2020年6月13日:パート3

 23時過ぎ。夜は英語漬け。NBC、MSNBC、CNN(米国の主要ネットワーク)の最新ニュースを次々にチェック。続けて、ハリウッド俳優のドキュメンタリー、米国のTVドラマを見ている。

 これでも一応、米国の大学院を卒業した。が、修士号なんて(ちょっと勉強すれば)誰でも取得出来る。ニューヨークの国連機関での勤務を合わせると、米国で5、6年、暮らしたことになる。

 にもかかわらず、英語がちゃんと使えない自分自身に唖然とする。最高の環境を生かせなかったことが、とても恥ずかしい。

 米国に留学する前、「サイマルアカデミー」という有名な通訳養成学校の同時通訳コース(基礎課)に通っていた時期があった。このスクールの創設者の1人は、日本を代表する同時通訳者だった故・村松増美先生だ。村松先生の「私も英語が話せなかった」は、何度も読んだ。

 その村松先生と一緒に、時々、夜の六本木に遊びに行った。80年代の初めだ。当時は、好奇心の塊みたいな20代の青年だった。

 授業が終わると、ディスコで踊ることが趣味だった村松先生が、受講生達をよく「レキシトン・クイーン」(バブル時代の有名店)に連れて行ってくれたのだ。

 授業で溜まったストレスを発散した後は、皆で先生を囲んでお茶を飲んだ。この課外授業が最高だった。その時、村松先生に言われた言葉が、今も胸に刻まれている。

 「山本さん、あなたは、物真似が上手い。ユーモアセンスも抜群だ。もともと、語学の才能はあると思う。でも、真面目に努力しなかったから、英語をちゃんとマスター出来なかった。留学したら苦労すると思うけど、英語のシャワーを浴びて頑張りなさい。」

 この村松先生の「もともと語学の才能はある」という言葉を信じて、もう一度、英語の勉強に取り組む決心をした。Netflixのドラマやドキュメンタリーには、英語のキャプション(字幕)を表示する機能もある。これを最大限に使わせてもらうことにした。

 喋ることはまだしも、ヒアリングの能力が驚くほど低いのだ。

 少し前から、睡眠時間を削って、毎晩、英語を聴いている。何しろ、知事がキャスターを務める「直滑降ストリーム」に、米国の知事もゲスト出演してもらう予定なのだ。その時は、最初から最後まで英語でやると決めている。群馬県の魅力を世界にアピールするためには、英語による情報発信戦略が不可欠だ。ここでも、知事が先陣を切る。

 すでに62歳。でも、何かを始めるのに、遅すぎることはない。実際、連日の筋トレのお陰で、これまでの人生の中で「最も引き締った身体」になっている。ボーカルの声量も落ちていないし、歌のキーも昔のままだ。全く染めていない髪も、まだそんなに白くなっていない。

 すでに運動は済ませた。これからYouTube Premiumでニュースショーの残りを見て、それから熱いお風呂に入る。