2016年1月11日

 喉の手術から4日余りが経過した。 「筆談」の日々が続いている。(ふう) 声出し禁止令は14日まで。 15日からは喋れる(=少し声を出せる?)ようになる。 あと3日間の辛抱だ。 今晩から腹筋と背筋も再開する。

 永田町では、「衆参ダブル選挙・言及自粛令(?)」がかなり緩んで来ているようだ。 「7月に同日選挙がなかったとしても、どのみち時間差のダブル選挙だろう。衆院選挙は年内の可能性が高い。年内にないとしたら、任期終了のギリギリまで解散はない。」 これが大勢の見方だ。 

 なぜ、「衆参同日選挙はあり得る!」と言い続けているのか? 何度も書いているように、そのほうが「衆院選のキャンペーンに相乗り出来る参院選の候補者」にとって有利に働くからだ。 

 それもそのはず。 ほとんどの場合、小選挙区の代表である衆院議員のほうが、全県1区の参院議員より選挙が強い。 普通で考えれば、選挙区の狭い衆院議員のほうが、都道府県全体をカバーしなければならない参院議員より「きめ細かい後援会組織」を整備出来るに決まっている。 

 直近の参院選挙と衆院選挙の結果を比較すれば一目瞭然だ。 各都道府県で3年前の参院選挙を戦った自民党の候補者(現職及び新人)が全県1区で獲得した得票を小選挙区ごとに分け、得票数と得票率を1年前の衆院選で当選した同じ都道府県の衆院議員の数字と改めて比べてみた。 同じ都道府県で当選したほぼ全員の衆院議員の小選挙区の得票数と得票率を上回る数字をマークしている自民党参院議員はほとんどいない。

 そのほとんどいないうちの1人である山本一太だって、衆参同日選挙のほうがずっと戦いやすいのだ。 「衆参ダブル選挙は迷惑」などと考える自民党参院議員なんているわけがない。(笑) 

 断っておくが、自分は「衆参ダブル選挙をやるべきだ!」と主張しているのではない。 二階総務会長が言っているように、「軽々にダブル選挙などと口にするのは参院の存在意義に関わる」というのはそのとおりだと思う。 が、次の参院選挙に勝つことが自民党の至上命題であり、野党の選挙準備が全く整っていない現状を考えると、総理が7月の同日選を選ぶ可能性は十分にあると言っているだけだ。 同時に、もし総理が夏の解散を決断したとしても「十分な大義がある」と主張しているのだ。

 何度も言っているように、今の日本の最大の国益は「長期安定政権」に他ならない。 アベノミクスが頓挫したら、日本経済再生の望みは潰えてしまうかもしれない。 安倍内閣が日本の命運を握っている。

 その政権を率いる安倍総理が日本再興に不可欠な安定政権を実現するために、憲法で認められた権利を行使し、与党に最も有利なタイミング選挙を打つ。 極めてわかりやすい論法だ。 もちろん、前回選挙から1年半での総選挙には批判もあるだろう。 が、そのことも含めて、有権者の審判を仰げばいい。 

 いずれにせよ、(同日選の有無にかかわらず)夏の参院選挙には何としても勝たねばならない。 総理が「自公による過半数の維持」を目標ラインに設定したのは当然としても、(単独過半数を視野に入れて)自民党の議席を1つでも増やす最大限の努力をする。 これも政権与党としてあたり前のことだ。  

 それはそうとしても、「あまりに弱い野党」に対しては、ちょっぴり複雑な思いがある。 何しろ、参院選挙の趨勢を決める32の1人区のうち、現時点で最大野党が擁立出来た候補者は3分の1にも満たない。 これが自民党だったら大変だ。 執行部は間違いなく吊るし上げを喰っている。

 安倍自民党の勝利を自分ほど強く願っている国会議員はあまりいないと思う。 にもかかわらず、選挙情勢という点では歓迎すべきこの事実を、手放しで喜べない自分がいる。

 前回の衆院選挙で、民主党は300ある小選挙区の過半数に候補者を立てられなかった。 「最大野党が最初から政権奪還をあきらめている」という不思議な構図だった。 あちこちで応援に呼ばれたが、「決死の戦場」にはほとんど遭遇しなかった。 

 結果として自公で引き続き3分の2の議席を維持出来たことに安堵しつつも、こう思わずにはいられなかった。 選挙で主要野党が候補者を立てない(=有権者の選択肢がない)のは、国民にとって不幸なことだ、と。

