2020年6月6日:パート2

 21時30分。草津温泉の旅館の部屋。先ほど、施設内の浴場でお風呂に入った。久々の草津温泉を堪能。数分前に帰還した。「密」を避けるため、脱いだ浴衣を入れる籠が減らしてあった。建物のあちこちに、感染防止の工夫がなされている。

 入浴の時間は、温泉ボーイの直感で決めた。思ったとおり、浴場は、とても空いていた。というか、ほぼ独占状態だった。ああ、気持ち良かった。

 草津温泉の特徴は、大きく言って3つ。第1に、酸性が強い(=殺菌作用が強い)ため、完全な無菌状態であること。第2に、怪我や病気のリハビリに優れた効能を発揮すること。第3に、コロイド硫黄(?)成分等の効果で、美容にいい(=スベスベの肌になる)ことだ。

 え?最後の「美肌温泉」という点は、草津温泉で生まれ育った現職の群馬県知事が証明している。自分で言うのも何だけど、実年齢(62歳)に比べて、肌年齢がスゴく若いのだ。(お見せ出来ないのが残念)

 雄大な自然と高原の清々しい空気、日本有数の温泉、人情味に溢れた町民の人たち。天狗山の麓や温泉街を歩きながら、心の中でつぶやいた。「こんな故郷があって、本当に幸せだ」と。

 夕方になっても、湯畑や賽の河原の観光客は減らなかった。街を歩く人々も、カフェでお茶を飲む人たちも、とてもリラックスした表情だった。家族連れが多い気がした。

 湯畑付近の大型ホテルと、草津名物の「湯もみ」を披露する会場も視察した。フロントで作業する従業員の前に透明のボードを立てるとか、観客席の数を減らすとか、あちこちに消毒液を置くとか、人と人との距離を維持するための導線を設けるとか、事業者の方々の真剣かつ懸命の努力に頭が下がる思いがした。

 ちょっぴり驚いたのは、街のどこに行っても、大勢の人たちが声をかけてくれたこと。信じてもらえないと思うが、すれ違う人たちの7、8割が、向こうから会釈してくれた。マスクを付けているのに、良く分かるなあ???やっぱり声が独特なのかも。

 ほとんどが、暖かい激励の言葉だったことに感動。これだけでも、草津まで足を運んだ甲斐があった。

 「あ、知事、今日は何かの仕事ですか?」「いつも活躍を拝見しています。身体には十分、気をつけてくださいね。」「やっぱり知事でしたか。似ていると思ってたんだ。」「少し離れるので、スマホで一緒に写真、撮ってもらってもいいですか?」「昨晩のYouTubeで草津に来ると言ってたので、会えたらいいなあと話していたんです。」

 

 こんなに山本一太を知っている人がいるなんて???県独自の「愛郷宿泊キャンペーン」を活用して来てくれた県民の方々が多かった証拠だ。実際、こんな台詞も、よく聞いた。

 「私たち、太田から来ました。」「住まいは前橋なんですよ。」「県民への宿泊費の補助、感謝しています。早速、使わせてもらいました。」

 考え過ぎかもしれないが、ふと思った。「もしかすると、県民の間の認知度が少し上がっているのかな」と。「知事のこの10ヶ月間の全力疾走は、思った以上に県民の胸に届いているのかもしれない」とも。

 湯畑で待ち合わせした黒岩草津町長も、観光協会長も、旅館やホテルの経営者たちも、全員が、「今回の観光産業への支援策には、とても感謝している」と言ってくれた。

 特に嬉しかったのは、複数の店舗や旅館の経営者の口から出て来た次の一節だ。

 「山本知事が、県独自の中小企業・小規模事業者への支援策として、無利子無担保の制度融資の利子補給期間を7年に延ばす決断をしてくれたこと。この政策には皆、とても感謝しています。我々にとっては命綱ですからね。」

 いわゆる「マイクロツーリズム」(近場の魅力を再発見する観光政策)を推進するこのキャンペーンは、まだ始まったばかりだ。県民による県内観光の機運を、ここから更に盛り上げていく。次回は、伊香保温泉に泊まる予定だ。

         <ライトアップされた夜の湯畑周辺>

 

<黒岩草津町長と意見交換>