2020年6月4日:パート2

 18時。少し前に知事室に戻った。テイクアウトの夕食が来る前に、本日2本目のブログを書く。栄養補給が終わったら、退庁する。

 午後の本会議で観光産業支援キャンペーンのための補正予算が(全会一致で)可決された。本会議終了後、副知事と一緒に県議会の全会派の控え室を回った。「ありがとうございました」と頭を下げた。

 約12億円の「愛郷ぐんまプロジェクト〜泊まって!応援キャンペーン」の実施が決定した。

 16時30分からの定例記者会見で、議決したばかりの補正予算の中身(観光産業応援キャンペーン)を詳しく説明した。会見の直前に、突如、右胸の筋肉に激痛。どう考えても、昨晩の筋トレと寝不足のせいだ。

 冷や汗をかきながら、最後まで(何とか)乗り切った。この現象、久し振りだった。気づかないうちに、疲労が溜まっているのか…なあ。

 本県では、国の「基本的対処方針」を踏まえ、6月18日までは「県民による県内観光」を推進する。翌19日から、県外からの観光客の勧誘を(徐々に)始めていく方針だ。

 8月1日から国の「Go To キャンペーン」がスタートする。その後は、国の事業との連携を図りつつ、全面的に観光振興を推し進める予定だ。これに先立ち、本県の主要産業の1つである観光産業支援の第1弾として、このプロジェクトを展開する。

 早速、明後日5日(金)の宿泊分から、この枠組みを使えるようにする。実施期間は、国の「Go To キャンペーン」が開始されるまでの約2ヶ月間。この期間中に、県独自の事業を集中的に実施する。改めて、施策の内容を詳しく説明したい。

 県民が、この施策の対象となる県内の宿泊施設に宿泊した場合、1泊の宿泊費が6千円以上なら、1泊につき1人5千円を補助する。予算規模は30万人泊を確保。全国の例を見ると、多くても数万人泊だ。群馬県が思い切った規模を設定したことが、よく分かってもらえると思う。

 なぜ30万人泊なのか?昨年6月と7月の宿泊者数のうち、県外客が概ね8割、約100万人泊を占めている。その減少分を、県民によるマイクロツーリズムで少しでも補おうとするものだ。観光のみならず、その関連産業にも波及効果が期待出来る。財源(約12億円)は、国の臨時交付金を活用する。

 5千円のうちの1千円を宿泊施設に負担してもらうのは、官民一体となって地域の活性化に取り組む態勢を構築するためだ。

 併せて、この制度の利用方法も、簡潔に説明しておく。先ずは、宿泊したい施設が、このキャンペーンの対象施設かどうかを確認して欲しい。「ググッとぐんま公式サイト」を見ていただくか、群馬県観光物産国際協会に電話等で問い合わせれば、すぐに分かる。
 
 予約は、旅行サイト等のホームページや電話等、好きな方法を選べる。事前の手続きは不要。施設にチェックインする際に、身分証明書を提示した上で、申込書に記入する。そうすれば、チェックアウト時に補助が受けられるという仕組みだ。

 県の宿泊補助スキームが適用される宿泊施設は、県旅館組合等が作成した「宿泊施設等における新型コロナウイルス対応ガイドライン」を遵守し、感染防止対策を実践している施設に限られる。県民の皆様には、安心してお越しいただきたいと考えている。

 繰り返すが、今回の群馬の宿泊補助キャンペーンの目的は、県民の方々に県内の観光事業者を応援してもらうことだ。加えて言うと、多くの県民が県内の観光地に泊まることで、故郷の魅力を再発見する機会にもなるはずだ。

 さらに付け加えると、感染の第2波、第3波が発生し、再び首都圏からの観光客の受け入れが難しくなった場合にも、マイクロツーリズム(県民による県内観光)で観光事業を自律的に維持出来る。こうしたニューノーマル(新しい日常)のリズムを、今から整えておく必要があると感じている。

 外出の自粛が長く続き、「県内だとしても、観光に行ってもいいのか?温泉地に泊まっても大丈夫なのか?」という思いを抱えた県民もいるに違いない。そうした人々の背中を押す。マイクロツーリズムを定着させることで、県内観光地の経済を着実に回復させていきたい。

 知事である自分も、率先してこのキャンペーンを活用する。何しろ、知事が県民に外出の自粛や休業の要請をしていたのだ。これまでは、極力、不要な外出を控えていた。が、週末から、この姿勢をガラッと転換する。

 先ずは、今週末、(久々に)生まれ故郷の草津温泉に行く。その後も何回かに分けて、県内の他の観光地にも足を運ぶ。スマホで動画を撮り、YouTube等でもPRする。

 県民の皆さん、これから2ヶ月間、週末や休日には(平日でも)、ぜひ県内の観光地を訪れてみてください。そして、旅館やホテル、民宿等に泊まってください。この宿泊費補助の事業を活用して、ゆっくり休暇を楽しみ、自粛生活によるコロナ疲れを癒してください。

 皆さんが宿泊施設に泊まり、お土産等を購入することが、県内の観光産業を応援することになります。愛する故郷のため、ぜひ、観光地に足を伸ばしてください。

 あ、スパゲッティーとサラダが来た。サッと平らげて、自宅に向かう。