2020年7月12日:パート2

 夕方。午後から久しぶりの青空。熱い紅茶を飲みながら、本日2本目のブログを書き始めた。

 東京都の今日の新規感染者は206人。4日連続で200人を上回ったことになる。神奈川県でも、埼玉県でも増加傾向にある。群馬を取り巻く状況は厳しい。東京での感染経路不明の人数も気になる。

 少し前に最新のNBCニュースを見た。米国の西部や南部の複数の州で、1日あたりの新規感染者数や死亡者が急増。連日、過去最多を記録している。特に、テキサス州、フロリダ州、アリゾナ州など、早期に経済を再開させた地域の状況が深刻だ。カリフォルニア州の死者の伸びも顕著だ。この事態を受けて、(恐れていたとおり)米国経済の景気回復にも赤信号が灯りつつある。

 番組の中で、米国内における新たな発生源の1つになってしまったカリフォルニア州サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長が、インタビューでこんな趣旨のことを話していた。

 「経済の再開と封鎖の繰り返しは、残念ながら私たちのニューノーマルの生活の一部になっている。もはや将来の確実な計画は立てられない」と。この言葉に全てが凝縮されている。

 群馬県の現在の警戒度は最低レベルの1。東京への移動に関しても、県民に注意を呼びかけているが、移動制限まではかけていない。過去数カ月、県内外の情勢を見極めつつ、慎重かつ丁寧なプロセスで、警戒度を下げて来た。

 週明けからの東京を含む首都圏の状況を注意深くウォッチしていく必要はあると思うものの、現時点で「再び警戒度を引き上げる」ことは考えていない。

 外出の自粛も休業の要請も、地域の経済を直撃する。時間をかけて、ようやくこの段階まで辿り着いた。県民に対して外出自粛を求めたり、休業を要請するようなことは、(やらないで済むなら)2度とやりたくない。どの都道府県知事も同じ気持ちだろう。

 経済活動再開のための県独自のガイドラインで定められた基準データ(客観値)は安定していたものの、休業要請の解除や学校の再開は、近隣県より少し遅らせた。その間に、想定される第2波に備えた準備を少しでも進めておきたかったからだ。

 前回のブログで、「ここ最近、群馬県内の感染者が極力、低いレベルに抑えられている」のは、県民1人1人の方々の努力の賜物だ(感謝)」と記した。が、県内における感染症流行のひとまずの収束には、経済活動及び学校を再開前の「群馬の5日間」を使って実施した群馬県独自の様々な方策も、少なからず貢献していると信じている。

 例えば、県内100以上の業界団体との覚書締結及びそれに基づく業界独自の感染防止対策の策定と徹底、県内の高齢者施設での発熱状況を把握する県独自のシステムの構築等は、他の都道県にはない取り組みだ。

 なぜ、「群馬の5日間」が必要だったのか?前述したように、第2波、第3波が襲来した場合でも、慌てて過剰反応することを避けるためだ。

 だからこそ、県内の新たな感染者が多少、増えたとしても、東京の情勢が悪化したとしても、落ち着いて行動すると決めている。冷静かつ迅速な対応を取ることで影響を最小限に抑えつつ、可能な限り経済を止めないで済む知恵を絞っていく。これが、知事の描いているイメージなのだ。

 ただし、本当に必要な時は、再び規制をかけることを躊躇してはならないとも考えている。サンフランシスコ市長の言葉が象徴的だ。withコロナの世界では、経済や社会活動の規制と解除が繰り返される「不愉快なサイクル」に向き合わざる得ない、

 さあ、身体を動かさないと。今日は自重を使った運動だ。