2020年5月6日

 夕方。高崎の自宅にいる。今日も宇留賀副知事、宇佐美アドバイザー、片貝首席補佐官、武藤健康福祉部長等と電話で連絡を取り合っている。

 先週、80代のある知人の方からご礼状を受け取った。あまりの達筆さと無駄のない文面に感動した。シンプルなのに、心のこもった文章だった。言葉の選び方にも、知性と品性が感じられた。

 この方のご家族は、本当に素敵な方々に違いないと思った。同時に、申し訳ない気持ちで一杯になった。そう思った理由は書かない。

 もう1通、心に響いた手紙もあった。高校時代の同級生からだった。知事である自分に期待する気持ちが、率直に綴られていた。最後に、「山本、群馬県こそ、お前が守らなければいけない家族だと思って、頑張って欲しい」という趣旨のことが書かれていた。この言葉には、「深い意味」があると感じた。スゴく励まされた。(感謝)

 さて、ここから本題に入る。

 昨日、17時30分から、知事の臨時会見を行った。5月6日までとなっていた休業要請や県民に対する外出自粛要請の期間を、引き続き5月末まで延長する方針を発表した。同時に、県内経済に深刻な影響が出ていること等を踏まえ、5月中旬以降、県内での段階的な緩和に関する検討を始めていることにも言及した。

 「何をどこまで緩和していけるのか?」は、5月中旬に行われる予定の政府による都道府県の状況分析、来週早々にも召集したいと考えている県の危機管理チームの専門家の見解、県内の感染の状況、医療体制の確保状況等を十分に分析した上で、決定していく。

 今回、延長を決めた休業要請の対象となるのは、4月17日に公表した7業種・施設だ。4月28日には、宿泊施設やゴルフ場等に対しても、追加要請を行っていた。が、これは大型連休中の行楽客の県を跨いだ移動の抑制が目的だった。そのため、こうした施設は今回の延長の対象外とした。

 県民の皆様には、引き続き、更なるご不便やご負担をお願いすることになる。本当に申し訳ないと思っている。それでも、あらゆることを総合的に考えて、措置の延長を決断した。改めて、ご理解とご協力をお願いしたい。

 措置の延長に伴う支援金等の追加支援は(財政的な問題等から)現時点では、考えていない。が、昨日、オンライン会議で言葉を交わした西村康稔経済再生担当相にも、臨時交付金等の増額を要望した。国の追加対策の中身をよく見極めた上で、県として出来る対応を検討する。

 5月4日の会見(前々回のブログ)でも述べたが、休業要請をずっと続けることなど出来ない。どこかで経済を再起動しなければならない。誰でも分かっていることだ。そのためには、「どんな条件なら事業を再開出来るのか?」を示す基準が必要となる。

 知事による外出自粛や休業の要請を段階的に解除していくための「基準」に関しては、連休前の段階から庁内で議論を続けている。4月中旬、米国政府が経済再開のためのガイドラインを発表した。トランプ大統領の考え方を反映して、全体的にビジネス重視の傾向が強い気がする。が、作成には、CDC((米国疾病予防管理センター)も関与している。

 早速、宇留賀副知事が米国のガイドラインの内容を分析した。すでにこの段階で、県として検討すべき叩き台の案を政策会議等で示していた。あの時点では、「今は感染防止に全力を尽くすべきフェーズ。まだ緩和をオープンに議論すべきタイミングではない」というのが共通認識だった。

 先ほど、その宇留賀副知事と電話で話をした。実は「基準」を作るのは、そんなに簡単な作業ではない。日本政府が「数値」に慎重なのは、国際的に見て「PCR検査の数が少ない」からだと思う。

 来週早々にも、県の危機管理チーム(専門家)の見解を聞く。加えて、特定警戒都道府県(東京都や埼玉県)からの高い感染リスクに晒されている(特に東京と近いという)群馬県特有の事情も勘案し、様々なデータを検証しつつ、群馬県独自の「緩和ガイドライン」の作成作業を加速させる。出来るだけ早く(方向性だけでも)示せるようにしたい。

 これから足の筋肉を鍛える。この続きは次回のブログで。

追伸:少し前のブログで、「連休は苦しい日々。最後は1人で頑張り抜くしかない」という心境を綴った。それを読んだある県庁職員からメッセージが届いた。「知事、私たちも一緒に最後まで頑張りますから」と書いてあった。

 自分のブログをこんなに深く読み込んでいる人がいるのかと思って、ちょっぴり嬉しかった。誤解のないように言っておくが、「1人で頑張り抜くしかない」というのは、県庁職員が頼りにならないという意味ではない。詳しくは言わないが、もっと精神的な話です。

 62歳にしては相当に健康だと思うが、人生なんて何が起こるか全く分からない。明日、急に電池が切れて終わりになるかもしれない。だから、知事としての気持ちは、どこかでちゃんと記しておこうと思う。

 このブログでは、(前述した県庁職員の言葉に答える意味で)このことだけ書いておく。今の群馬県知事のチームは、(あらゆる意味で)全国の都道府県でNo.1だと信じている。(どの知事も同じ気持ちだとは思うが…。)知事として、同志である県庁職員の皆さんと一緒に働けることを、誇りに思っています。

         <西村康稔経済再生担当大臣とのテレビ会議>