2018年8月31日

 8月初め。主要各紙が参院選候補者選考に関する自民党北海道連の画期的な試みについて報じた。「一定の条件を満たす候補者を公募し、党員以外も参加出来る道民のインターネット投票を実施。その結果を選考の重要な基準とする」という仕組みだ。狙いは、若者を含む幅広い世論を候補者選びに反映させるということに他ならない。

 ネットによる投票を候補者選考に反映させるというのは、全国の県連でも例がないと思う。恐らく初めての企画だろう。スマホの専用サイトで有権者(非党員でもOK)の評価を集めるというのもスゴく新しい。👍

 今回の北海道連の斬新な発想を高く評価したい。👌このブログで何度も強調しているように、来夏の参院選は自民党にとって極めて厳しい戦いになる。しかも道連は2議席の獲得を目指している。「勝てる候補者」の擁立を模索するのは、ある意味、当然の流れだと思う。

 候補者の応募資格として自民党の党籍は求められない。が、道内在住の党員100人の推薦が必要だ。対象者は「30歳以上の日本人で、北海道選挙区にゆかりのある方」となっている。

 道連が公表した候補者選考要項を読んでみた。審査基準のところに、こう記してある。

1.発信力、政策力、行動力のある方。
2.党員、友好団体、青年、女性、一般道民等から信頼のある方。
3.自民党を愛し、21世紀の政治を考え活動できる方。
4.有権者の熱い支援を得られる、広い見識をもち人格にも優れた方。
5.果敢な行動力とその将来に大きな期待を持てる気鋭の方。

 今回の道連による革新的な選考手法をめぐる新聞記事と要項の審査基準を読んで確信した。このシステムがちゃんと適用されれば、「参院議長まで務めた79歳の現職(来年の参院選では80歳)である伊達忠一 参院議長が、次回の参院選における北海道の自民党公認候補になることはあり得ないだろう!」と。

 そもそも、若者や無党派の意見が反映されやすいネット投票で、伊達議長が高評価を得られるとは考えにくい。しかも、参院自民党の同僚として、伊達氏の政治活動を目の当たりにして来た自分の目から見ると、(大変申し訳ないが)上記の審査基準の要件(たとえば「将来に大きな期待が持てる気鋭の方」とか「21世紀の政治を考え行動出来る方」とか)にあてはまるとは、到底、思えない。(苦笑)

 繰り返すが、来夏の参院選は保守王国と呼ばれる群馬県でも苦戦する可能性が高い。ましてや、リベラル勢力の強い北海道で自民党が2議席を確保するのは、並大抵のことではない!

 そんな中、道内の多くの若手が意欲を示しているにもかかわらず、参院選の時点で80歳となる現職を再公認するとしたら、(永田町の選挙研究家としての感性から言うと)「世の中の空気が全く分かっていない」としか言いようがない!😓

 考えて見て欲しい。仮に伊達氏が当選したとしても、任期が終わる年に86歳(四捨五入で90歳)になるのだ。「自ら勇退を発表し、若い世代にチャンスを与える」というのが普通の感覚ではないだろうか?!

 いずれにせよ、自民党北海道連が「斬新な選考基準」を大々的に発表した。道連の真意は分からないが、普通のひとの目にはこう映る。「ああ、これで伊達議長の公認は無くなった。道連は世代交代をしたいんだな!」と。

 逆に言うと、この状況下で道連が伊達議長を再び公認するようなことをしたら、有権者から強い批判を浴びることになる。当然、マスコミからも「看板倒れだ!」と叩かれに違いない。そうなると、他の選挙区の自民党候補にもマイナスの影響を及ぼす。

 マスコミに大きく取り上げられたことによって、道連の候補者選考問題は、今や、北海道だけの話ではなくなった。今後の流れによっては、自民党のイメージを左右する問題なのだ。

 そのことを踏まえ、来年の参院選を戦う自民党国会議員の1人として、道連幹部の皆さんにお願いしたい。やると決めたからには、透明なルールに従って「国民が納得する結果」を出していただきたい、と。

 このことは、同僚(同期)で、北海道選出の橋本聖子参院自民党議員会長や次世代エースの長谷川岳参院議員にも直接、伝えるつもりだ。

 もちろん、誰を候補者として公認するかは道連が決める。参院選で誰を北海道の代表に選ぶのかは、道民の方々の判断だ。他県の自分がどうこう出来る話ではない。

 ただし、伊達忠一参院議長の続投には、(申し訳ないが)改めて強く反対しておきたい!定数6増の公職選挙法改正に対する国民の反発は思った以上に大きい。来夏の参院選では、自民党への逆風を生み出す要因の1つになる。伊達議長の歴史的な不作為にも、再び注目が集まるだろう。

 自民党が来年の参院選で勝ち抜くためにも、10月(?)には「良識の府」にふさわしい新たな顔を選ぶべきだ。この件については、引き続きシリーズ「参院の存在感と三権の長の権威を失墜させた伊達忠一議長の2年間〜同じ過ちを繰り返すな!」のその5で書く。