2017年9月22日

 

 朝。熱い紅茶を片手にブログを書き始めた。今日は午前11時から(海外出張中の武見敬三政審会長の代理として)総務会に出席しなければならない。

 さて、昨日の朝日新聞4面に山本一太に関する記事を発見した。「冒頭解散、身内から異議あり」という大きなタイトルの下に河野元衆院議長と並んで顔写真入りで掲載されている。ご丁寧にも「首相、疑惑追及逃れに映る」というサブタイトル付きで。(ガクッ)

 もともと総理に批判的な河野元議長と並べて書かれているので、一瞬、見ると、「あれ?安倍応援団を自認する山本一太も安倍総理を批判しているのか?」みたいな印象を受ける。

 が、一昨日の夕方、議員会館を出る前に取材に来た朝日新聞の某記者に抗議をするようなことはしない。記事の中身をよく読んでみると、事実関係に間違いはない。「(総理を)批判した」ではなく、「慎重論を唱えている」と表現されている。そもそも、取材を受けた時点で「こんな形で使われる」ことは想像出来た。身から出た錆(?)だから仕方がない。(笑)

 ただし、この記事には、山本一太が「安倍長期安定政権こそ日本の国益であって、安倍首相にはぜひ2021年まで続けて欲しい!」と願っていることは書かれていない。

 加えて、「自分たちの選んだ総裁(=首相)がいったん解散を決断すれば、その瞬間から『解散時期がどうのこうの』みたいなブログは一切、書かない。そこから衆院選挙に勝つために全力投球する!」と明言していることにも触れていない。「どんな問題でも党内で(民主的な手続きを経て)正式決定するまでは、喧々囂々の議論をやる。が、結論が出れば一致結束するのが自民党の良き文化だ!」と述べていることに関しても言及はない。

 秘書によると、この記事を目にした熱心な自民党支持者のひとから事務所に電話があったそうだ。「安倍首相がこれから選挙をやろうって時に総理を批判するなんて山本一太らしくない。後ろから鉄砲を撃つようなものだ!」と叱られたらしい。

 自民党を、特に安倍首相を本気で応援していただいているのは嬉しい。(感謝)が、このひとの指摘は(申し訳ないが)正しくないと思う。今回、総理が臨時国会の冒頭で解散すれば、「国会での疑惑追及を避けるためではないか?今までの総理の言葉と辻褄が合わないのではないか?」と感じる国民は必ずいる。というか、それが有権者の普通の感覚だ。

 だからこそ、総理自身の言葉で(国民に対して)「今、総選挙をやることの大義名分」を語ってもらう必要がある。それがないと、今回の(?)衆院選で勝利を収めることは出来ないと思う。国民の気持ちを軽んじたら(安倍総理がそんなことをするはずがないが)、自民党は有権者の手厳しい洗礼を受けることになる。思った以上のダメージを被ることになる。

 昨日のTBS「ひるおび」でもこう発言した。「もし総理が解散総選挙に打って出るとすれば、その理由は北朝鮮情勢なのか、それとも消費税に関わることなのか、それは分かりません。でも、安倍首相は解散を表明する会見で、必ず『国民を納得させる大義名分』を示してくれると信じています!」と。

 もちろん、山本一太と異なる考えのひともいるだろう。「選挙に勝つためには(あらゆる意味で)今が最高のタイミングだ!」と絶賛する仲間もいる。いろいろな分析があり得る。

 自分と違う意見を否定するつもりはない。が、総理が解散を最終決断していないと言っている段階で、党内から国民の「素朴な疑問」や「普通の感覚」を踏まえた懸念や慎重論が全く出て来なかったとしたら、自民党はそれこそ「KY政党」だと思われてしまう。

 事実、昨日も複数の地元支持者から言われたのだ。「自民党に一太さんみたいな意見を堂々と言えるひとがいて良かった。むしろ安堵したよ!」と。

 「総理が解散を考えているらしいので、あまり余分なことは言わないようにしよう。執行部に睨まれて損をしたくない!」そう思って何も発言しない。こうした考え方自体が「自由にものを言えない安倍一強の自民党」みたいな誤解に繋がっている。この「事実とは違う安倍自民党のイメージ」も内閣支持率低下の一因になった。そのことは皆、よく分かっているはずだ。

 総理の考え方と少しでも違うことを言ったら、「政権の足を引っ張ることになる」という感覚自体が間違っている。自分の目から見れば、何も言わないことこそ「後ろから鉄砲を撃つ」ことなのだ!!

追伸:9月19日付の「直滑降ブログ」にこう書いた。
 
 「(まだ解散に関する地元有権者の反応は十分集まっていないが)直感的には、5対3くらいで反対が賛成を上回る気がする。万一、国民の違和感が6割から7割に達していたとしたら、よほど注意深く選挙戦略を練る必要がある。」と。

 たまたま、翌日(9月20日付)の地元紙(上毛新聞)の1面に次のような記事が載った。

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「解散 戸惑う県民 首相方針で100人緊急アンケート 」(抜粋)
 
安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭に衆院を解散する意向を固めたことを受け、上毛新聞は19日、緊急の群馬県民アンケートを実施した。

 100人に解散の是非を尋ねたところ、「反対」が56人(56%)で過半数を占め、26人(26%)だった「賛成」の2倍以上の回答となった。県民からは「なぜ今なのか」「解散する大義がない」といった戸惑いの声が上がった。
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 昨日、議員会館に取材のために訪れた上毛新聞の記者がこの記事のコピーを見せながら言った。「いや、一太さんの政治感覚には脱帽です。一太さんがブログで予想していたとおりの結果でした。」

 少し考えて答えた。「うん。保守地盤の強い群馬県で6割近くが反対している。もしかすると都市部では、反対が7割くらいに達している可能性もあるね!」と。

 ここは要注意だ。