2018年9月1日:パート2

 気がつくと「その4」を書いてから、1ヶ月以上が経過している。「その4」では、前国会に提出された伊達忠一参院議長の不信任決議案をめぐる参院本会議での審議に言及しつつ、伊達議長が、民主主義の根幹である選挙制度改革に関して「与野党合意のための努力を何1つやらなかった」ことを厳しく批判した。💢

 改めてハッキリ言わせてもらう。伊達議長の2年間は、参院の存在感と三権の長の権威を大きく失墜させた。公職選挙法改正の議論で、参院議長としての職責を全く果たせなかったという点では、「今後の日本の民主主義に大きな禍根を残した」と言っても過言ではないかもしれない。😡

 国民民主党を代表して決議案の賛成討論を行った榛葉加津也議員は、伊達議長が参院自民党の国対委員長を務めていた時のカウンターパート(野党第1党の民主党の国対委員長)だった。その榛葉議員が、当時を振り返って、次のようなエピソードを披露した。

 「私にとっては試練の時代だった。(伊達委員長と)国対委員長会談をやっても会話が噛み合わない。同じ日本語で理解し合って与野党合意を得たはずなのに、10分後には合意内容が変わっていた。以来、国対委員長会談には委員長代理が同席することになった。」

 「その後(民主党の国対委員長として)、吉田国対委員長、松山国対委員長と3年間で3人の自民党国対委員長と仕事をさせてもらったが、国対委員長会談に齟齬がないように委員長代理が陪席するという珍事は、後にも先にもあのとき(伊達委員長だったとき)だけだった。」

 榛葉議員のこの言葉を聞いて、思い出した。あの頃、榛葉さんは本当に困っていたのだ。参議院本館の廊下ですれ違う度に、こう話していた。

 「一太さん、伊達委員長、何とかなりませんか?まともな交渉が出来ないんですよ!(ため息)」と。もっと辛辣な表現もあったが、ここには書かない。というか、とても書けない。(苦笑)

 その榛葉議員が1年後にはこう言っていた。

 「吉田博美さんが国対委員長になってくれて本当に良かった!一太さん、吉田さんと親しいですよね?吉田さんはスゴくいい!立場は違っても腹が据わっているし、何よりウソをつかないから!」と。

 その後、伊達委員長はさらに出世して参院自民党の幹事長に就任した。特段、批判するようなことはしなかったが、心の中にはこんな思いもあった。

 「参院自民党の幹事長といえば、参院自民党の司令塔だ。かつてはあの斎藤十朗元議長や亡父の山本富雄元農水相が務めた重要ポスト。それを引き継いだのが、参院のドンと言われた村上正邦幹事長と青木幹雄幹事長だった。」

 「その後、政局も政策も出来た片山虎之助幹事長が出現。その時でさえ、ベテランの記者が『昔に比べると、幹事長職も少し小粒になりましたね!』と囁いていたくらいだった。いくら派閥の都合とはいえ、あの伊達氏が幹事長になるなんて、時代も大きく変わったということなんだろうなあ!(苦笑)」と。

 ちなみに、政界の盟友の1人である吉田博美幹事長は(過去の大物幹事長たちとはまた違った意味で)「名幹事長」の1人に数えていいと思う。

 伊達幹事長時代にも、ご本人の振る舞いに何度か驚いたことがあった。が、そのことも書かない。単なる悪口になってしまうからだ。(笑)

 何度も書いているように、伊達忠一氏が幹事長になろうが、議員会長になろうが、どこの大臣になろうが、それは自分にとって「どうでもいいこと」だ。申し訳ないが、政治家としての伊達氏に(向こうもそうだと思うが)最初から何の興味もない。

 過去のブログにも書いた。議長になるための何の準備も実績も知識も使命感もなかった伊達氏が、2階級特進の参院議長を引き受た。プライドを持って参院議員を務めて来た1人の政治家として、伊達氏のその軽薄さが許せない。何度も言っているように、伊達議長の誕生さえなければ、今回の「直滑降ブログ」シリーズは存在していなかった。

 だいいち、閣僚の場合、本人がどんなに無能だったとしても、官僚組織がカバーする。国対委員長や幹事長に使えない人物がなったとしても、代理が支えれば済むことだ。

 ただし、良識の府の顔であり、三権の長でもある参院議長の場合、そういうわけにはいかない。良識の府の象徴とも言うべきポストに、「理念も見識も使命感もない」人物を据えるなど、あってはならないことなのだ。(怒X100)

 ましてや、民主主義の根幹である「選挙制度改革をまとめ上げる」という使命を負った議長なら尚更でしょう?!(怒X200)

 ご本人には申し訳ないと思うが、参院がこんな状況に陥ってしまった以上、「参院議長がどれほど重要な役職なのか?!」「その議長人事を間違えるとどんな事態になるのか?!」を記録として永久保存しておかねばならない。将来、参議院が2度と同じ過ちを犯すことがないように!!

 そろそろ夕食の時間だ。この続きは「その6」で。