2017年12月23日:パート4
午前1時過ぎ。気がつくと24日(クリスマス・イブ)になっている。アーモンドチョコレートを一粒、口に放り込んだ。熱い紅茶を片手にブログの続きを書く。
池田悌一(いけだ・ていいち)記者の記事の中で引用された山本一太の参院予算委員会の質問に関する政治評論家・森田実氏のコメントに1つ1つ反論したい。
「仲良しグループによるなれ合いだ。」(森田氏)
過去のブログでも触れたが、断じて「なれ合い」ではない。真剣勝負だった。自民党クールジャパン戦略推進特命委員会委員長として「クールジャパン基本法」を何としても来年の通常国会に提出したいと考えている。
安倍総理が参院自民党の政審審議会で議論を始めたこの法案をどう思っているのかは分からなかった。事前に確かめることもしなかった。あの場面で安倍首相から「前向きの答弁」を引き出せるかどうかは、自分にとって最大の勝負どころだった。
その様子は池田記者も同じ記事にちゃんとこう書いてくれている。
「山本氏は『真剣勝負で行くので緊張感のある答弁をお願いしたい』と森友学園や北朝鮮問題についてただした後、日本のアニメやゲームなどのコンテンツを発信し、外国人観光客を引きつけるクールジャパンは成長戦略に資する。国民の認識を深めるためにも、参院の方からクールジャパン戦略推進基本法を作りたい』と訴えた。」
「安倍首相や世耕弘成経済産業相らにクールジャパン戦略への見解を尋ね、それぞれから『成長戦略の大きな柱だ』『経済成長につながる』といった答弁を引き出した後、真剣なまなざしで『総理、もうひと言。応援していると言っていただけますか』と求めた。」
池田記者が質問全体を見て記事を書いたことがよく分かる。ふと思った。あの質疑を「なれ合い」などと批判するからには、森田実氏も「山本一太の90分近い質問をちゃんと見てくれたに違いない!」と。まさかベテラン政治評論家に限って「あの場面だけ見て意見を言った」なんてことはないですよね?!
総理のあの「応援する」という答弁のお陰で、法案に対する関係省庁の協力が俄然、得やすくなった。官僚組織による与党への根回し力は侮れない。逆に動かれたら、党内手続きはあっという間に停滞する。
さらに言うと、総理の見解を求めたもう1つの議員立法(日本の排他的経済水域に関する権益確保法案)については、日中関係に対する配慮(?)から総理も政府も慎重だと分かっていた。敢えて突っ込んだが、総理から踏み込んだ発言は得られなかった。
「党内でやればいい話をなぜ国会でやるのか。」(森田氏)
政治や行政の仕組みはもちろん、自民党の事情も熟知している(?)はずの森田氏の言葉とは思えない稚拙な主張だ。政府と与党の見解が常に同じとは限らない。賛否両論のある法案の場合、内閣提出の法案も与党とのギリギリの調整(=修正)を余儀なくされる。その中でも、最後は総理官邸の意向が大きく影響する。
ましてや、クールジャパン基本法も排他的経済水域の権益確保法も議員立法だ。党内手続きをスムーズに進めるためにも、TV中継入りの参院予算委員会総括質疑で「総理の言質」を取っておく必要があった。
「こんな幼稚なやりとりも許されると思ってしまうほど、今の自民党にはおごりがある。」(森田氏)
そもそも国会議員が自らが国益に資すると確信する政策を実現するために国会審議の場を活用する(=総理と関係大臣にその政策への賛同を求める)ことが「なぜ幼稚なやり取りになるのか?」が全く理解出来ない。この点はちゃんと説明して欲しい。
しかも総理と関係大臣に「政策への賛同を求めた」ことが、どうして「自民党のおごり」になるのか?!ここらへんも意味不明としか言いようがない。(苦笑)
「参院には政府だけでなく、衆院をチェックする役割も求められる分、より高い見識を持って取り組まなければいけない。つまり二重に大人である必要があるのに、この体たらく。なんとも情けない。」(森田氏)
森田氏のこの最後のコメントにも具体性がない。良識の府である参院に「より高い見識が求められる」のはその通りだと思うが、「二重に大人である必要がある」とは何のことなのか?!あまりに抽象的だ。
同じベテラン評論家でも、「常に好奇心の塊で、最先端の情報を求めて奔走し、自らの目と耳で確かめないと気が済まない」田原総一朗氏とは全く違う。いや、田原さんは評論家というよりジャーナリストと呼ぶほうが正確だ。何度も言うが、森田実氏がこんな浅薄なひととは思わなかった。
参院にふさわしい質問とはどういうものなのか?!機会があれば、ぜひご本人から直接、お聞きしてみたい。
追伸:山本一太の参院予算委員会の質疑を「時間潰しの余興」とツイートし、拡散させた「水」とかいうアカウントを持つ人物、本名を名乗らずに逃げ回る「ふたい・ひろし」より百倍マシだ。相手を特定出来るもの。
え?「ふたい・ひろし」は何年かかっても正体を突き止め、必ずこのブログに実名を書く。