2020年4月9日:パート2

 夜。高崎の自宅にいる。たまには、新型コロナウイルス以外の話を書く。

 知事になって8ヶ月。国会議員としての24年間の経験は、今の知事としての仕事に十分、生かされている。特に政府与党とのパイプは、大きな強みになっていると思う。

 例えば、令和元年度の補正予算では、県庁32階の展望フロア整備のために、2億円を計上した。このうち、1.5億円は、国(内閣府)の予算で充当する。残りの5千万円に関しても、極力、民間企業からの投資で賄う計画だ。

 これは、山本知事・宇留賀副知事コンビで、政府に働きかけた成果だ。2人で東京に足を運び、北村地方創生相、内閣府幹部と直接、交渉した。

 経産省出身の宇留賀敬一副知事は、霞が関に幅広い人脈を持つ。政府からの支援が必要な時は、宇留賀氏が各省幹部(局長や課長クラス)と調整し、タイミングを見ながら、知事である自分が大臣と直に話をする。場合によっては、総理にも携帯メールを送れるし、兄貴分である官房長官にも直接、掛け合える。

 今や次の総理候補の1人である盟友の河野太郎防衛大臣や、旧知の高市早苗総務大臣等には、いつでもアプローチ可能だ。新型コロナウイルス対策で奔走する西村康稔大臣にも、お願いしたいことがあれば、遠慮なく相談させてもらう。西村大臣は、きっと耳を傾けてくれるはずだ。

 県知事が常にウォッチしておかねばならない政府予算の中身や今後の動向に関しては、宇留賀副知事と森原誠政策アドバイザー(元官僚。シンクタンク青山社中の共同代表最高執行責任者)に情報収集をお願いしている。

 毎週の政策会議では、宇留賀、森原両氏と、「県として、どの省庁の、どんな予算を、どう活用出来るか?」を頻繁に話し合っている。この2人がいれば、困ることは何一つない。

 もちろん、山本・宇留賀コンビで東京(永田町、霞が関、経済界等)を攻められるのは、もう1人の津久井治男 副知事が銃後の守りを固めていてくれるからだ。

 その意味では、とてもいい役割分担が出来ていた。残念ながら、新型コロナウイルス感染の拡大で東京に行けなくなってしまった。早速、代替案を考える。

 この機会に、県民の皆さんに、このことだけは伝えておきたい。山本一太が知事である限り、政府との連絡・調整に関して、部外者の力を頼るつもりはない。また、その必要もない。(断言)実際、これまで何の支障も生じていない。

 県民の幸福度の向上に繋がる事業を展開していくために、政府との協力を維持していくことが不可欠だ。だからこそ、知事が政府との直接のパイプを持つことが、極めて重要なのだ。この際、与党幹部との人脈も再構築しようと考えている。

 そのことが、県の独立自尊の(最も県民のためになる)政策判断を貫いていくことを可能にする。県庁職員の皆さん、自分たちのあるべき立ち位置を、見失わないようにしてください。私たちは今、そこにある危機と向き合っている当事者なのです。

 改めて気持ちを合わせ、県民のために新型コロナウイルス問題を含む数々の難問に立ち向かっていきましょう。