2016年6月11日

 22時過ぎ。 東京の自宅。 今日は夕方から長い散歩に出た。 友人とお茶を飲み、食事をし、幾つかの打ち合わせもした。 たまには、こうして「声」を休める日を作らないと。 

 さて、政治資金の公私混同問題で追求されている舛添要一東京都知事が、知事職にとどまる強い意欲を表明した。 定例の記者会見で「(これで辞職するようなことがあれば)死んでも死にきれない。何としても仕事を続けたい」と訴えたのだ。

 舛添都知事は、かつて参院自民党の同僚だった。 マイナーリーグのように扱われている(=国民からも衆院の一段下にあると見なされている)参院にあって、政策の知識でも、発信力という点でも、ずば抜けていた。 

 事実、山本一太政審会長による「政審改革」の前だったにもかかわらず、舛添政審会長は(このポストに就いた参院議員として初めて)存在感を発揮していた。 メディアの露出も多かった。

 「売り言葉に買い言葉」で、舛添知事が自らを離党に追い込んでいく過程で、何度も、「舛添さんには自民党を離れて欲しくない。あれだけの人材を手放すのは自民党にとってもマイナスだ」と発言した。 が、流れは変わらなかった。 

 そう言えば、渡辺喜美氏が離党する前も、電話で本人に「自民党に残ってもらいたい」とお願いした。 喜美さんには聞いてもらえなかった。(ため息)

 舛添知事と参院で一緒に仕事をした経験があるからこそ、こう思わずにはいられない。 あれだけ優秀なひとが、なぜ、こんな杜撰で不注意な会計処理をしていたんだろうか? 舛添知事、一体、どうしちゃったんだろう?! 国民の目は厳しい。 相当の覚悟がなければ、続投は難しいだろう。

 先週、地元の支持者からこう聞かれた。 「一太さん、そもそも自民党は、なぜ前回の都知事選で離党した舛添知事を担いだんだい?」と。 即答した。

 「そうですね。いろいろ理由は考えられますが、最大の要因は『舛添さんが事前の世論調査で他の候補者を大きく引き離していた』ことだと思います。自民党が誰を応援しようと、舛添知事誕生の可能性が極めて高かった。与党は勝ち馬に乗りたかったし、舛添知事の側も(その後の都政運営等も考えて)与党の支持が欲しかった。お互いの思惑が一致したんですよ!」

 前回の都知事選挙の前に、自民党を含む複数の組織やメディア等が数回に渡って世論調査を実施した。 様々な数字が耳に入って来た。 立候補の可能性が取り沙汰されていた与野党の現職国会議員、前知事、TVタレントや文化人等が対象だった。 その数字を見て、「東京で本当に人気があるのは誰なのか?」(=調査の対象となった人々の人気度・認知度・好感度)が一目瞭然に分かってしまった。(苦笑)

 そして、どのデータを見ても、「舛添要一現知事がダントツ」だった。 この時点で、「首長選挙では誰もが勝ち馬に乗ろうとする」という鉄則が機能した。

 そう言えば、前々回(2011年)の都知事選挙の際も同様の調査が行われた。 その時、トップは石原慎太郎知事、2番が東国原元宮崎県知事だった。 他の「立候補を噂されていた人々」は引き離されていた。 引退すると思われていた石原慎太郎都知事の再出馬を強く促したのは、「このままだと東国原氏に首都の知事を奪われてしまう」という関係者の危機感だった。

 万一、舛添知事が辞任に追い込まれるようなことになったとしたら、次の都知事には一体誰がなるのだろうか? 既にいろいろな分野の有名人たちの名前が浮上しているが、最も有力なのは(どう考えても)「橋下徹・前大阪市長」だと思う。 というか、もし橋下氏が東京都知事選挙に立候補したら、「勝てる候補者」は見当たらない。

 無党派の有権者の動向が圧倒的な影響力を持つ東京都知事選で、組織選挙には限界がある。 仮に都知事選挙ということになれば、今回も世論調査のデータが今後の候補者公認をめぐる展開や選挙の趨勢を大きく左右することになるだろう。

 先日、ある勉強会で橋下徹氏を知る人物が断言していた。 「もし舛添知事が辞めるようなことがあれば、橋下氏が東京都知事選挙に名乗りを上げる可能性はかなり高い」と。 この件については、改めて書く。

追伸:次の参院選挙に向けて、県内各地の後援会を再構築しようと考えている。 が、組織を拡充したところで、それで選挙に勝ち抜けるわけではない。 最大のポイントは、候補者本人に「魅力」(=発信力)があるかどうかだ。 もっと単純に言うなら、地元の有権者に政治家としての「生き方」が支持されているかどうか、個人として好かれているどうかだ。

 その意味で言うと、毎回、世論調査の数字に大きく影響される東京都知事選挙の歴史は、政治家の原点を思い起こさせてくれる。 すなわち、「政治家本人に人気がなければ、逆境は乗り越えられない」という原則を痛感させられる。

 今から3年後の選挙に立候補出来たとしよう。 その時、事前の世論調査の支持率で「現職である山本一太がライバルとなる新人候補の後塵を拝する」ようなことがあれば、それだけで陣営の士気が下がってしまう。 それどころか、「勝ち馬に乗り換えよう」とする人たちだって出て来るかもしれない。

 だからこそ、3年後も、一般国民(群馬県民)にアピールする個人の魅力と存在感を持ち続けなければならない。 次の3年間は、初心に返って「政治家・山本一太の新たなセールス・ポイント」を創り上げる必要がある。 地方創生ならぬ「新一太創生」だ。(笑)

 さあ、このがんじがらめの政治状況の中で、どうやって「活躍の舞台」を整えていったらいいのか?! 安倍総理に迷惑をかけない形で(?)どうやって自身のストッパーを解除し、溢れるエネルギーを解放していけるか?! なかなか難しい、でもワクワクするような挑戦だ。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」