2017年10月30日

 

 このブログでもシリーズを掲載したが、自分は今回の(臨時国会冒頭の)解散には慎重意見だった。もっと率直に言うと、「やめたほうがいいのではないか?!」と考えていた。

 総理の口から正式な解散表明があるまでは、党内にも様々な見解があってしかるべきだと思った。ただし(これもブログに書いたが)、自分たちが選んだ総理が解散を決断した時は、「ゴチャゴチャ言わずに」一致団結して戦いに突入するつもりだった。

 賛否が分かれる問題であっても党内で徹底的に議論し、いったん決まったら皆が同じ目標に向かって進む。それが他党にはない自民党の強みなのだ。え?当然、途中の「自由に議論する」プロセスは不可欠でしょう。(苦笑)

 安倍総理の解散表明記者会見の後、「直滑降ブログ」に「総理の解散の決断を100%支持する!」と記した。「総理がいったん決断したら、その方針に従って突っ込む!」と決めていたこともあるが、それより何より、安倍首相がこのタイミングで総選挙を決断した理由がよく分かったからだ。

 安倍首相が「国会審議を逃げた」と批判されることも覚悟して、この段階で解散を打ったのは、「万が一の北朝鮮有事」に対応する態勢を整えるためだ。1年以内に衆院選をやらねばならない状況を考えると、今やるしかなかった。自分はそう解釈している。地元の支持者の人たちにも、そう説明した。

 そして、総理のこの戦略的判断は(結果として)正しかった。今回の総選挙に圧勝したことで、外交を含む重要政策を推進する「力強い民意の後押し」を得たからだ。このことは本当に良かったと思う。

 ただし、「国益のためにこの時期にやらねばならなかった衆院選」に圧勝したことと、安倍総理が(衆院選前の)2度の記者会見で「不信を持たれたこと」を国民に謝罪し、「真摯に説明責任を果たしていく」と約束したことは別の話だ。これが一般国民の感覚ではないだろうか。

 安倍総理が本当に耳を傾けねばならないのは、極端な礼賛や批判(口撃)を繰り広げる「声の大きな少数の人々」の言葉ではない。国民の大半を占める穏健な保守層、真面目に、一生懸命、生きている人たちの声だ。

 8月3日の改造内閣発足に伴う総理の記者会見は心に響いた。森友学園の国有地売却問題、加計学園による獣医学部新設問題に具体的に言及し、「様々な問題で国民から大きな不信を招く結果になったことを深く反省し、お詫び申し上げる」と深々と頭を下げた。とても潔い姿勢だと思った。

 「国民の声に耳を澄まし、国民とともに政治を前に進めていく。政権奪還の時の原点にもう一度立ち返り、謙虚に、丁寧に、国民の負託に応えるために全力を尽くす。」総理のこの言葉は国民の胸に届いたと感じた。事実、改造後に内閣支持率は(ある程度)回復した。

 安倍総理はそこらへんの総理とは違う。過去5年間、歴代の自民党内閣がやろうと思っても出来なかった諸問題に果敢に切り込み、数々の実績を残して来た。現時点でも、「日本の戦後政治史に名を残す宰相」に数えられることは疑う余地がない。

 だからこそ、安倍総理には堂々と国会で説明責任を果たしていただきたいと思う。安倍首相が「国会審議を逃げた!」「国民との約束を守っていない!」みたいに言われるのは、あまりに悔しいではないか。

 仮に11月1日からの特別国会で実質審議をやらないとなると、8月初めの内閣改造から来年1月の通常国会までの5ヶ月間、閉会中審査以外のまともな国会審議が行われないという状況になる。

 これは、幾ら何でも「国民に説明がつかない」と思う。自民党の「驕り」だと言われても仕方がない。臨時国会が出来ないのであれば、特別国会で日程を確保し、(少なくとも)総理の所信表明、国会の代表質問、衆参の予算委員会はやるべきだ。

 あ、大事な電話が来た。この続きはその2で。