2016年8月14日

 21時過ぎ。 高崎の自宅でパソコンの電源を入れた。 腹筋&背筋を含む運動メニューを終え、熱いシャワーを浴びた。 ああ、気持ちいい!

 今日も新盆のお宅を回った。 昨年、前日まで元気だった製造業の若手社長が、急逝した。 お母さんが、「今でも信じられない。2人の娘を残して親より先に逝ってしまった。まだやりたいことも色々あったはず。無念だったと思います。」と話していた。

 人生は一度しかない。 そして、いつ、何があるかも分からない。 だからこそ、自分の信じたとおり、真っ直ぐに生きないと!   

 政治家だから、常に「最悪の状況」を想定する。 何があっても、心が折れないように準備をする。 周りを落胆させないように、注意深く言葉を選ぶ。

 気がついたら、いつも「難しいとは思うけど…」とか、「どうなるかは分からないが…」とか、そんなつまらない枕詞を付ける癖が付いている。 

 後ろ向きの言葉(負の言霊)は、マイナスの結果しかもたらさない。 一生懸命に、でも明るく、楽天的にいこう! なんくるないさー!(沖縄の方言で「何とかなるさ!」)

 政治家的表現が染み付いてしまったせいか、先週、米国人の知人にこう言われた。 「日本人は、基本的にペシミステック(悲観的)な人々だ。実際に住んでみると、こんなにいい国はないと思うのに。君のような社交的で明るいひとでさえ、考え過ぎじゃないかと感じることがある」と。 

 「文化と表現の違いだよ!」と説明したが、確かにそういう部分はあるかもしれない。 意識調査の国際比較で見ると、「将来に夢が持てる」と考えている子供の割合は、欧米のほうがずっと多いらしい。 「今の自分に満足している」と答える若者の数も、欧米や中韓に比べてかなり低いと聞いた。

 先日、この知日派の米国人ビジネスマンと東宝映画「シン・ゴジラ」について激論を交わした。 ゴジラ・ファンを自称するこの米国人の評価は辛口だった。 

 「『シン・ゴジラ』は、正直言って期待外れだった。世界的に大ヒットしたレジャンダリー・ピクチャーズの『ゴジラ』に比べると、全てが中途半端だ。日本国内の反応は分からないが、少なくとも米国ではヒットしないと思うよ!」

 「突如、出現した『ゴジラ』に対して、日本政府がどんな法律に基づき、どんな対応をするかなんて、一般の米国人は全く興味がない。最初から国内マーケットに照準を絞っている企画じゃないかなあ。映画のシナリオや内容を見れば、グローバル展開は見事にあきらめている気がする!」

 配役や英語のセリフ(発音)にまで、細かく文句をつけていた。 あまりに辛辣過ぎて、とても全部は書けない。(苦笑) 最初は「ふんふん」と聞いていたが、だんだん腹が立って来た。 次のように反論した。

 「いや、それは言い過ぎだ。確かに、あんなに長身で、ハンサムな官邸スタッフは思い浮かばない。(笑)が、日本政府の政策決定プロセスや現場の雰囲気を本当によく研究している。あのリアル感には驚いた。ああいうことに興味を持つ外国人もいると思う。官僚たちのセリフが難解でかつ長過ぎるというひとたちもいるとは思うが、やり取りが軽妙でリズム感がある。専門用語の分からないひとでも、意外と飽きないんじゃないか、な。」

 「昭和、平成ゴジラのシリーズを見てきたゴジラ・ファンとしては、かなり楽しめた。最新の『スターウォーズ』なんかに比べたら、確かにCGのレベルは見劣りする。でも、戦闘シーンやビルが破壊される場面はかなりカッコ良かった。庵野秀明監督のセンスがキラリと光っていた。全身からの放射能ビームも新感覚の映像だったと思う。」

 小学校2年生の時に、生まれ故郷の草津温泉にあった唯一の映画館「セントラル」で初めて「怪獣ゴジラ」に出逢った。 以来、ゴジラの活躍と進化を追いかけ続けて来た「ゴジラ・フリーク」として指摘したい点、解説したいポイントは山ほどある。 が、「ネタバレ」になってしまうので書かない。(我慢、我慢)

 ブログ読者の皆さん、とにかく映画館に足を運び、「シン・ゴジラ」の誕生と進化を目撃してください!

追伸:
1.映画「シン・ゴジラ」は、好調なスタートを切ったようだ。 興行成績は、8月1日から2週連続で第1位を維持しているとのこと。 興行収入は現時点で20億円を超えたと報道されている。 最終的には、100億円? それとも200億円くらいまで行くだろうか?

 ちなみに、日本映画として過去最高の「千と千尋の神隠し」(2001)の興行収入は300億。 「ハウルの動く城」と「もののけ姫」は190億を超えていた記憶がある。 「風立ちぬ」も100億を突破していたはずだ。

 それでも、全世界で600億円近い興行収入を記録したレジャンダリー・ピクチャーズの「ゴジラ」には、到底、及ばないだろう。 今回の「シン・ゴジラ」が、(残念ながら)そのままグローバルに発信出来る「クールジャパン・コンテンツ」の域まで達するのは難しそうだ。 

 自分は、(むしろ)「シン・ゴジラ」の続編に期待している。 アベノミクスではないが、「シン・ゴジラ」の進化はまだ道半ばだ。 今回の作品に対する国内外の評価や反応を十分に分析し、続編を「世界中の映画ファンを夢中にさせる」ようなエンターテーメント作品に仕上げて欲しい! 

 「シン・ゴジラ」シリーズが、日本のみならず、欧米やアジアでもセンセーションを巻き起こす。 ニューヨークタイムスが特集記事を書き、米国の人気TVのトークショーでも取り上げられる。 日米首脳会談で「シン・ゴジラ」が話題に上る。 その日が来ることを信じて、続編を待ちたい。

2.漫画家で評論家の小林よしのり氏が、自身のブログで「シン・ゴジラ」の感想を載せている。 スゴく面白かった。 「映画の批判をした途端に、HPのサイトが繋がらなくなった」という噂が本当だとすると悲しい。 「シン・ゴジラ」に関しても、多様な意見があっていいではないか!

 小林氏の意見に100%、賛同するわけではない。 でも、いちいち鋭い指摘だと思った。 「よしりん」も、本当にゴジラが好きなんだ、な。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」