2017年9月1日

 本日、投開票が行われた民進党の代表選挙で、前原誠司元外相が新代表に選出された。枝野幸男元官房長官との一騎打ちを制した。

 ここは、(誤解を恐れず)前原新代表に真っ直ぐなエールを送りたい。最大野党の党首に選ばれたからには、ぜひ頑張っていただきたいと思う。枝野さんとも協力して、民進党を立て直してもらいたい。

 このブログで度々、指摘して来たが、国会における「一強多弱」はけっして望ましい状態ではない。あまりに野党が弱すぎると、自民党は慢心する。国会運営も乱暴になる。ひとことで言うと、民主主義がまともに機能しなくなる。自公政権と競い合える対抗勢力があってこそ、健全なのだ。そのほうが国民も安心する。

 過去のブログでも、TV番組等でも繰り返し言及している山本一太の一貫した考えを改めて述べておこう。民進党(野党勢力)は次回の衆院選では300小選挙区の全てに、2年後の参院選では(群馬県を含む)全ての地方区に候補者を擁立すべきだ。

 ただし、(個人的には前原新代表に頑張ってもらいたいと思うものの)民進党の前途は多難だ。今の民進党が自公政権に対する「健全な対抗勢力」になれるかどうかは分からない。野党勢力の中核(=求心力)になれるかも未知数だ。

 たとえば、夕方の報道によると、民進党代表選の後、小池都知事の側近である若狭勝衆院議員が記者団に「衰退する民進党との協力は考えていない!」という趣旨の発言をしたらしい。

 過去20年、自民党ひと筋で歩んで来た参院議員・山本一太が期待しているのは、民主主義を機能させるための健全な野党勢力の復活だ。すなわち、「与野党の候補者、いや現実主義に立脚した2つの政党の候補者が国民の前で政策を堂々と競い合う。その結果、自公政権が過半数を獲得して政権を維持する」という構図なのだ。

 

 正直言って、その対抗勢力の中心が民進党だろうと、新小池知事グループだろうと、それはどちらでもいい。

 

 何度も言うが、国民にとって「少なくとも2つの選択肢がある」ことが、政治のあるべき姿だと確信している。政権交代可能なもう1つの受け皿があって初めて、政治に緊張感が生まれる。国会議員も死に物狂いで努力する。同時に、時の政府もより真剣に国民に向き合うようになる。

 万一、自民党に対抗し得る野党の再生が難しいとすれば、自民党内の「一強体制」を変えるしかない。つまりは「党内の複数のグループが政策を競い合う」という中選挙区時代の流れを蘇生させる以外にはない。

 自社55年体制の下で実質的に野党の役割を果たしていたのは、社会党でも共産党でもなかった。総裁派閥以外のいわゆる非主流派だった。

追伸:2005年、43歳の前原誠司衆院議員が民主党の代表選に勝利した。自分より4つ若い前原氏が最大野党のリーダーになったことに(ライバル政党の話とはいえ)ある種の「興奮と期待」を覚えた。新しい時代の到来を感じた。

 さっそく、前原氏の議員会館事務所にささやかなお祝いを届けた。秘書に手渡したのは、当時、オリコンヒットチャートで1位を独走していたケツメイシのアルバム「ケツノポリス4」だった。

 翌日、前原民主党代表から携帯に電話があった。「あ、一太さん!お気遣い、ありがとうございます!CD、聴きますよ!」と。前原さん、憶えてるかなあ。(笑)