2017年10月29日:パート2

 

 先日の参院自民党執行部会でも指摘した。「国民の批判の受け皿が分散したこと、あるいは有権者が野党の混乱に幻滅したために今回の衆院選の結果には反映されなかった『国民の釈然としない気持ちや憤懣』は、全て次の参院選に向かう。2年後の参院選が厳しい逆風の選挙になることは必至だ!」と。

 「しかも野党は同じ轍を踏まない。野党共闘により、前回以上の苦戦になることも覚悟しなければならない!」とも。

 加えて、「衆院側が傲慢な国会運営をやらないように、参院側からしっかり歯止めをかける必要がある!」という点も付け加えた。会議に出席していた何人かの若手議員は、自分の言葉に大きく頷いていた。

 参院で与党が過半数を失い、「ねじれ国会」に陥った時の状況は、もう十分に学んだはずだ。過去2回の政権交代で主要な役割を果たしたのは、野党が過半数を握った参院だった。時の内閣は参院の質疑で徹底的な追及を受け、総理大臣問責決議で追い詰められたのだ。

 前回のブログで触れた自民党議員たちの言葉を聞いて、改めて痛感した。「当然のことながら、参院選は衆院議員にとって二の次なのだ!」と。「自分たち(参院)の身は自分たちで守らねばならない!」と。

 衆院選挙の後、幾つかのTV番組に出演した。自分の発言に関して、地元の支持者の方々から文句を言われたことはない。逆に、「勝ったからと言って、ペラペラ喋ったり、はしゃいだりしていない一太さんの姿勢は正しい!」「落ち着いて、謙虚な感じがいい!」と言ってくれるひとが多い気がする。

 が、(当然のことながら)「山本一太の発言はあまりに中立的過ぎて物足りない!」とか、「安倍政権の実績や選挙での勝利をもっとアピールしたらどうか!」とか、「小池百合子代表の正体や野党の混乱ぶり、野党候補の節操のない行動をもっと攻撃すべきだ!」とか、そんなふうに感じている人たちもいるようだ。

 今、メディアに登場して、「自民党は圧勝した。結果として、総理の解散の決断は正しかった!」「自民党が再び大勝したのは、安倍政権の政策が国民に評価されているからだ!」などと勝ち誇るのは、それこそ愚の骨頂だ。(苦笑)国民から、「自民党は早くも傲慢になった」と思われてしまう。

 ましてや、小池百合子・希望の党代表の個人攻撃をしたり、野党の酷さをことさら批判したところで、何の得にもならない。圧勝したからこそ、より謙虚な姿勢を示さねばならないのだ。

 そうじゃないと、せっかく未曾有の国政選挙5連覇を達成した安倍内閣が、あっという間に追い詰められてしまう可能性がある。事実、自分の体感では(選挙圧勝後も)内閣支持率は(選挙前に比べて)そんなに上がっていない。

 小池百合子・希望の党代表は、今後、(こちらが何をしなくても)政治家として厳しい評価に晒されることになる。そもそも、まだ東京都知事として「目に見える大きな実績」は何もないのだ。

 都知事としての支持率が落ち込めば、今まで以上に政策(オリンピック問題や豊洲移転問題)の具体性や整合性を厳しく問われることになるだろう。この試練を乗り越えられるかどうかは、ご自身の対応と仕事ぶりにかかっている。

 窮地に陥っている小池知事を、自民党が「ここぞとばかり意地悪に攻め立てる!」みたいな構図だけは作らないほうがいい。逆に利用されて(自民党が悪者にされて)損するだけだ。(苦笑)自分も、誰かに頼まれて「批判のブログ」を書くようなことは2度としない。(ガクッX10)

 安倍総理が衆院選挙後の記者会見で、「今後も謙虚な政権運営を進める」と明言した。にもかかわらず、一部の報道では、党内?(官邸内?)に「年内の実質的な国会審議は見送る」(=来年1月の通常国会まで国会審議をやらない)みたいな意見があるらしい。事実とすれば、到底、理解出来ない。

 臨時国会が開けないのであれば、特別国会できちっと国会審議をやるべきだ。そう思う理由は次回のブログで。