように返答した。

 「とても注目されている企業ですから、近いうちに視察させていただくつもりです。その日のブログで、バッチリ社長の実名を書かせてもらいます」と。

 せっかくだから、もう少しこの話題を続けてもいいだろうか?

 群馬県独自の観光振興キャンペーンを使って、群馬県内の4つの温泉地を訪問した。全ての視察に同行してもらった宇佐美メディア戦略アドバイザーが、その場で動画を撮影し、編集してくれた。4つの観光地の動画は、tsulunosのYouTubeにアップされている。

 草津温泉でも伊香保温泉でも、街中で大勢の人たちが、(向こうから)声をかけてくれた。「あ、山本知事ですよね。毎日、大変ですね。テレビや新聞で、よくご活躍を拝見しています。」

 信じてもらえないかもしれないが、圧倒的に好意的な反応が多かった。批判めいたことを言う人は、誰もいなかった。

 こちからからも、積極的に話をした。「どこから来ているのか?」「愛郷プロジェクトをどう評価しているのか?」を聞きたかったからだ。ほぼ全員が群馬県民。毎回、同じ言葉が返って来た。

 「この宿泊補助、とてもいい政策だと思います」と。

 知事の姿を見て、店の中から飛び出して来る人もいた。「群馬県独自の7年間の利子補給、本当に感謝しています。あのお陰で、何とか息をつけました」とのこと。こうした反応には、宇佐美アドバイザーも驚いていた。これはこれで、実際に体感した生の感触だ。

 どの温泉地でも、4、5人は、こんなことを言う人がいた。

 「私、知事のブログを毎日、読んでいるんです。」

 学生風の若者もいれば、高齢の女性もいた。後援会関係者でないことは、ひと目で分かった。

 上述した感想は、いわば山本一太応援団の人たちの声だ。好意的なのは当然だろう。この「ちっぽけなブログ」の発信力、政治家としての自分の存在感を過大評価したりしない。常に等身大の自らの実力を、冷静に見極めようと努力している。が、様々な反応やデータ等から考えて、国会議員時代とは異なる読者が増えていることは事実のようだ。

 20年の地道な発信の積み重ねによって、このブログが本当に「他の政治家にない武器」になっているとすれば、知事の目標(群馬県を少しでも良くする)を実現するため、最大限に活用させてもらう。何があろうと、これからもずっと書き続ける。改めて、そう決心した。

追伸:群馬県の新人県議たちが日々、進化しているように、ルーキー知事も毎日、少しずつ力を蓄えている。県庁内での足場を固め、情報力を強化し、人脈を広げ、政策を実現させるための戦略を常に考え続けている。過去の失敗から学び、より賢く、強靭で、しなやかな身体と心を練り上げていく。

 些細なことには動揺しない。ちっぽけな存在やつまらない現象に過剰反応したりすることもない。
 
 そう、どんなに不器用な人間でも、努力すれば進歩していくものだ。そのことは、忘れないでください。


◇群馬県の政策の詳細については県のサイトをご覧ください。
https://www.pref.gunma.jp/

◇新型コロナウイルス感染症についてのまとめページはこちらです。
https://www.pref.gunma.jp/02/d29g_00243.html