2018年6月12日:パート2

 間もなく20時。スパゲッティーを食べながら、キーボードを叩いている。(ふう)ちょっぴりお行儀が悪いけど、時間がないのでやむを得ない。🙏

 夕方。シンガポールのトランプ大統領が記者会見を行った。初めての米朝首脳会談が歴史的な瞬間だったことは間違いない。が、両首脳が合意した共同声明の内容が歴史的な成果だったとは言い難い。(ガクッ)

 理由はシンプル。両首脳がサインした上記の共同声明の中で、トランプ大統領が「北朝鮮に体制保障を与える約束をした」のに対して、金正恩委員長は「朝鮮半島の完全な非核化への揺るがぬ決意」を確認しただけだったからだ。

 すなわち、非核化の具体的な方法もタイムテーブルも一切、示されていない。さっそく、外交安保問題の日米の有識者や朝鮮半島問題研究者たちからの厳しい評価が聞こえて来る。米国メディアの論調も同様だろう。

 さすがのトランプ大統領も、この共同声明を素晴らしい成果(?)として米国民に大々的にアピールするのは難しい気がする。😥今回の首脳会談で「非核化に向けての米朝交渉が本格的なスタートラインに立った」ということだろうか。事実、トランプ大統領自身が(早々と)「2度目の首脳会談」の可能性に言及している。

 では、トランプ大統領と金正恩委員長、どちらがこの会談の勝者なのか?!少なくとも初回(?)の顔合わせでは、明らかに金正恩委員長に軍配が上がったと思う。

 そりゃあ、そうだろう。共同声明の文書に、米国政府が一貫して求めて来たCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄)という言葉は入らなかった。にもかかわらず、「(北朝鮮の)体制保障」という文言はきっちり盛り込まれているのだ。

 加えて、トランプ大統領は「将来、在韓米軍は帰還させたい!」と言い、米韓合同軍事演習の中止まで検討すると発言したのだ。

 ひとことで言うと、金正恩委員長は、「非核化に関して一切、具体的な道筋を示さないまま、トランプ大統領から『体制保障』という約束を引き出した」(=米国が軍事行動を起こしにくい状況を作った)ということになる。(ため息)

追伸:トランプ大統領が首脳会談で「日本人拉致問題」を取り上げてくれたのは良かった。日本の国会議員、いや日本国民の1人として、心から感謝を申し上げたい気持ちだ。安倍・トランプの信頼関係がなければ、こんな展開は実現していない。総理の功績は大きい。

 が、それでも共同声明に拉致問題は明記されていない。というか、今回の会談で「北朝鮮による人権侵害」が真剣に議論された形跡はない。安倍総理が言うように、最後は日朝首脳間で解決を図るしかないと思う。

 さあ、大事な仕事に取りかかる。もう一杯、熱い紅茶が必要だ。