2017年6月27日

 

 午前10時30分から、党本部7階の会議室で参院自民党全議員懇談会が行われた。「参院在り方検討プロジェクトチーム」のとりまとめ案について議論を交わした。

 とりまとめ案は、会議終了後に回収された。詳しい内容は書かないが、とても練られた文章だ。参院自民党議員の1人として、愛知政策審議会長及びPT関係者の努力に感謝と敬意を表したい。

 出席議員からどんな意見が出たのかは書かない。が、自分自身の言葉は記録しておく。手を挙げて、次のような趣旨の発言をした。

 「とても論理的で、よく考えられた案だと思う。磯崎仁彦議員(PT座長代行)の的確かつ分かり易い説明に感銘を受けた。磯崎さんは、どう考えても山本一太より10倍、頭のいいひとだと思う。(笑)」

 「吉田博美幹事長も明言しているように、我々の最大の目的は、前回の参院選挙で導入された『合区制度』を見直すことだ。前回、合区で選挙を戦わざる得なかった仲間のことを思うと胸が痛む。とても他人事ではない。」

 「2年ほど前から、地元の群馬県で次の参院選に向けて全県の山本一太後援会の拡充・強化を図っている。が、仮に群馬が合区だったら、選挙のための基礎的なインフラ整備も出来ない。この機会に、改めて『合区を解消する』ということを参院自民党全体の目標として共有すべきだ。」

 「それを断った上で言うが、『合区解消の実現』は並大抵のことではない。『投票価値の平等』という論理を乗り越えるのは大変だ。相当の覚悟と戦略が要る。メディアや世論の壁も突破しなければならない。『多様な意見を反映すべき参院に関しては、衆院に比べて一票の格差という原則が緩くてしかるべき』といった憲法学者の解釈(?)や学説(?)を集め、理論武装する必要がある。加えて、都市部の有権者に理解を求める努力も欠かせない!」

 「合区解消という目標を達成するためには、以上のような状況を踏まえた現実的なアプローチを積み重ねていくことが不可欠だ。安倍総理が『秋の臨時国会中に自民党の憲法改正案をまとめ、衆参の憲法審査会に提出したい』と宣言した。総理のこのひと言で憲法改正議論のスピードが倍加した。世界がガラッと変わったと言ってもいい。」

 「先ず最も重要なのは、自民党が秋の臨時国会が終わる前までに取りまとめる『憲法改正案』に、参院自民党の考え方を必ず採用してもらうことだ。そのために、参院自民党が吉田幹事長の下で一致結束しなくてはならない!」

 こうも指摘しておいた。

 「総理は2020年の施行を目指すと明言しているが、それより1年前(2年後)の次の参院選挙までに憲法改正するというのは、実際はかなり難しいと思う。次善の策(?)としてどう対応するかを集中的に検討すべきだ!」

 ちなみに、参院の選挙制度改革(合区問題)を議論していく上で、両院の機能をどう改革していくかという視点が出て来ることは、ある意味、自然の流れだろう。しかしながら、参院自民党の案の中で「参院の権能に関する問題」(=ねじれを解消するために参院の機能を弱めるという論点)を強調するのは得策でないと思う。

 そもそも、憲法改正の発議には、衆参の全議員の3分の2以上の賛成が必要だ。自民党だけで改正案の中身を決められるわけではない。公明党や維新の会等との調整も成否の鍵を握る。その「当たり前の現実」を忘れてはならない。

 特に友党である公明党とは、十分なすり合わせが求められる。参院改革(両院のあり方等)の必要性については、(自民党が言わなくても)どのみち公明党から出てくるに違いない。衆参の機能改革は、与党の案をまとめる際に議論すればいいのではないか?

 昨年7月の参院選挙をめぐる1票の格差訴訟に関して、この夏にも最高裁が判決を出すと言われている。もしこの最高裁判決で(格差を縮小した合区を含む国会の定数見直しを評価して)「合憲」という判断が下されれば、「合区の解消」は益々、厳しいものになるだろう。

 いや、そうなる(=最高裁が合憲の判決を出す)可能性のほうが高いと考えておいたほうがいい。その場合、参院自民党は、メディアや世論に加えて、「司法の判断にも立ち向かう」という構図になる。そこまで(最も難しいシナリオまで)覚悟した上で戦略、戦術を練らない限り、「合区を見直す」ことは出来ないだろう。

 同期の橋本聖子議員会長、盟友の吉田博美幹事長の胆力と行動力には全く疑いを持っていない。が、参院の各会派の見解を調整し、参院の憲法改正案をまとめる重責を担うのは、「良識の府」を象徴する参院議長だ。

 次回のブログでは、その伊達参院議長に対する要望を書く。