2020年6月23日

 昼過ぎ。知事室でパソコンのブログ更新画面を呼び出した。食休みをしながら、キーボードを叩いている。

 午前10時からの本会議は約1時間。4つの会派の議員との質疑だった。知事答弁は2問。今回の補正予算の狙い、新型コロナウイルス対応安心安全店舗認証制度を創設した理由を質された。

 補正予算案の中核は、(1)第2波、第3波への備え(2)本県産業のニューノーマル実現支援(3)子供たちの学びの保障 だ。新型コロナの影響で、県内の産業は大きく疲弊している。県として、最大限の支援を行う必要があることはいうまでもない。

 そうした認識を踏まえ、群馬県独自の取り組みとして、全国トップレベルの7年間の手厚い無利子融資を決定。企業の資金繰りを強化した。今週からは、国の2次補正予算を活用し、1事業者あたりの融資限度額を3千万円から4千万円に拡充している。

 加えて、休業等の要請に応じてくれた事業者の方々には、20万円の事業継続支援金の支給を実施。このスキームには、1万件以上の申請があった。

 どの業界も厳しい状況の中にある。仮に財源が無尽蔵なら、県内のあらゆる産業を個々に支援したい気持ちで一杯だ。が、現実は違う。国からの臨時交付金が増額されたと言っても、県の財源には限りがある。個々の全ての業界に財政支援をすることは難しい。

 別の角度から言い換えると、限られた財源の中で「薄く広くばら撒く」対策を繰り返したとしても、経済の活性化には結びつかない。もっと言うと、中・長期的な県民の幸福度の向上には繋がらない。この点に関しては、相当の時間をかけて議論した。

 今回の補正予算では、これまで県が行なって来た事業継続に対する支援から一歩前に踏み出して、「withコロナ時代」に即した新しいビジネスモデル創出への支援に力を傾注した。ここが従来型の県の政策と一線を画する発想なのだ。

 既に民間(小売、飲食サービス業等)では、テイクアウトやデリバリーなど、様々な創意工夫が実践されている。今回の「ニューノーマル創出支援」の補助制度によって、こうした取り組みを後押しし、県内に広げていきたいと考えている。

 ちなみに、産業支援策の中で、ぜひ注目して欲しい試みがある。「オンライン販路開拓支援事業」だ。これは、県内のものづくり中小企業の優れた技術や製品のPR、マッチングを支援するためのデジタルプラットフォームとして、ウェブ空間に「バーチャル展示場」を構築するというもの。約700社の常設展示が可能となる予定だ。

 今はバーチャルの展示商談しか出来ないが、将来的にはリアル(例えばGメッセ群馬の活用等)とも合体出来るような流れを作りたい。

 個々の企業がより効果的な展示を実現出来るよう、専門家によるアドバイスも行う。この「バーチャル展示場」には、参加企業のPR戦略を強化してもらうという目的もある。

 さあ、そろそろ昼休みが終わる。