2018年1月18日:パート2

 間もなく22時。高崎の自宅でパソコンを起動させた。

 18時からの群馬県医師会・新年会で来賓として挨拶した。主催者側から「1人約2分で」と言われていたので、2分30秒でやった。いつものことではあるが、他の議員は全員、4分以上、喋った。(ガクッ)

 恒例の新年会ラッシュを迎える度に思う。政治家なら誰だって長く話したい。自らの存在感をアピールしたいと考えるのは当然だ。が、自分は「1分」と言われれば1分で、「5分」と言われれば5分でスピーチする。

 我ながら、いつもこう思わずにはいられない。「ルール(制限時間)を守る国会議員は山本一太だけじゃないか!」と。(笑)

 さて、ここからは前回のブログの続編。先週末のテレビ番組(フジTVの「新報道2001」)で、次のような趣旨の発言をした。

 「韓国政府が日韓の慰安婦合意に関する新方針によって、事実上、両国間の合意を覆した。たとえ総理が心の中では隣国で行われる平昌五輪の成功を後押ししたいと思っていたとしても、この状況下では訪韓は無理だろう。世論も納得しないし、首相の訪韓で韓国側の姿勢が変わるとも思えない。安倍総理は韓国には行けないし、行くべきでもないと思う。」

 正直に言うが、あえて「行くべきではない!」とまで言ったのは、今の状況でも「安倍首相が平昌五輪の開会式に出席する可能性は十分ある」と強く感じていたからだ。

 数日前、安倍首相が訪問先のブルガリアで同行記者団にこう語った。「(平昌五輪への出席に関しては)国会日程を見ながら検討したい!」と。「韓国側のさらなる措置は受け入れられない。韓国側には約束の履行を求めたい!」とも。

 総理のこの発言を受ける形(?)で、昨日、自民党と公明党の幹事長が会談し、その際、「総理は平昌五輪に行くべきだ。開会式に出席出来るよう国会日程を調整する」という方針で一致したと報道されている。このことによって、仮に総理が訪韓しない場合には、「国会日程以外の理由」を説明せざる得ない状況になった。(ため息)

 誤解のないように言っておくが、自公の幹事長の「首相は訪韓したほうがいい!」という見解を否定しているわけではない。これはこれで1つの考え方だろう。が、何度も言っているように、自分は「総理は行かないほうがいい!」と思っている。このタイミングでの訪韓は、(長期的に見れば)けっして日韓関係のためにはならない!」と信じるからだ。

 これでも長年、日韓の議員交流に携わって来た。永田町では、誰もが認める「日韓関係重視派」だ。朝鮮半島問題は、政治家としてのライフワークの1つだと自負している。韓国の歴史や文化も研究した。いわゆる進歩派の政権であるムン・ジェイン大統領の今の立場(というより「宿命」)もよく理解しているつもりだ。

 だから、韓国政府の反応もある程度は予測していた。が、それでもムン大統領の慰安婦合意をめぐる新方針の発表を聞いた瞬間、言いようのない「虚脱感」に襲われた。様々な思いが胸を過ぎった。

 「ああ、また、ゴールポストを動かすのか!しかも外交交渉の内幕まで一方的に暴露するなんて!(驚)」「『最終的かつ不可逆的な解決』も反故にされ、日韓合意は有名無実化した。慰安婦問題は永久に解決出来ないかもしれない!(ため息)」

 慰安婦問題をめぐる日韓合意は、安倍首相とパク・クネ大統領(当時)の政治決断によって実現した。日韓の両首脳が「未来志向の関係」を進めるため、大きな政治的リスクを覚悟で踏み込んだ結果だ。

 事実、安倍総理は韓国との慰安婦合意によって、保守系の一部の人たちから厳しく批判された。日韓の請求権問題が完全決着しているにもかかわらず、あえて日本政府による10億円の拠出を認めたからだ。それでも安倍首相は「日韓関係の未来」のために、反発を恐れずに合意に踏み切ったのだ。この上、韓国側の期待する「追加的措置」など受け入れられるはずがないではないか!(苦笑)

 もちろん、自分は慰安婦問題に関する総理の勇気ある決断を支持した。同様に、(この件に関しては)パク・クネ大統領も立派だったと思う。

 今回のムン・ジェイン政権の「新方針」で、両国政府のこれまでの努力は全て水泡に帰した。にもかかわらず、「総理が訪韓する可能性」が囁かれる中で、党内から「首相訪韓に明確に反対する」意見があまり聞こえて来ないのが、スゴく不思議だ。(???)これだと、政府も与党も「日韓合意の事実上の破棄(?)をやむを得ないと受け止めている」みたいに映ってしまう。😥

 こんなところでも、「総理官邸の意向」を慮る過剰な忖度(?)が働いているのだろうか?!それとも、皆、執行部に気を遣っているのだろうか?!

 万一、総理が訪韓するとしても、「政府内の慎重論や与党内の反対を押し切って決断する」という形が望ましいと思う。なぜそう考えるのかは、次回のブログ(続編)で。

 さあ、腹筋と背筋をやらないと。