2020年6月17日

 19時30分。居間のテーブルの上で、MacBook Airを起動させた。10分ほど前に帰宅。すぐに手を洗い、普段着に着替えた。たった今、お気に入りのバッグパックからパソコンを引っ張り出し、居間のテーブルの上で起動。サッとブログを書いてしまおう。

 夕食は、(協議の合間に)知事室で済ませてある。普段だと、帰宅直後に、YouTube Premiumで、世界の最新ニュースをチェック。英語を聞いているうちに、意識を失う。20〜30分後に、ソファーの上で目覚めた後、急いで夕食を食べ、食後の紅茶を飲みながらブログを更新する。これがお馴染みのパターンだ。が、今日は順番を変えて、最初にブログを更新する。

 午前中は、大手物流企業の前橋事務所竣工式(懇親会)に出席。来賓として、祝辞を述べた。知事選の演説等でも、時々、こう訴えていた。「群馬県には、物流拠点としての大きな可能性がある。そこをもっと伸ばすべきだ」と。

 県内の高速道路網がかなり整備されていることに加え、首都圏に近いという強みもある。内陸県ではあるが、港湾へのアクセスも悪くない。

 午後からは、(何回かに分けて)6月補正予算案の協議をやった。本予算であろうと、補正予算であろうと、予算編成の議論は、常に真剣勝負だ。原則として、2人の副知事、総務部長と財政課長、秘書課長と首席補佐官は、全ての知事協議に同席。個々の予算(事業)を管轄する部局の幹部の説明を踏まえて、予算案の内容を精査する。

 「費用対効果はどうなのか?!」「もっと新しい切り口はないのか?!」「単なるバラマキになっていないか?!」「県民全体の利益に繋がるのか?!」「他の都道府県と比べてどうなのか?!」等々。場合によっては、1つの事業に関して、3度も4度も話し合う。

 新型コロナの県内産業に対する影響は甚大だ。窮地に陥った事業者や産業を支えることは、もちろん重要な視点だ。が、全ての業界や産業に損失補填をすることは、(増額された政府の臨時交付金を活用しても)難しい。

 本当に必要なのは、その場凌ぎの対処療法ではない。withコロナ界の「ニューノーマル」でビジネスを展開していくための後押しをしていくことだ。知事である自分は、そう考えている。

 この際、従来型の中小企業、零細事業者対策の概念を見直していくことも必要だ。この点に関しては、行政にも民間にも「意識改革」が求められている気がする。

 少し前のブログで、ある県庁幹部の「今までの予算協議とは全く違う」という言葉を紹介した。個々の事業の予算案を作成している関係部局、特に幹部職員は、今までの何倍も、知恵を絞らなければならない。知事と2人の副知事を説得するのは、さぞかし大変だと思う。

 が、それでも、担当部局の考えを最初から否定するようなことはしない。徹底的に議論し、より良いもの、より現実に合った中身に練り上げていく。予算案の作成は、「産みの苦しみ」とも言うべきプロセスだ。

 だからこそ、各部局には、プレッシャーを力に変えて、しっかりついて来て欲しい。「予算」は、県民の幸福度を上げるための不可欠な手段なのだ。その意味では、予算編成こそ、県庁の最大の使命だと言っても過言ではない。

 その代わり、県議会一般質問の答弁案については、出来るだけ細かい注文をつけないように心がけている。答弁の流れさえ把握出来れば、ほとんど自分の言葉で表現出来るからだ。

 答弁案には、事前に目を通す。その上で、関係部局との打ち合わせに臨む。修正が必要だと思う時は、その場で、「この部分は、こう直してもらえないか」とか、「この点を付け加えて欲しい」みたいな注文をする。が、最後に必ずこう付け加えている。

 「今、指摘した点を考慮して、答弁案を加筆・修正してみてください。細かい文言等は、そちらにお任せします」と。

 さあ、熱い紅茶を飲みながら、NBCとCBSの最新ニュースを見る。