 その意味で言うと、7月の参院選挙で地方の1人区が「自民党と共産党の一騎打ち」という姿になるのは、けっして望ましいことではない。 そりゃあ、そうだろう。 最初から勝負が決まっているのだ。 そんな選挙戦が盛り上がるはずがない。 与党陣営には何の緊張感もない。 投票率だって落ちるに決まっている。 

 ちなみに、地元の群馬県でも民主党群馬県連の候補者選びが難航している。 このブログで予想したとおり、擁立作業は越年した。 このままだと、民主党は参院選で独自候補を立てられない可能性もある。 そうだとすると、群馬の民主党支持層(自民党への批判票)は共産党候補に向かうということなのだろうか?

 「過去20年、安倍総理を一貫して応援して来た。この3年でそれが正しかったことを確信した。」「その安倍総理が命がけで取り組む日本再生をやり遂げるために、自民党は次の参院選挙に必ず勝ち抜かねばならない。」 「そのために、自分も参院選挙の勝利に(微力ながら)最大限の貢献をしたい。」 以上の3つのことを前提にした上で、(誤解を恐れずに)言わせてもらう。 

 民主党は「平和・安全法制」に真っ向から反対した。 アベノミクスも間違った政策だと批判し続けて来た。 そうだとすれば、各都道府県できちっと公認候補を立てるべきだ。 

 もちろん、群馬でも堂々と対抗馬を立ててもらいたい。 そうじゃなかったら、選挙は全く盛り上がらない。 まともな政策議論も起きない。 投票率も大幅に下がるだろう。

 それぞれの自民党候補が選挙で野党候補と政策を戦わせ、安倍政権の政策が正しいことを訴え、その上で勝つ! 有権者に選択肢を提示し、どちらがいいかを判断してもらう。 これが民主主義のあるべき姿だ。 

 他の自民党議員もそうだと思うが、平和安全法制が成立した後も、地元での国政報告会等を通じてこの法律の目的や意義の説明を続けている。 野党としてあれだけ強く反対を叫んだのだ。 その理由を選挙を通じて国民に訴える責任がある。 万一、「勝算がないから出るひとが見つからない」という理由で候補者を擁立出来ないとしたら、民主党群馬県連は解散すべきだと思う。

 今から3年半前、現職の候補者として4度目の参院選挙を戦った。 安倍政権の様々な政策、特に安保政策を批判していた民主党群馬県連は、若い女性候補を擁立した。 背後には、民主党群馬県連の顧問(?)でもある角田義一元参院副議長の強い意志が働いていた。 ここらへんの経緯は、当時のブログで詳しく解説してある。 

 結果は山本一太の圧勝だった。 民主党候補の票は法定得票数に達しなかった。 民主党が公認候補を擁立した都道府県で、その候補が法定得票を取れなかった場所は、群馬を含め確か2つくらいしかない。 民主も維新も候補者を立てなかったあの保守王国の和歌山でさえ、共産党候補が法定得票を獲得している。

 にもかかわらず、最初から最後まで、この若手女性候補を甘く見たことは一度もなかった。 「当選は難しい」と囁かれていた選挙への立候補を決断した人物なのだ。 そのことだけでも侮れないと思った。 事実、この女性候補は昨年4月の県議選で民主党候補として当選している。

 前回の参院選後のブログで、数字を挙げながら詳しい分析を書いた。 仮にこの民主党候補が立候補していなければ、山本一太の得票率は間違いなく全国No.1だったろう。 が、後から思った。 このひとが出馬してくれて、本当に良かった、と。

 最大野党の候補者がいたからこそ、安倍内閣の政策を訴えられた。 野党候補への反論も出来た。 お陰で投票率も大幅には下がらなかった。 何より、陣営が最後まで緊張感を持って選挙を戦ってくれた。 

 次の(7月の)参院選挙がいかなる状況になろうと、群馬で負けることは考えられない。 個人的にはそう確信している。 油断はしない。 自民党県連が一丸となって全力で戦い抜く。 自分も群馬選出の国会議員の一人として一生懸命、責任を果たすつもりだ。

 それでも「相手のいない選挙戦」は力が入りにくい。 あまりに弱すぎる野党、選択肢のない選挙は、けっして国民のためにならない。 群馬の有権者の前で、堂々と政策を戦わせようではないか!


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」