2020年6月19日:パート2

 17時30分。知事室にいる。先ほど、「嬬キャベ海外協力隊プロジェクト」プログラムに参加し、嬬恋村で農業に従事している本県出身のJICA海外協力隊員5名とのオンライン懇談を終えた。

 さすがは、情熱に溢れた海外協力隊のメンバーたち。全員が、前向きで明るい若者だった。嬬恋村での貴重な経験を、ぜひ、これからの人生に生かして欲しい。

 昨日、河井克行前法務大臣夫妻が逮捕された。「現職の国会議員夫妻が逮捕される」というのは、今まで聞いたことがない。24年間、与党の国会議員を務めた政治家として、こんな前代未聞の事件が起きてしまったことを、本当に残念に思う。

 昨晩、知り合いのマスコミ関係者から電話があった。「一太さんが、ずっと前から予言していたとおりの流れになりましたね。いや、驚きました」と話していた。

 詳しいことは言わないが、自分には、(かなり前から)「必ず嫌な顛末が待っている」という予感があった。かなり強引な感じがした。それだけに、どこかで「しっぺ返し」を受けるのではないかと危惧していた。世の中とは、そういうものだ。

 が、決して他人事ではない。この事件を契機に、全ての政治家が襟を正すべきだ。政治の世界でよく使われる「一寸先は闇」という言葉を、改めて噛み締めた。自分自身に、こう言い聞かせた。「出来るだけシンプルに、正直に生きることが大事だ」と。

 ついさっきまで、もてはやされていた人が、あることをキッカケに、突然、攻撃の的になる。昨日までは、「立派な人物だ」と褒めちぎっていたのに、一転して「実は中身が無かった」みたいに酷評される。同様に、これまで評価されていた新型コロナ対策も、今後の展開次第では「失敗だった」という見方になる。

 首長の評価も、あっという間に変わる。実際、そうした傾向が見え始めている。これも予想どおりだ。

 注目されれば、それだけ世間の目も厳しくなる。マスコミは、持ち上げるだけ持ち上げたら、どこかで必ず落とす。理由は、そのほうが視聴率が取れる(=売れる)から。小池東京都知事がいい例だ。

 ただし、(極端に言うと)自分も含めて、個々の知事の評判なんて、どうでもいい。要は、その都道府県が良くなるかどうかだ。たとえ反発があっても、知事として、都道府県民の生命や安全を守り、彼らの幸福度を向上させるための政策を実行出来るか否か。そこが最も重要なのだ。

 そのためにも、先ずは足元を固め、立ち位置を安定させる必要がある。その上で、物事を落ち着いて判断し、迅速に行動する。それが、長期戦を戦い抜くための秘訣であり、群馬県知事の基本戦略だ。

 東京都知事選挙が始まった。小池百合子東京都知事の「圧勝による再選」が囁かれている。いつも言っているように、誰にでも評判のいい人間(政治家)など存在しない。結局のところ、その政治家が地元で評価されているかどうかの物差し(通知表)は、選挙の得票数しかない。都知事選でも、結果が全てを証明するだろう。

 さあ、今晩の「直滑降ストリーム」の準備を始めないと。