2017年12月24日

 

 メリークリスマス!昨年のイブは夜中まで外交・安保政策の論文を読んでいた憶えがある。元旦の「朝まで生テレビ・スペシャル」に備えるためだ。が、今年は声がかからなかった。大晦日は久々にゆっくり休めそうだ。ホッとしたような、少し寂しいような…。(笑)

 朝生元旦スペシャルの自民党代表は「3年連続」で山本一太だった。この「元旦恒例の修行道場」に呼ばれるのは、(大変だったが)とても嬉しかった。自分をパネラーの1人に選んでくれた番組スタッフの皆さん(田原さん?)には感謝している。

 加えて言うと、元旦の朝生を断らないのは、田原総一朗氏の遺言(?)を目撃するという歴史的な(?)意義もあるからだ。

 与党の出演者として参加するからには、恥ずかしいパフォーマンスは出来ない。だから、毎回、必死で勉強し、準備した。他のパネリストの名前が届くと、その人たちの最近の著作や論文にまで目を通した。結局、かき集めた情報の半分も使えないのが常だった。(ガクッ)

 2018年の大晦日は、久し振りに視聴者として「朝まで生テレビ」を見る。必ず最後まで議論を聞く。これはこれで楽しみだ。😊今年も小林よしのりさんは出演するだろうか?三浦るりさん、今回も着物かなあ。

 さて、ここからは前回のブログの続編。先日、参院自民党で行われたある会議で再会した気鋭の研究者がこう言った。「参院予算委員会の一太さんの質問、TVで見ました。総理に対して結構、厳しいトーンでしたね。ちょっと驚きました」と。これが普通の反応(印象)だと思った。

 初日の総括質疑の最後の質問者は山本一太だった。質問が終わった(=その日の委員会が終了した)後、安倍総理に「ありがとうございました!」と挨拶した。が、総理は無言で目をそらした。ちょっぴり不愉快だったのだと思う。(笑)総理、ごめんなさい!

 80年代の初め。河野太郎外相と同時期に米国ジョージタウン大学に留学していた。あることがきっかけで、「ジャーナリストを目指そう!」と思うに至った。「いつかアジアのどこかの国の特派員になりたい!」と本気で考えるようになっていた。20代の頃の話だ。

 「記者になるなら朝日新聞以外にはない!」と思い込んでいた。当時、朝日新聞は輝いて見えた。社会的な影響力も大きかった。「天下の朝日新聞」などと言われていた。「メディアの中でも最難関の1つ」と見られていたことも、チャレンジ精神を刺激した。

 今は知らないが、給料も他の新聞社より良かった。(笑)何より、(もう亡くなってしまったが)朝日にとても尊敬するひとがいた。今、振り返ると、その人があまりにカッコ良かったことが、職業選択を誤らせた。(笑X2)それでもその方には感謝している。

 米国の大学院を卒業して帰国。記者の試験を受けたら、何とか滑り込んだ。晴れて朝日新聞の記者になった。が、結局、数ヶ月で退社した。

 その頃の「恥ずかしい失敗」の数々は、13年前(?)のブログで詳細に残してある。もう30年も前のことになるが、今も鮮明に憶えている。支局の皆さん、ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。😅

 短い期間でも現場を回った経験があるからこそ、永田町で活動する記者の人たちには、ある種の敬意を抱いている。ほとんどのひとは「地方勤務で頭角を現し、競争に打ち勝って本社まで攻め上って来た」のだ。

 もう1つ朝日新聞に惹かれていた理由は「天声人語」だった。深城惇郎氏の「天声人語」は何度も読んだ。このコラムに朝日新聞の「知性」と「見識」が凝縮されていると思った。スクラップブックも作った。文章の練習をするためだ。

 が、最近はあまり読まなくなった。コピーを残しておきたいと思うものがない。申し訳ないが、昔に比べて「文章も中身も劣化している」気がする。特に与党議員の質問を批判した12月1日の「天声人語」は酷かった。

 武見敬三政審会長の質問に関しては、こんな言葉が並ぶ。

 

 「手紙や宴席ならまだしも、国会にはふさわしくない光景を見た。安倍晋三首相に対する自民党議員の質問である。『就任以来、首脳会談550回。ヨイショしているんじゃないですが、日本の外交はいま力強い。』なるほど力強いヨイショである。」
 

 「岸信介元首相を持ち出した議員は『おじい様は異次元の政策パッケージを作って成功した』とほめそやした。」

 

 武見氏は別に総理をほめそやしたのではない。実際、そういう認識を持っているのだ。

 与党には野党型の政府を追求する質問は出来ない。だからこそ、武見敬三氏は参院らしい「国家ビジョン」を示し、総理の見解を求めた。幾つか重要な政策提言もあった。武見議員はヨイショなんてしていない。全体を見れば、見識のある質問だったと思う。武見氏も「天声人語」のこの記述にはとても怒っていた。

 次に山本一太の質問に関する一節が来る。

 「推す法案を長々と説明して『総理、応援していると言っていただけますか』『応援しております』というやり取りもあった。茶番である。」

 過去のブログで何度も説明したように、断じて「茶番」などではない。真剣勝負のやり取りだった。こんな表面的な現象だけあげつらって批判するなんて、18秒の動画をツイッターで拡散させた「水」アカウントを持つ人物と同じレベルではないか!(苦笑)

 そもそもこの天声人語のコラム、最初の数行を読んだだけで、安倍総理の攻撃に繋げていくその後の展開が見えてしまう。そこには歴史的考察もなければ、「国会質問とは何なのか?」「与党の質疑はどうあるべきなのか?」という問題提起もない。これが自分の憧れたあの「天声人語」なのかと思ってしまう。😔

 「天声人語」は、論説委員が交代で担当しているはずだ。12月1日のコラムを書いたのは誰なんだろうか?!

 行政をチェックするのがメディアの役割だ。政権を批判するのはいい。いや、今や政治の「一強多弱」を牽制出来るのはマスコミだけかもしれない。が、朝日新聞の「知の象徴」とも言うべき「天声人語」にこんな質の低い文章を掲載するなんて!(驚)これだと、若者は益々、朝日新聞から離れていく気がする。