2020年6月10日:パート2

 昼過ぎ。知事室でパソコンを起動させた。今日は地下の生協食堂からお弁当を注文。いつもより時間をかけて食べた。食休みをしながら、本日2本目のブログを書く。

 昨晩、6月4日に放送された「NHKクローズアップ現代+」の「ネットのひぼう中傷をなくすために〜女子プロレスラーの死」を見た。改めて、亡くなられた木村花さんのご冥福をお祈りします。

 

 番組のインタビューの中で、木村さんへの中傷を書き込んでいた人たちの心理状態がよく分かった。

 世界のあちこちで起こっているこの問題の背景や課題(ネットの光と闇)が良く分かる。この番組を、ぜひ大勢の人たちに見てもらいたい。そして考えてもらもらいたいと思う。

 番組では、ネットの炎上を研究する准教授が、「一部の人の意見があたかも多くの人の意見のように見える」というSNSの特徴を指摘していた。「少数の批判とかネガティブなことを考えている人ほど、多くのコメントを発信する」とも。

 過去のブログでも触れたが、SNS上には、真っ当な批判や傾聴に値する意見、国民の本音も存在する。ひぼう中傷を繰り返しているのは、実は一部の人たちなのだ。

 この番組の中で、最も印象に残ったのは、2年間、ひぼう中傷の被害にあったというサイエンスライターの方のケース。ある記事をきっかけに、200以上のアカウントからの書き込みが始まり、その中に根も葉もないデマや中傷を執拗に流す人物が出現したとのこと。家族にまで、影響が及んだらしい。

 結局、被害に遭ったこのひとは、苦労を重ねて裁判に持ち込み、1年かけて相手を特定した。驚いたのは、浮かび上がった60代の人物が、数百のSNSアカウントを保持。別々の人物を装って、ひぼう中傷のコメントを繰り返していたと見られることだ。

 賠償を求めた民事裁判では、被害者(サイエンスライター)側が勝訴。その結果、ひぼう中傷を繰り返した相手は、裁判所から260万円の支払いと謝罪を求められた。にもかかわらず、1年経った今も、相手側から謝罪も支払いもないという。加害者の男性は、検察の調べに対し、「悪気はなかった。遊びだった」と説明したそうだ。

 自分だったら、こんな卑怯な人間は、絶対に許さない。大切な家族まで不安に陥れたのだ。ありとあらゆる手段で、徹底的に反撃を続けるだろう。

 ネットは社会を変革する力だ。SNSは1人1人のエンパワーメント(能力開花)にも繋がる。が、何事にも「光と闇」がある。ひぼう中傷の被害を受けた人たちを助けるための制度改革は、絶対に必要だ。

 あ、そろそろ午後の協議が始まる。6月の補正予算案について議論する。