2020年3月1日:パート3

 昨日、安倍首相が新型肺炎の拡大を踏まえ、国民に呼びかけるための記者会見をやった。迅速な判断をせざる得なかった事情を説明し、国民に理解を求めた。今回の措置(全国の小中高校の臨時休校)によって生じる様々な問題、例えば休職する保護者の所得の減少や企業への悪影響等にも言及。具体的な対策を挙げつつ、しっかりした支援をすると明言した。

 ウイルス検査能力の強化や緊急時の病床の確保も約束。併せて、国民生活への影響を最小にするための立法措置も進めると表明した。

 このタイミングで、総理が「国民に対して直接、語りかける会見」をやったことは、とても良かったと思う。「学校で集団感染のような事態を起こしてはならない!」「ここから2週間、感染拡大阻止のためのあらゆる手段を尽くさねばならない!」という言葉には、説得力があった。

 政府が「全国の小中高校を3月2日から春休みに入るまで臨時休校とすることを要請する」というニュースが飛び込んで来たのは、2月27日の夜だった。この日の18時過ぎから開かれた総理官邸での新型コロナウイルス対策本部で、安倍総理がそうした考えを表明したとのことだった。

 この一報を受け、教育長に電話を入れた。次のように指示した。

 「あ、教育長。まだ文科省から通知は来ていないようですが、総理が指示を出したことは間違いありません。知事としては、政府の要請に沿って対策を取る方向で考えています。各市町村の教育委員会と、急いで連絡を取ってもらえないでしょうか?」

 「明日の県議会一般質疑の前に、知事室で相談しましょう。その後、県庁の関係幹部による緊急会議を招集するつもりです。よく情報を確認した上で、方針を決めましょう!」

 翌日(2月28日)の午前9時に教育長が来訪。その段階では、まだ文科省からの通知は届いていないとのことだった。午前9時16分。総理官邸の岡田直樹 内閣官房副長官にその場で電話。文科省から間違いなく正式通知が来ることを確認した。

 恐らく官邸は、問い合わせ等で蜂の巣を突いたような騒ぎになっていたはずだ。その中でも、きちっと対応してくれた岡田副長官の誠実な人柄に感銘!

 午前9時30分過ぎ。関係幹部会議の途中で、文科省次官名のファックスが届けられた。その内容を踏まえて、改めて教育長と協議して決めた知事の方針を伝達。県議会の一般質問終了後、具体的な対策を協議するための新型コロナウイルス感染症対策会議を開くことを決めた。

 なぜ、群馬県知事として、政府の要請にいち早く応じる方針を決断したのか?!そこには、ちゃんと理由がある。この続きは、次回のブログ(その2)で。

追伸:米国民主党の大統領指名候補の獲得を狙う候補者によるサウルカロライナ州の予備選で、バイデン前副大統領が圧勝!ここから大きく流れが変わる可能性もある。

 新型コロナウイルスに関するニュースは、米国メディアも連日、大きく報道。トランプ大統領の対応を厳しく批判している。今後の展開によっては、11月の米国大統領選の結果にも少なからぬ影響を及ぼしそうだ。