2020年6月3日:パート2
 

 昼過ぎ。先ほど、自民党県議団5役とのオンライン会議を終えた。昨日、提案した県内の観光産業支援のための補正予算への協力を、改めてお願いした。群馬名物「峠の釜飯」を食べながらのミーティング。それぞれの地元の「美味しいものPR合戦」もやった。新執行部との信頼関係構築のためには、いいスタートが切れたと思う。

 明日の本会議で審議、採決される予定の「愛郷ぐんまプロジェクト〜泊まって!応援キャンペーン」の具体的な内容を説明する。

 先ずは、「なぜ観光産業なのか?」ということだ。観光は言わずと知れた群馬の主要産業の1つ。今回の新型コロナ問題で、最も大きな影響を受けている業界でもある。今回、県独自の対策に踏み切った理由は、大きく言って2つある。

 第1に、産業の裾野が広い観光産業を支援することで、大きな経済波及効果が期待出来ること。第2に、群馬県を訪れる観光客の約8割が、首都圏(東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県)から来ていることだ。感染拡大を防ぐ対策として、「県をまたぐ移動」が特に厳しく制限されたことは、群馬の観光を直撃した。

 国は、新型コロナウイルスの影響で苦境に陥っている観光や飲食業を支援するための「Go To キャンペーン事業」の実施を決めている。これは、旅行や飲食、イベントに関する様々な消費喚起キャンペーンを官民一体で進め、併せて地域の再活性化を目指そうというプロジェクトだ。

 この事業の開始時期は、(現時点で)新型コロナウイルスの感染収束を見据えた7月末からということになっている。この間の約2ヶ月、県独自の観光需要喚起策を打ち出すことが不可欠だと判断した。明日の県議会本会議で可決されれば、今週末にもスタート出来る状況を整えたい。事業内容は次のとおりだ。

(1)宿泊費6千円以上の場合に適用可能とする。具体的には、県が4千円、施設側が千円を負担。宿泊した県民の方々には、お土産や食事等に使ってもらい、県内経済の好循環に繋げる。

(2)利用は3連泊まで可能。回数制限は無し。延べ30万人分の利用枠を設け、税源には地方創生臨時交付金を充当する。

(3)県内観光3団体に作成してもらった感染予防ガイドラインを遵守するホテル、旅館を対象とする。このことによって、国の「Go Toキャンペーン」が始まる前に、県内の宿泊施設における感染予防対策を徹底してもらうことも狙っている。

 

 まとめて言うと、「愛郷ぐんまプロジェクト」の真の目的は3つ。1つ目は、県内観光産業の支援。2つ目は、観光地での感染防止対策の徹底。3つ目は、感染の第2波、第3波が発生して、再び首都圏からの観光客受け入れが難しくなった場合でも、県内から観光を盛り上げる気運を醸成しておくことだ。

 

 これまでは、県民に外出の自粛や休業を要請した知事として、不要の外出を人一倍、控えていた。が、今回は、自ら率先して、このキャンペーンを積極活用する。今週末から、草津温泉、伊香保温泉、四万温泉、水上温泉等に順次、足を運ぶつもりだ。

 県民の皆さん、ぜひこの制度を利用して、県内の観光地に泊まってください。新型コロナストレスを少しでも解消し、同時に故郷の魅力を再発見してください。そのことが、群馬の観光産業を救うことに繋がります。

 これこそ、「愛郷ドライブ」(故郷を愛する衝動)に裏打ちされた「愛郷ツーリズム」だ。