2020年4月12日:パート4

 21時過ぎ。小粒の「栗もなか」を食べながら、ブログを書き始めた。「栗」って、この世で一番美味しい食べ物の1つだ。皆さん、そうは思いませんか?

 本日、新たに確認された県管轄の保健所管内における新型コロナウイルス感染者は11名。このうち、県衛生環境研究所のPCR検査で陽性が判明したのが8名。高崎市管轄の保健所管内で見つかった感染者が3名だった。

 県管轄の保健所管内の8名の内訳だけ書いておこう。藤和の苑関係者が2名、IHIエアロスペース富岡事業所関係者が2名、県内34例目の関係者2名。その他、太田保健所管内1名、伊勢崎保健所管内1名だ。

 現在、地域の保健所が中心となって、感染経路の調査、濃厚接触者の特定に力を注いでいる。関係自治体とも連携しながら、感染拡大防止に全力をあげたい。

 今晩、2人の市長と電話で話をした。誰と何を話したのかは言わない。が、どの市長村長も、地域住民を守るために、懸命の努力を続けている。その真剣さが伝わってきた。

 さて、ここからは、その④の続編。その④で、「『人間は恐怖では動かない』というハーバード大学の行動心理学者の説には、とても説得力がある」と記した。

 この教授の研究によると、人間の行動を促すために必要なのは、「恐怖を与える」ことではない。それよりも、「動かしたい相手にとって、そうすることで短期的に利益(メリット)があると感じさせられるか?」と「周りの人間と共有出来る分かりやすい目標設定が出来るかどうか?」が決め手になるとのこと。

 「これが事実だとすれば、単に感染の危険性を訴えるだけでは、県民の行動は変えられないかもしれない」と思った。そうだとすると、知事として「県民が共有出来る、分かりやすい目標」を掲げることが重要だと考えた。

 いろいろ思い悩んだ末、「県として目標とすべきことは明確。東京で爆発的感染拡大が発生し、首都が緊急事態宣言の対象地域になったとしても、群馬県が対象地域になることを最後の最後まで回避する(=国から指定を受けるような感染爆発を発生させない)ことだ。そのための最大限の努力をする」と発信することにした。

 東京を含む首都圏で感染爆発が起こった場合、群馬を守りぬくのが相当、難しいのは、最初からよく分かっている。そもそも、(物理的にも法的にも)群馬県と他の都道府県の往来を「完全にシャットアウトする」ことなど、出来るはずがない。

 政府に対して「緊急事態宣言の対象地域に加えて欲しい」と要請している愛知県知事や京都府知事の気持ちは十分、理解出来る。自分が両知事と同じ状況に置かれたら、きっと同じ行動を取るだろう。

 しかしながら、「群馬県は最後まで宣言の対象地域にならないようにする(=県内の感染爆発を最後まで起こさない)」という目標を示した時点では、群馬県内の患者数は、かなり抑えられていた。そうした目標を口にしても、おかしくない状況だった。

 過去のブログでも触れたが、緊急事態宣言の対象地域になれば、県民の方々に「今まで以上の負担」をかけることになる。それを回避するために最大限の努力をするのが知事の責務だ。今もその考えは変わっていない。

 今後、もし群馬県内の感染爆発の阻止に失敗し、政府による対象地域への指定が避けられない事態に陥ったとしよう。その時、多くの県民の方々から、「偉そうな目標を口にしておきながら、結局、達成出来なかったではないか」「約束を果たせなかった責任をどう取るのか?」といった声が沸き起こるかもしれない。そうした批判は甘んじて受けるつもりだ。

 ただし、知事の真意(意図)を理解してくれる人たちも、きっといると信じている。

 指が疲れた。この続きはその⑥で。