2016年3月20日:パート2

 衆院群馬1区の「公認候補差し替え問題」をめぐり、ここまで様々なことがあった。 いろいろな場面に遭遇した。

 この問題はまだ決着していない。 今後、どんな展開があって、いかなる結末に落ち着くのかも分からない。 が、これまでの経緯を目撃しながら、政治家として次の「2つの教訓」を深く胸に刻んだ。

 第1に、群馬の「国会議員団」などという存在は有名無実であるということ。 「国会議員団」なるものに所属するメンバーがどんな窮地に陥ったとしても、この枠組みは全く機能しないという分かりきった事実を再認識した。 

 第2に、「政治家は選挙に強くなければならない」という普遍的な鉄則。 「選挙が弱い政治家は舐められる」という公式を改めて学ばせてもらった。

 衆院群馬1区問題の火種は衆院選挙後もずっと燻っていた。 にもかかわらず、この問題に関する県選出国会議員の話し合いは、これまでほとんど行われていない。 国会議員団と県議団の協議に至っては皆無だ。 今の県連執行部を批判するつもりはないが、自分はこの傍観者的無関心(?)がどうしても理解出来ない。

 そりゃあ、そうだろう。 仮にも同じ県選出のベテラン議員の政治生命がかかった話なのだ。 今後の推移によっては、党と県議団の分裂選挙という事態をも招きかねない流れになっている。 

 万一、分裂選挙などということになれば、県政全体が揺さぶられる。 今夏の参院選挙への影響も避けられない。 場合によっては、他県、いや自民党の衆院選戦略全体に悪影響を及ぼすかもしれない。

 こういう時に群馬県の国会議員団として何の議論もしない(=何もせずに傍観する)ということなら、他に集まる時はない。(苦笑) そもそも、群馬の国会議員団なるものをまとめるひとがいない。 本気で集まろうと呼びかけるひともいない。

 「衆院小選挙区の候補者の公認申請は地元の自民党支部が行うのだから、国会議員はその手続きに干渉出来ない」という論理もあるようだ。 が、それは違うと思う。 政治ってそういうものではない。 

 同じ県の同僚議員として、(結論が変わろうが変わるまいが)佐田玄一郎氏の説明(釈明?)を早い段階で聞くべきではなかったか。 そこでの議論も踏まえて、佐田氏本人と苦しんでいる1区県議団の間を調整するのが、国会議員が果たすべき役割ではないだろうか?

 もう一度、言う。 国会議員同士の意思疎通もなく、県議団との調整も行われていないことに関して、誰か特定のひとに責任を押しつけるつもりはない。 が、複数の関係者が囁いていた。 「笹川たかし元県連会長のような、懐が深くて親分肌の国会議員がいたら、1区問題がここまでこじれることはなかったのではないか?」と。 全く同感だ。

 断っておくが、自分は佐田玄一郎衆院議員と個人的に親しいわけではない。 2人で食事をしたこともないし、スナックのような店(?)に一緒に行ったこともない。 同じ派閥に所属しているわけでもない。

 亡父・山本富雄は、群馬の有力な経済人だった佐田玄一郎氏の先代や先先代と親しかった。 が、自分は佐田衆院議員に特にお世話になったという記憶がない。(佐田先生、ごめんなさい!) 

 本気で心配して議員会館まで足を運んでも一蹴される。 支持者の反対を押し切って選挙を応援しても大して感謝されない。 県連会長選挙では相手のひとの推薦人になるし、夜の会合なんて一度も誘われたことがない。 いや、最後の点は良かったと思う。(笑)

 が、それでも9回、当選を重ねて来た同じ県の先輩政治家だ。 自分が初めて参院選挙に立候補した時、佐田氏はすでに衆院議員だった。 八ッ場ダムの問題等については、同じ群馬の議員として力を合わせて来た。 

 正直言って、佐田衆院議員が具体的にどんな活動をして来たのかは、よく知らない。 でも、地元のインフラ整備等に関しては、かなりの貢献を果たしているはずだ。 事実、自民党前橋支部役員会では、佐田氏の過去の実績を評価する意見もあった。

 佐田議員には申し訳ないが、今回のことは「造反有理」だと思っている。1区県議団の行動には理由がある。 が、しかし、佐田氏がどんどん窮地に追い込まれいく過程、さらには1区県議団が地元支持者との板挟みで苦しんでいる様子を(結果として)傍観していた自分自身にちょっぴり落胆した。 「群馬出身の国会議員のくせに!お前、それでも義理・人情を重んじる上州人なのか!」と。

 同じ群馬選出の小渕優子衆院議員が「試練」を乗り越えた。 まだ40代そこそこで既に5回の当選歴があり、かつ2度も国務大臣を経験している政治家は自民党内に1人もいない。 優子さんには、ここからもう1度、トップを目指して本当の飛躍をして欲しいと心から願っている。

 政治家・小渕優子が「新たな試練」に遭うこともあるだろう。 が、その時も変わらず応援しようと心に決めている。

 福田達夫衆院議員、笹川博義衆院議員、井野俊郎衆院議員の若手3人衆は、山本一太より何倍もクリーンだと思う。 この3人が何かの醜聞に巻こまれ、週刊誌やタブロイド紙で攻撃されるというシナリオはほとんど考えられない。 

 が、それでも将来、この3人が何らかのトラブルでピンチに陥いるようなことがあった場合は、同じ県の先輩議員として(微力ながら)加勢に駆けつけるつもりでいる。 誰かの弱みにつけ込むようなことは絶対にしない! この3人は「群馬の未来そのもの」なのだ。

 ただし、自分が政治生命の危機に瀕した時は、誰からの助成も期待しない。 ましてや、国会議員団なんて何の役にも立たない。 自らの身は自ら守るしかない。 これが心の記憶版に焼き付けた最初の教訓だ。

 猛烈なスピードでキーボードを叩いている。 少し指を休めないと。 次回のブログでは2つ目の教訓について解説する。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」