2016年4月19日

 22時過ぎ。 先ほど帰宅。 熱いミルクティーを飲みながら、衆院群馬1区公認問題に関するブログの続編を書く。

 今晩、熊本県でまた震度5強の地震が発生した。 引き続き激しい揺れを伴う地震が起こる可能性がある。 これではとても家に戻れない。 自分が同じ環境に置かれたら、どんなに辛いだろう。 

 被災地の方々のことを思うと胸が痛む。 安倍政権は総力を挙げて被災者支援に取り組んでいる。 今、安倍内閣の閣僚だったら、もっと直接、被災地対策に貢献出来るのにと思ってしまう。 それでも与党議員の1人として、少しでも役に立てることを考え、行動していきたい。 皆さん、大変だと思いますが、頑張ってください。

 今日の地元紙(上毛新聞)の一面に大きく掲載された記事によると、中曽根弘文県連会長の長男で秘書の康隆氏が、昨晩、前橋市内で開催された集会で、「群馬から国政を盛りあげたい!」と国政への意欲を語ったとのこと。 1区内の若手経営者らが開いたとされるこの集会は、康隆氏を「1区の党公認候補にする」目的で行われたと書いてある。

 この集会でマイクを握った康隆氏は、「明言を避けつつも、事実上、党の公認候補として名乗りを上げた形になった」と報道されている。 群馬1区の自民党県議団らが、現職に替わる候補者を選ぶための選考委員会の設置と選考基準等を発表する記者会見を行ったその日に開催されたこの集会が、選考委員会委員の人たちに対するアピールだったことは疑う余地がない。

 同じ記事によると、集会には約千人が集まったらしい。 その場にいなかったので、正確な数はよく分からない。 近くこの会の有志が1区県議団に対して「康隆氏を候補にすることを求める(?)決議文」を提出する考えであることも紹介されている。

 民主主義国家である日本には「言論の自由」がある。 若手経営者が呼びかけたという昨晩の集まりを批判するつもりは全くない。 が、選考委員メンバーの人たち、1区の有権者の方々に1つだけ「大事なこと」をお伝えしておきたい。

 それは、「群馬1区の新たな公認申請候補として期待されているのは、康隆氏だけではない!」ということだ。

 たとえば、有力な候補者の1人として名前の挙がっている尾身朝子衆院議員(北関東比例区)に群馬1区から立候補して欲しいという声は、前橋や利根沼田地域の有力な経済人の中にもある。 

 加えて、20年間、群馬県選出の国会議員を務めて来た山本一太を含め、朝子氏の登板に期待する議員や地域支部の党員だっている。 たとえば、尾身朝子氏が、有力な支持者に「自らの公認を求める千人集会」をやってくれないかと本気でお願いすれば、いつでも実現出来るだろう。

 同様に、以前から「手を挙げる資格がある」と言い続けている1区県議団の誰かが候補者として手を挙げ、選考委員会や1区の有権者に自分をアピールする大会をやろうと思えば、自らの後援会をフル稼動させて千人以上のひとを集めるのは簡単だ。 このことは、県民の方々、特に1区の有権者の人たちに誤解が生じないよう、ハッキリと申し上げておきたい。

 康隆氏を支援するために開かれたというこの「千人集会」に関して、以下のような4つの疑問が湧いた。

(1)この集会に出席したという約千人の人々のうち、前橋市や利根沼田地区に在住しているひとは何人くらいいたのだろうか?高崎市を含む1区外の場所から来たひともいたらしいが、どの地域からどのくらいのひとが参加していたのだろうか?

(2)上毛新聞の記事だと、「県議ら約千人が来場した」となっている。一体、何人の県議がこの会に出たのだろうか?自分の知る限りでは、出席した県議は1名だけ。しかも選挙区外(高崎市選出)の県議だと聞いている。他に足を運んだ県議はいるのだろうか?少なくとも県連執行部からは1人も顔を出していないようだ。

(3)この集会は、苦労を重ねてようやく選考委員会の設置にまでこぎ着けた1区県議団と県連選対部に事前に伝えてあったのだろうか?1区県議団の記者会見と同じ日に集会を開くということを、県議団は事前に知っていただろうか?

(4)康隆氏がいくらサラブレッドだとは言っても、現時点では国会議員の秘書だ。秘書の人脈だけでこれだけのひとを集めるのは難しいと考えるのが普通だと思うが、康隆氏の父君で県連会長でもある中曽根弘文氏は、この集会のことを以前からご存知だったのだろうか?「選考基準」を決めるための県連幹部と国会議員の会議にも出席していた中曽根県連会長は、この集会にどう関わっているのだろうか?

 前橋のどんな「若手経営者」が中心になってこの集会を開いたのかは、とても興味がある。今、地元担当秘書に確認させているところだ。

 この集会のニュースを聞いて、最初に頭を過ぎったこと。 それは、「康隆氏を群馬1区の新たな公認候補にする(?)ことを求めるこの集会に出席した方々は、群馬1区県議団やこの地域の自民党員の人たちが『公認問題』でどれほど苦しんで来たかを知っているのだろうか?」ということだ。

 こうも思った。 昨日の康隆氏を支援する(?)会に参加した方々は、この問題でずっと辛い立場に置かれていた群馬1区県議団の人たちが、(地域の党員や有権者の気持ちを踏まえて)「9期のベテラン現職議員の公認差し替えを党本部に認めてもらう」という前例のない難しい仕事を成し遂げるために、関係各所と調整を重ね、細心の注意を払いながら「新たな公認候補擁立」のためのプロセスを積み上げて来たという事実をご存知だろうか?

 昨晩の集会では、1区県議団が発表した「選考基準」そのものを批判する言葉はなかったようだ。 が、その場で康隆氏の演説を聞いた方々は、このタイミングでこの種の集会を派手に行うことが、1区県議団の「やむにやまれぬ行動」(=分裂選挙を避けつつ、公認差し替えを実現するという決意)を成就する上で「マイナスに働く」ということに気がついておられるだろうか?

 戦後の名宰相の1人である中曽根康弘元総理の孫の康隆氏が、国政への熱い思いを語ることは何の問題もない。 いいことだとさえ思う。 が、しかし、今回、国会議員とも協議の上で1区県議団(+県連選対部)が最終決定した「選考基準」が発表された当日に「康隆氏の公認申請を要請する(?)集会」が行われたことは、個人的にとても残念だった。 

 万一、この集会が選考委員に対して「康隆氏を売り込む」ことが狙いだったとすれば、むしろ逆効果だった気がする。(苦笑) 

県議の人たちは、全員が選挙という修羅場を潜り抜けて来た一国一城の主だ。 口には出さなくても、「こうした動きの背景に何があるのか?」「誰がどんな思惑で動いているのか?」は全部、見抜いている。 

 何かを徒に煽ったり、圧力をかけようとしても、独立自尊のプライドを持つ県議の心を動かせるはずがない。 話し合って決めた「原則」を曲げるわけがない。 自分が県議団の立場だったら、昨日の集会にけっしていい感じは持たないだろう。

 なぜ、政治家・山本一太が、昨日の「康隆氏の公認申請を求める(?)集会」をとても残念に思ったのか? 次回のブログで丁寧に説明させてもらう。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」