2019年12月30日

 「公務員」とは、国民全体の奉仕者として、公の仕事に携わるひとのことだ。国家公務員なら、国の財政運営や医療、社会福祉等の公務を担う。地方公務員なら、自治体組織に所属し、各地域の生活に密着した業務を行う。

 国会議員も、知事も、市町村長も、地方議員も、(国家公務員法や地方公務員法が適用される一般職とは異なるものの)「特別職の公務員」として位置付けられている。今回のブログを書く前に、先ずその事実を指摘しておきたい。

  さて、IR事業をめぐる汚職事件で、現職の国会議員が収賄の疑いで逮捕された。前回のブログでも触れたが、こうした事件が起こる度に、国民の政治不信が高まる。自治体の長として、1人の国民として、今回のカジノ誘致をめぐる事件の徹底解明を求めたい。

 事件の真相は、まだよく分からない。何れにせよ、証拠に基づく慎重な捜査が進められていくことになるだろう。が、現職議員がこうした嫌疑をかけられてしまったこと自体が、残念でならない!

 「李下に冠を正さず」という言葉が頭を過ぎった。政治家も行政側も、改めて襟を正していく必要があると強く感じている。

 今回のIRをめぐる事件は、先の高崎芸術劇場をめぐる官制談合事件、関西電力の役員らが原発立地自治体(元助役)から多額の金品を受領していた問題、陣営の公選法違反で議員を辞職したベテラン県議への連座制適用等と根底では繋がっている気がする。

 この4つの事件が連想させるキーワードは次の2つ。政治とカネの問題に対する認識の甘さと、社会のあちこちに存在する不透明な癒着構造の危険性だ。

 11月26日の定例記者会見で、「ここ最近、県内外で行政絡みの様々な不祥事が発生している。こうした流れを受け、県庁のガバナンス強化の一環として、新たな内部統制の仕組みを導入したい!」と発表した。

 具体的には、新しい内部統制制度の目的が適正な業務執行の確保であること。こうした内部統制の導入により、3つの効果〜①知事によるマネージメントの強化②職員にとって安心して働きやすい職場環境③県民に信頼される行政サービスの提供〜が期待出来ると説明した。

 同時に、「さらに重要なのは、今回の内部統制システムが、次の3点において『独自の群馬モデル』となることだ!」と力説した。

(1)内部統制の対象を、法律で定められている「財務事務」(=適正な会計処理)だけでなく、「個人情報保護」や公正な職務の執行を損なう恐れのある「働きかけへの対応」まで広げる。

(2)内部統制の実効性を高めるために、新たに専門の「弁護士」を置く。

(3)知事をトップとする「内部統制推進・評価会議」(仮称)を設置し、内部統制の推進にあたる。

 最後に、内部統制の仕組みを「令和2年1月から機能させる」予定であることもつけ加えた。

 その後、弁護士の人選を進めていたが、12月27日の令和元年最後の庁議とその日の定例記者会見で、内部統制担当をお願いする4名の弁護士の名前と肩書きを公表した。

 特に1年を締めくくる庁議だっただけに、恒例になった冒頭の知事発言は、いつも以上に過激だった(?)気がする。(笑)県庁のガバナンス&コンプライアンスの重要性も強く訴えた。

 次回のブログでは、異例の4人体制となった弁護士チームに「知事として何を期待しているのか?」を書かせてもらう。

 ふう。気分転換に熱い紅茶を一杯、飲まないと。