2020年6月5日

 昼過ぎ。知事室にいる。これから少人数のランチミーティングがある。

 午前11時。利根川近辺で実施して来た堤防の緊急工事の状況を視察。大型の台風災害に見舞われた場合、最も氾濫のリスクが高い伊勢崎・玉村地区の2.6キロに土嚢を積み上げる作業が終わった。どうしても現場を見ておきたかった。

 視察には、地元の五十嵐伊勢崎市長、石川玉村町長にも同行していただいた。(感謝)

 堤防の整備は5年かけて完成させる予定だ、が、緊急的な対策である土嚢の設置作業は早急に進めてもらうよう、関係部局に指示していた。梅雨入り前までの限られた時間内に、2.6kmもの長さの土の設置工事を間に合わせてくれた建設会社、伊勢崎土木事務所の関係者に、心から感謝を申し上げたい。

 昨年の台風19号が来襲した際には、利根川の水位が相当、上昇した。たまたま八ッ場ダムが試験湛水中で空だったという幸運がなければ、複数の箇所で氾濫した可能性もあった。今回、工事を行なった地区は、そもそも堤防が低い。政府や県独自の流量計算でも、最も危険だと分析されていた場所だ。

 万一、この地区で利根川が氾濫したら、何万人もの県民が甚大な被害を受けることになる。台風シーズンが到来する前に、「少しでも安全度を高めておく必要がある」という知事の強い思いで進めた対策だ。

 昨年末、群馬県は(全国で初めて)「群馬・気象災害非常事態宣言」を行なった。台風19号の規模の災害は毎年、発生するという想定のもと、県土整備プランの見直しも進めている。

 今後も、県内の市町村と連携しつつ、最も安全・安心で、安定的に経済活動を行える「災害レジリエンスNo. 1」の群馬県の実現を目指し、防災・減災対策に力を注いでいく。

 あ、そろそろ会合が始まる。