2018年5月3日

 

 柳瀬唯夫元首相秘書官が国会で「2015年4月に加計学園関係者と総理官邸で会ったことを認める」意向を固めたと報道されている。

 マスコミ報道が事実だとすれば、「当然だ」という反応しかない。万一、柳瀬元秘書官が「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の職員には会っていない」などという趣旨の発言を繰り返すようなら、相当の覚悟で「直滑降の言霊砲」を(遠慮なく)打ち込むつもりだった。💢

 当時の参院予算委員長として、財務省による森友決裁文書の改ざんにも、佐川元国税庁長官(当時の理財局長)の虚偽(?)と言われても仕方がない答弁にも、加計問題に関する柳瀬元秘書官の発言にも激しい怒りを感じている。特に、民主主義の根幹に関わる「公文書の改ざん」問題を曖昧な決着で済ませることは断じて許せない!!(怒X100)

 過去のブログにも書いたが、大多数の国民が「柳瀬氏の発言は事実ではない」と考えている。世論調査の数字からも明らかだ。仮にも元首相秘書官が国会で「多くの国民がウソだと疑うようなこと」を平然と口にする。あってはならないことだ。(怒X200)国会議員として本当に恥ずかしい。国民にどう説明すればいいのだ。

 ちなみに、個人的には、柳瀬氏のような有能な官僚が(しかもこの種の問題に関して)「総理官邸で愛媛県や今治市の職員に会ったのを憶えていない」なんて、とても信じられない。(苦笑)

 山本一太が参院予算委員長を務めていた昨年7月の閉会中審査(予算委員会)で、野党の質問者からこの件について問われた柳瀬経産審議官(元首相秘書官)が、初めてこの有名な(?)セリフを世間に披露した。「私の記憶を辿る限り、お会いしたことはありません!」

 野党議員から「それは事実を否定したということなのか?」と突っ込まれても、「記憶を辿る限り、お会いしていません!」とオウム返しのように同じ言葉を繰り返すばかり。委員会室でこの発言を聞いたひとは、恐らく全員がこう思ったに違いない。「なるほど、会ったんだな!」と。(笑)

 内閣を守り、予算を成立させねばならないという与党の委員長としての責務を負いつつも、出来る限りフェアでかつ参院らしい審議を実現しようと努力を重ねていた自分にとって、この「記憶を辿る限り…」という柳瀬審議官の答弁は極めて不愉快だった。「なんだ、そのいい加減な答弁は!国会審議を、予算委員会の質疑をバカにしているのか!!(怒)」と感じた。

 ひとつ深呼吸をして、「柳瀬審議官、事実関係なのだから、もう一度、ちゃんと答弁するように!」という言葉をぐっと呑み込んだ。内心の怒りを抑えつつ、こう予感した。「この問題はどこかで必ず再燃する!」と。先日、ある自民党議員が言った。「あの時、一太さんが言っていたとおりになりましたね!」

 先月の「朝まで生テレビ」で、森友・加計問題をめぐる議論が白熱した。パネリストの1人だったジャーナリストの長谷川幸洋氏が次のような発言をした。

 「確かに森友でも加計でも(安倍総理からは)不用意な発言があった。それは事実だ。が、問題の根本は安倍総理が総理大臣の地位を利用して森友学園や加計学園に関して何か不当な便宜供与をやったとか、不正なことに関与したかどうかだ。そこが核心でしょう?それについては、全く出て来ていないではないか!」

 自分も何度か長谷川氏と同じ内容の意見を述べた。まさしく「総理自身にはやましいことがない!」というのが最大のポイントなのだ。最初から何も包み隠さず、正直にやれば良かったのだ。首相を不必要に庇ったり、事実を曲げたりしなければ、ここまで政権を追い詰める状況にはならなかっただろう。

 

 官僚の過剰防衛のせいなのか?それとも政府(側近?)の防衛戦略自体が間違っていたのか?それは分からない。が、森友や加計問題を中心とした一連の疑惑に対する政府の反応を見るにつけ、こう思わずにはいられない。「そもそも政権としてのディフェンスライン(防衛線)の置き方が誤っていたのではないか?」と。「最初にボタンを掛け違えたために、辻褄合わせで事態がさらに悪化した」みたいな感じだ。(ため息)

 柳瀬審議官に何か恨みがあるわけではない。個人的に親しいわけではないが、もちろん何度も会っている。総理秘書官だった頃、大事な案件で何度か安倍首相に繋いでもらった。首相秘書官として、安倍総理を全力で支えていたことは周知の事実だ。ネアカな性格で頭脳明晰。仕事も早い。ひとことで言うと、極めて優秀なプロの官僚だ。

 その聡明な柳瀬氏がなぜ、あんな答弁をしなければならないのか?!理解に苦しむ。ある意味、気の毒な気さえする。(ため息)

 繰り返すが、自分の立場は一貫している。安倍総理を応援しているからこそ、安倍首相が間違いなく戦後史に残る宰相の1人だと信じているからこそ、国民の持つ疑念を真正面からちゃんと晴らして欲しい。「カッコ悪い安倍首相」は絶対に見たくない!!

 森友、加計、PKO日報問題を含む一連の不祥事(?)に対する政府の対応、自民党の現状については、山ほど言いたいことがある。シリーズ掲載しないと、とても書き切れない。(ふう)

 あ、お湯が沸いている。何か温かいものを飲んでから、今月下旬の「政経セミナー&音楽ライブ」の準備に取りかかる。そうか、どこかで運動(腹筋+背筋+ランニング)もしないと。歌の練習も必要だ。

 政治家は「充電期間」も忙しい。😆

追伸:これも報道ベースではあるが、柳瀬審議官の国会招致に関しては、「参考人招致にするか?証人喚問にするか?」をめぐって与野党のせめぎ合いが続いているようだ。

 あくまで衆院の与野党協議で決めることだ。口を挟むつもりはないし、そんな権利もない。が、個人的には「証人喚問を拒む」理由は見当たらないと考えている。

 そりゃあ、そうだろう。総理自身が「徹底解明して膿を出し切る!」と宣言しているのだ。しかも、4月26日の参院予算委員会では、「機会があれば(柳瀬氏には)全てを明らかにしてもらいたい」とまで。

 「事実を語る」なら証人喚問を恐れる必要はない。自分は以前から「証人喚問の乱発」には(人権上の配慮等から)慎重な立場を取って来た。が、国会の存在意義に関わる疑惑を解明するために必要な場合はやむを得ないと思う。

 それにしても、同じような意見が自民党内からほとんど聞こえて来ないのが不思議だ。「国会で誰が嘘をつこうが、疑惑の解明が中途半端に終わろうが、国民は今の野党に全く期待していない。自民党の支持率も高いままだ。」「時間が経てば、国民の関心は薄れる。次の選挙も自民党は安泰だろう!」一部の同僚議員から、そうしたムードが伝わって来る。

 そんな自民党が心配だ。😓「無敵の選挙力」を誇る安倍内閣が永遠に続くわけではない。