2016年5月28日

 午前零時過ぎ。 高崎の自宅にいる。 明日の日程は、前橋市内の選対事務所で開かれる中曽根県連会長の事務所開きから。 久々に6時間の睡眠を確保出来そうだ。(ふう)  

 「朝まで生テレビ」終了後、久々に番組出演者の打ち上げに参加。 帰宅したのは、早朝の5時半だった。 数時間、身体を休めた後、拓殖大学の「桂太郎塾」へ。 塾生8名の前で、90分の講義をやった。 

 「桂太郎塾」を創設したのは、明け方まで「朝まで生テレビ」で一緒だった森本敏・拓殖大学総長だ。  

 さすがは選抜された少数精鋭の学生たち。 明るくて、優秀で、礼儀正しい若者たちだった。(ニッコリ) 内政から外交、メディアのあるべき姿まで、幅広いテーマを取り上げた。 睡眠ゼロの状態でも、テンションを落とさずに最後まで走り抜けた。 皆さん、ありがとうございました。 それぞれの志を果たすために、頑張ってください!

 さて、複数の大手メディアが、「同日選挙見送りの公算が大」と報道した直後から、衆院議員、特に野党議員の間には、ある種の安堵感が漂っているようだ。 マスコミ各社の報道によると、ここ数日、与党の幹部からも「同日選は望ましくない」「衆院の解散はない」といった趣旨の発言が(表でも裏でも)相次いでいるらしい。

 この状況が示しているのは、「安倍総理がギリギリまで解散するかどうかの判断を引っ張っている」ということだ。 言い換えると、「総理は現時点でも『解散しない』という明確な意思を(もしかすると誰にも?)伝えていない」ということに他ならない。 

 そりゃあ、そうだろう。 もし「ダブル選挙は避けるべきだ」と考えている人たちが、「総理は絶対に解散しない」という確信を持っていたら、あるいは総理自身からそうした言質を取っていたとしたら、この段階で「同日選挙に大義はない」「ダブル選挙は望ましくない」という意味の発信を強める必要はないもの。

 断っておくが、自分は「衆参同日選挙は見送るべきだ」と主張する方々を批判しているわけではない。 この人たちの見方が間違っているとも思っていない。 それどころか、「ダブル選挙は全体として自民党にプラスに働かない」という分析の根拠はよく分かる。

 これまでのメディア報道や同日選に慎重な幹部の方々の発言等を総合すると、「衆参同日選はない」「ダブル選挙には必ずしもメリットがない」という主張の中身は、以下の3点に要約される。 あくまで同日選に関するマスコミ報道が事実だったらという前提での話だ。

(1)最新の世論調査のデータによると、単独で参院選挙をやったとしても、与党は安定した政権運営のために十分な議席を確保出来る。すなわち、大勝ちがなかったとしても、大負けはない。

(2)参院で大きく負けることがないとすれば、衆参同日選というリスクを背負う必要はない。最悪の場合、両院で大きく議席を減らすという危険性がある。

(3)今、同日選挙をやったとしたら、(参院の候補者には有利に働いたとしても)衆院での「与党の3分の2」という切り札を失う可能性がある。参院選で多少議席が減ったとしても過半数を維持出来るのであれば、衆院の3分の2を堅持する道を選ぶべきだ。そのことが、将来の憲法改正にも繋がっていく。

 要すれば、「政権選択の選挙ではないマイナーリーグ(?)の参院での選挙で激戦区(接戦区)の幾つかを落としたところで、大勢には影響ない。それより何より、メジャーリーグ(?)の衆院の勢力を確保しておくほうが得策」という判断だ。(苦笑) これはこれで説得力のある理屈だと思う。

 もしかすると、自分は「過度に心配性」なのかもしれない。 これもマスコミ報道ではあるが、(前述したように)参院選挙に関する自民党(?)の最新の世論調査の数字がかなり良かったという情報がある。 もしこれが事実なら、衆参同日という「神風」に頼る必要はないのかもしれない。

 選挙を戦う自民党にとって、さらにポジティブな要素もある。 伊勢志摩サミットの開催とオバマ大統領の広島訪問で、安倍内閣の支持率は間違いなく上昇するだろう。 安倍総理は、もともと一般国民に人気がある。 地方遊説に一度でも同行すれば、誰でも分かることだ。

 その安倍首相が「G7サミットの成功」と「米国大統領の歴史的な広島訪問」という大きな成果を引っさげて、全国を選挙応援に飛び回るのだ。 総理の地方行脚は効果抜群だろう。

 にもかかわらず、過去4回の参院選挙を戦って来た自分には、「払拭出来ない2つの懸念」がある。 その件については「その2」で。 


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」