2017年12月31日

 大晦日の朝。なかなか目が覚めない。熱い紅茶が必要だ。

 全く音がしない。何て静かなんだろうか?年末・年始はTVを一切、見ないと決めた。元旦の「朝まで生テレビ・スペシャル」は、1月3日の夜に録画で見る。新聞にはサッと目を通すが、最新のニュースはネットで十分、フォロー出来る。これからの4日間は、毎日、読みたかった本を読み、瞑想し、運動し、ブログを更新する。

 タイ訪問中もずっと気になっていたのは、慰安婦問題をめぐる日韓合意を検証する韓国外務省の作業部会の報告書。ある程度、予想はしていたものの、この中身には唖然とした。最も恐れていた事態だ。河野外相が「合意を変更すれば、日韓関係はマネージ出来なくなる」と警告したのは当然だ。日本側として到底、受け入れられるものではない。怒りを抑えて、冷静に書く。

 韓国国民はともかくとして、韓国政府は実は理解しているはずだ。今回の日韓慰安婦合意に関するムン・ジェイン大統領の表明が、日韓関係にどれほど深刻な影響をもらたすかということを。

 国家首脳間の合意を反故にすることが韓国の国際的な信用の失墜に繋がることも、韓国政府は十分に分かっている。今回の韓国の行動が、日韓関係改善を促した米国をいかに不快にさせ、米韓関係にマイナスに働くことも。

 核戦力保有が秒読み段階に入っている北朝鮮の脅威に対抗するために日米韓の連携を一層、強化しなければならないこの時期に、こんな形で日韓関係に亀裂を生じさせることがどれだけ金正恩委員長を利することになるのかも、韓国政府は冷静に分析しているに違いない。

 日韓の慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的な解決」に導くために決断したのはパククネ大統領だけではない。安倍総理自身もこの合意を実現するために大きな政治的リスクを取った。そのことも韓国政府はよく知っている。追加的措置(?)など日本側が呑めるわけがないことも理解しているのだ。にもかかわらず、「日韓合意の見直し」を掲げて政権に就いた進歩派のムン・ジェイン大統領のポピュリスト政権は、こうした対応を取らざる得ない。そこに問題の深刻さがある。

 残念ながら、この状況で安倍総理が来年1月の平昌五輪に参加するのは難しい。いや、総理の参加によって日韓関係が好転するメドが立たない以上、行くべきではないと思う。今回のことで、韓国側の望む日韓スワップ協定の再協議もさらに遠のいたと言っていい。

 ムン・ジェイン大統領の「どっちつかずで中途半端なポピュリスト情緒外交」(=あまりに虫のいい甘え外交)は、中国のさらなる韓国軽視を誘発し、米国からの一層の信頼低下を招き、日韓関係を悪化させ、北朝鮮を喜ばせるだけだ。間違いなく韓国を窮地に追い込んでいくだろう。