2016年7月16日

 夜。 ピッツアをつまみながら、ブログを書き始めた。 あるメディア関係者が笑いながら言った。 「永田町の記者(?)で、一太さんくらい原稿を上げているひとって、いないですよね。(笑)世間の関心が薄い参院の人事だって、好きなだけ発信出来るしね。」と。

 「そりゃあ、そうだ。何しろ、どんなことを書いても掲載される。ボツということがないからね!(笑)」と応じた。

 「オレ(私)が言ったとは言わないでよ!」と言いながら、参院担当の記者(?)にボソッと不満を漏らすのは誰でも出来る。 が、今回の無理筋とも言える参院議長人事に関して、公然と異論を唱えているのは、山本一太だけだ。

 それでも、「誰かが最初に声を上げる」のは大事なのだ。 このブログは、参院自民党内の潜在的不満(実は多くのひとが抱いている違和感)を浮き彫りにした。 そう自負している。

 産経新聞が、本日の朝刊(5面)で参院議長を含む参院自民党執行部の人事問題を取り上げている。 記事のタイトルは、「参院自民、人事で“火花”〜伊達議長で調整、異例の抜擢に批判も」だ。 

 こんな世の中的には関心の低い問題を真面目に追いかけている記者がいることに、ちょっぴり感動した。 やはり党内には批判もあるようだ。 記事によると、「伊達氏の指導力を疑問視する声もある」とのこと。 「中堅議員は『選挙(北海道選挙区)で負けたのに、溝手氏を飛び越えて2階級特進するのはおかしい』と語る」という記述もある。

 他紙でも、党内で推す声のある他の参院議長候補の名前が出て来ているらしい。 このブログで問題提起していなかったら、この小さな流れさえ生まれなかったかもしれない。 よしっ! 気力を振り絞って、今日も続編を書く。

 「三権の長」と呼ばれる役職は4つ。 内閣総理大臣、最高裁判所長官、衆参の議長だ。 「大島理森・衆院議長」の経歴を改めてチェックしてみた。 

 大島議長は衆院当選11回。 環境庁長官、文部大臣、科学技術庁長官、農林水産大臣、自由民主党幹事長、自由民主党副総裁を歴任している。 「三権の長」にふさわしい実績だ。

 もう1人の三権の長である参議院議長になると言われているひとの資料を、もう一度、読み直してみた。 ため息が出た。 本当に申し訳ないが、次のような(同じ)フレーズしか頭に浮かんで来ない。 

 そう。 このまま伊達幹事長が参院議長になったとしたら、「衆参はもともと全く重みが違う。参院は(正確には参院自民党は)自民党の2軍ですから!」と内外に宣言するようなものだ。

 何度も言うが、伊達幹事長の経歴、識見、品格にケチをつけているわけではない。 参院の顔である参議院議長としては、他にもっと適格者がいるのではないかと言っているのだ。

 過去のブログでも指摘したように、もともと少ないパイ(ポスト)を派閥間で分け合っている参院自民党では、(衆院と違って)「閣僚は一度だけ」という慣例がある。 もともと複数の大臣を歴任する参院議員自体が稀なのだ。 同期の林芳正・前農水大臣のように、4度も(?)辞令を受け取るのは、異例中の異例だ。

 閣僚人事に関しては、そもそも衆参の事情が違う。 「大臣経験が少ないから参院議長には不向き」などという見方はしていない。 当選回数や閣僚経験にも増して重要なのは、「そのひとが(どんな分野であっても)尊敬されているか?」「政治家としての確固たる理念と哲学、特に参院のあるべき姿に関する明確なビジョンを持っているかどうか?」だと思う。

 たとえば、自民党を代表する政策スペシャリストの林芳正・前農水相が参院議長になるというなら、年は若くても誰もが納得する。 見識も品格も申し分ない。 もちろん、実際にはあり得ない。 林芳正氏が目指しているのは総理であり、そのためには、どこかで衆院に鞍替えしなければならないからだ。

 たとえ閣僚経験がなかったとしても、武見敬三参院議員なら十分に参院議長は出来ると思う。 国際派の武見敬三氏は今、国連で最も存在感のある日本人の1人だからだ。

 今回、参院議員を引退した脇雅史前幹事長が、最後はあんな形で参院の自民党会派を離れざる得なかった。 本当に残念だった。 チャンスがあっても、なぜか政府の役職を受けなかった脇雅史氏には、哲学と知性と信念があった。 

 何しろ、参院予算委員会での激しい追求で「銀狼」(ぎんろう)として名を馳せた本物志向の西田昌司参院議員(仲良しの西やん)が、脇氏を本気で慕っていたのだ。 衆院でも脇参院幹事長の評価は高かった。

 前任の脇幹事長は、よく参院の理想像について熱弁を振るっていた。 参院の使命が何なのかについて、明確なイメージを持っていた。 これに対して、伊達幹事長が参院の役割や理念を語る場面には一度も遭遇していない。 参院の将来像をどう考えているのかについても、全く分からない。 参院議長として「命がけで成し遂げたいこと」があるなら、ぜひ、教えて欲しい。 山本一太を説得してもらいたい!

 と、ここまで書いたところで、すでに零時50分。 今回も小泉政権時代(安倍幹事長時代)のエピソードは書けなかった。(ふう) この話は次回に回す。 

追伸:ブログ読者やツィッターのフォロワーからの要望多数。 「参院議長の人事なんて、世間的には関心が低い。それより、今、そこにある東京都都知事選をどう見ているのか?誰を応援しているのか?山本一太の考えを発信して欲しい!」とのこと。

 明日、東京都知事選に関するブログを書く。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」