2018年7月17日:パート2

 間もなく14時。参院自民党の執行部会を終え、議員会館事務所に戻った。

 15時からの「平成30年7月豪雨非常災害対策本部」の会議には、必ず出席する。自民党が派遣した複数の被災地域視察チームから報告があるはずだ。

 岡山、広島、愛媛を含む被災県の地元衆院議員、参院議員が連日、被災地を支援するために必死で飛び回っている。被災地の議員の真剣さは、周りにもヒシヒシと伝わって来る。

 そりゃあ、そうだろう。このひとたちが日頃から活動する故郷の人々が苦難に直面しているのだ。

 これが群馬県のことなら、率先して奔走していたに違いない。被災した地元の首長と連絡を取り、現場に迷惑をかけないように気をつけながら被災地を視察し、地元の状況を踏まえて関係大臣に陳情し、党の対策会議等でも頻繁に発言していたはずだ。

 が、あくまで主力は地元選出の衆参議員。外から出しゃばって行って、「私はこれだけ貢献しました!」みたいなPRは、けっしてやるべきでない。そう考えている。

 ましてや、今、自分は大臣でもない。他人事とは全く思っていないが、あくまで政府の災害対策を側面からサポートする。その役割に徹したい。

 さて、今国会もいよいよ終盤戦。吉田幹事長はもちろん、参院自民党の要路の人々が連日、国会対策や審議日程の調整に汗をかいている。この局面で何より大事なのは、参院自民党が一致結束していることだ。

 過去のブログにも書いたが、安倍総理がいるうちは、国民に不人気な法案を強引に成立させても、閣僚や党幹部に何らかのスキャンダルが発覚しても、政権基盤は揺らがない。いかなる問題も深刻化しないのだ。

 そもそも、並みの内閣なら(=安倍内閣でなかったら)、同時期に政権を急襲した3つか、4つの問題で、とっくに(少なくとも2度くらいは)吹き飛んでいたはずだ。特に財務省による決裁文書改ざんは、普通の内閣なら即死してもおかしくない問題だったと思う。(苦笑)

 何度も言っているように、「この6年間に数々の実績を残し、国政選挙5連覇を続けている安倍総理だからこそ、政権は何とか持ちこたえている」のだ。その現実を自民党はよく認識しておく必要がある。

 米国カリフォルニア州のオレンジ郡で10回の当選を果たしているベテランのローラバッカー下院議員(共和党)は、米国議会でも有数の知日派だ。安倍総理とも個人的に親しい。ロナルド・レーガン大統領のスピーチライターも務めたことがあるそのローラバッカー議員が、よくこんなことを言っていた。

 「ichita、会う度に感じるが、安倍首相はどこかレーガン大統領に似ている!」と。

 自分も全く同感だ。レーガン大統領は「グレート・コミュニケーター」と呼ばれ、国民に人気があった。憎めない人柄とユーモアセンスで大勢のひとを魅了した。実際、イラン・コントラ事件のような外交、政策上のスキャンダルに見舞われても、レーガン政権の支持率が急落することはなかった。

 同様に、(いろいろ批判はされるものの)安倍総理も一般の国民に人気がある。地方遊説や視察に同行すると、そのことがよく分かる。あのイタリア人のおじさんのような風貌、毛並みの良さ、優しい雰囲気が、きっと「何となく周りを安心させる」のだ。(笑)

 総理に人気がなかったら、これだけ主要メディアで疑惑を叩かれながらも「4割の内閣支持率」を維持出来るわけがない。

 米国メディアは、レーガン大統領を「まるでテフロンのような大統領」(テフロンはデュポンが開発した合成樹脂)と表現した。実際、レーガン政権は、強い火にかけても焦げ付かず、どんなに激しくこすっても傷つきにくいテフロン加工のフライパンのように、いかなるレッシャーに晒されても倒れず、かつ汚れたイメージを持たれなかった。この現象も、少なからず今の安倍総理に当てはまる。

 レーガン大統領がその個人的な人気に加え、超絶とも言える「運気」を纏っていたことも、安倍総理との共通点だろう。

 ただし、免疫力の高い安倍首相が退陣した後の自民党の体力が問題だ。今までは深刻化しなかった醜聞が再燃し、自民党もポスト安倍の内閣も厳しい批判に晒される気がする。

 残念ながら「モリ・カケ」問題は決着していない。大多数の国民は、一連の疑惑に関する政府の説明に納得していない。「政府の説明は不十分。が、そうは言っても、今は安倍総理に任せるしかない。野党に政権を委ねるなんてもうコリゴリだ!」と思っているだけだ。

 国民が、国会でモリ・カケ批判ばかりを繰り返す野党に辟易としているのは間違いない。が、安倍総理という運気が消失し、自民党の体内に入ったウイルスに対する抵抗力が低下した時、様々な疑惑に関わった総理以外の関係者は、再び、終わったと安心していた試練に巻き込まれる。

 大げさに言うと、これまで「総理の運気」に守られた来た高慢ちきな人々には、過酷な運命が襲いかかるだろう。(笑)どうしても思い出すのが、あのニコロ・マキアヴェリが「君主論」に残した名言だ。「運命は抵抗力のないところにほど猛威を振るう!」これほど、安倍総理勇退後の自民党の状況を言い得た言葉はない。😓

 自分も含め、皆、安倍総理が好きなのだ。けっして、総理の取り巻きが好きなわけではない。多くの議員たちは、安倍総理のためになると思うから汗をかくのだ。逆に言うと、総理の側近たち(?)には、何の義理も恩義も感じていない。総理に近いからと言って、偉そうに命令される筋合いもない!(笑X2)

 永田町の預言者として警告しておく。総理の好意を利用してのし上がったひとたち、総理の権威を盾に威張り散らしたり、周りに意地悪したりしている方々は、3年後(?)に安倍首相がいなくなった後、必ずしっぺ返しに遇う。

 山本一太のように「言いたいことは堂々と言う。陰口はしない!」と決めている政治家は少ない。口には出さなくても、多くのひとは、小声で「何と不遜な態度だろう!」「今に見てろよ!」と囁いているのだ。他人に対する傲慢な振舞は、必ず自分自身に戻って来る!!

 今回の「言霊」だけは、深く「直滑降」に刻み込んでおきたい。もう一度、書いておく。「奢れる者は必ずひどい目に遭う!」と。(笑X5)

 あ、そろそろ党本部に向かわないと。