2016年3月24日

 早朝。 熱いブログを飲みながらの紅茶、じゃなくて、熱い紅茶を飲みながらのブログ。(笑) ダメだ、まだ目が覚めていない。 

 大きく深呼吸をして、衆院群馬1区公認問題の続編を書く。

 衆院群馬1区の公認差し替え問題について党本部から意見を求められたら、こう答えるつもりでいる。 「これまでの様々な経緯を考えれば、群馬1区県議団の行動は責められない。やむにやまれぬ理由がある。もし自分が県議で同じ立場なら、同じ行動を取らざる得なかったと思う」と。

 こうも説明する。 「今回のことは現職の衆院議員と地元県議団の感情的対立というような単純な構図ではない。佐田玄一郎衆院議員と、苦しい時も党を支えてくれた地域の自民党員との信頼関係が崩れた結果だ。もっと言うなら、佐田議員の実際の行動と、佐田氏の続投を望んでいない群馬1区の多くの有権者の認識との乖離が背景にある」と。

 この問題に関する山本一太の見解は過去のブログでほぼ明らかになっていると思う。 が、ここには書けない日々の動きも踏まえて、改めて自分の立場を明確にしておきたい。 

 今の状況で1区の現職を公認しても、次回の衆院選挙を勝ち抜くための展望が描けない。 残念ながら、この段階まで来ると、新たな公認候補を立てる以外に、現状を打開する方法はない。 佐田氏と1区県議団の関係修復が不可能だからというより、佐田衆院議員が1区の有権者の支持を完全に失っているからだ。

 群馬に「国会議員団」などというものは存在しない。 が、他の群馬選出国会議員の気持ちはよく分かる。 口には出さないが、ほとんど全員(?)が似たような認識だろう。 

 前回のブログ(その13)で、「仮に新たな公認候補を選ぶことになった場合でも、公募という手法を使うことには反対だ」と述べた。 以下、そう思う理由を丁寧に説明する。

 まずこの問題を論じるための大きな前提として、群馬1区県議団の方々にぜひ、理解していただきたいことがある。 今回の群馬1区をめぐる混乱は極めて特殊なケースだ。 そのことはよく分かっている。 

 何度も言っているように、よほどの異常事態でもない限り、群馬の自民党県議団が「地元の現職国会議員の公認を阻む」行動を取るなんて、とても考えられない。 県議の人たちもそう思っているはずだ。

 ただし、頭に入れておかねばならない重要なポイントがある。 普通は「起こり得ない現象」だとしても、外から見える客観的な事実だけ言えば、「直近の衆院選挙の小選挙区で当選した9期目のベテラン現職国会議員と対立している地元の県議団が、党本部に対し、次回の総選挙の日程が決まっていない段階で『次の衆院選挙でこの現職衆院議員の公認を外し、他の候補者に差し替えるという決定』を求めている」ということに他ならない。

 今回、党本部が県議団の要望に沿った決定をするとしよう。 それが正しい判断だったとしても、過去一度もなかった「前例」を作ることになる。 党内、特に現職の国会議員からは、「党本部の候補者公認権とはその程度のものなのか?」「現職の国会議員のポストはそんなに軽いものなのか?」という批判も出て来るだろう。

 この前代未聞の判例(?)が残ることについて、自分を含む群馬選出のほとんどの国会議員も懸念を抱いている。 一歩間違えれば、自分たち自身に降りかかってくることだからだ。 ここらへんの国会議員の心情は、1区県議団の人たちにも分かって欲しい。 

 個人的には、1区県議団と地域の自民党支部の苦渋の決断を党本部にしっかり受け止めて欲しいと考えている。 が、それはそうとしても、万一党本部が1区県議団の要望を受け入れ、前例のない重い決定を行うとすれば、県議団の側も当然、党本部の立場や意向を十分に忖度(そんたく)すべきだ。 自分はそう思う。 

 国政選挙の候補者の公認権は、あくまで党本部にある。 もし群馬1区の県議団が、「現職はとにかく下ろしてください。後のことはこちらで公募をかけて(必要があれば党員投票をやって)推薦候補を決めますから、そのひとを公認してください。え?こちらが決めた候補者を公認してもらえないなら、分裂選挙で行きますから!」みたいなアプローチを取ったとすれば(そんなことをするわけがないと思うが)、党本部は間違いなく猛反発するだろう。 

 そりゃあ、そうだ。 取り扱いを誤れば、他県にも広がりかねない動きなのだ。 万一「党本部が支部の決定を認めないなら、分裂選挙で勝てばいい!」みたいな風潮が各地に蔓延したら、党本部の地方支部へのガバナンスが崩れてしまう。

 地方支部の声は大事にしなければならない。 が、だからと言って、「次の選挙で現職を公認せず、他の候補者に差し替える」というプロセスの中で、候補者の公認権を持つ党本部が、「全ての主導権を県議団に委ね、新しい候補者選びも全部任せる」などということをやるわけがない。やるべきでもない。 自分はそう思う。

 今回の群馬1区をめぐる混乱は、(残念ながら)佐田議員ご本人の行動が原因だ。 が、そうは言っても、佐田氏が自民党公認で9回の当選を重ねて来た現職の代議士であることも紛れもない事実。 そもそも、候補者の「公募」は現職がいない場合に行うのが原則だ。 今度のような事態は想定していない。 

 どう考えても、「小選挙区支部長交代」の流れは止められないだろう。 が、仮に公認を下りていただくにしても、出来る限り本人の納得を得た上で(実際には難し気がするが)、名誉ある撤退をしてもらうのが望ましい。 「現職が議員として活動している中で公募をかける」などという佐田氏にとって屈辱的な状況を作ることには、とても賛成出来ない。

 いろいろなことを考え合わせると、ある結論に辿り着く。 党本部が現職の公認差し替えという方針を決定した場合、新しい候補者を決める方法は、1つしかないと思う。 それは、「群馬1区県議団が党本部とよく話し合い、調整を図りながら支部として公認を申請する新たな候補者(誰もが納得出来るひと)を決定し、その推薦された人物を党本部が公認する」ということだ。

 では、どんなひとが群馬1区の新しい候補者としてふさわしいのか? 次回のブログでは、山本一太の「意中のひと」を明らかにする。 

 あ、そろそろ国会に向かわないと。 今日も約6時間の財政金融委員会がある。 最後の1時間40分は内閣総理大臣に対する質疑だ。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」