2015年11月2日

 今日もあっという間に終わった。 夕食後の紅茶を飲みながら、パソコンのキーボードを叩いている。

 13時から馳浩文部科学大臣に、16時30分から岩城光英法務大臣に会った。 自分より3つ若い馳大臣は参院の同期。 途中で衆院に鞍替えした。 大臣になっても、明るくて気さくな人柄は全く変わっていない。 気難しくない馳大臣の秘書官はラッキーだ。(笑) 笑いながら、「いっちゃん!苦節20年、ようやく大臣になったよ!」と話していた。

 馳大臣は3日からパリで開催されるユネスコ総会に出席する。 「大臣、ユネスコ記憶遺産の問題については、しっかり日本の立場を主張しておいてくださいね!」とお願いしておいた。 

 参院の同僚である岩城法務大臣とも大臣室でがっちり握手。 真面目で誠実な人柄。 バランス感覚もある。 「法務行政は重要だ。法務大臣としての職責を全うするために全力を尽くす!」と岩城大臣。 同時に、「安倍首相から全閣僚が東北復興大臣だとも言われている。閣僚の1人として、故郷である福島の復興のためにも出来るだけのことをしたい!」と熱く語っていた。

 さて、ここからは馳大臣とも議論したユネスコ記憶遺産の話。 その4でも言及したが、記憶遺産への登録を勧告する(=実質的に記憶遺産を決める)国際諮問委員会の審査は完全非公開だ。 申請者以外の関係者が意見を言う機会がない。 これとは対照的に「世界遺産」に関しては、決定機関である世界遺産委員会の委員国が自由に発言出来る仕組みになっている。

 それどころか、世界遺産の場合、世界遺産委員会のメンバー国(21カ国)以外であっても、ユネスコの加盟国であれば委員会への出席が許される。 しかも委員長の指名(許可)があれば、どの国も発言することが可能なのだ。

 ひとつ例を挙げよう。 今年7月。 ドイツのボンで開かれた世界遺産委員会で「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録された。 日韓両国が厳しく対決する構図の中で、最後まで予断を許さない展開が続いた。

 実はこの場に世界遺産委員会のメンバーではない中国の代表が出席していたと聞いた。 もし日韓両国間の合意が成立せず、この場で中国政府が韓国の立場を擁護するような発言をしていたとしたら、事態はかなり複雑になっていただろう。 実際、中国がそういう準備をしていたフシもあるようだ。

 結果として、議長国だったドイツのベイマー議長が(混乱を恐れて?)他の委員国の発言を求めることなく、この問題を決着させた。 舞台裏で日本政府の根回し(議長への働きかけ)があったと考えるのが普通だろう。 いずれにせよ、登録を申請した関係者以外、誰も発言するチャンスがない「記憶遺産」の登録プロセスがいかに閉鎖的かが分かるでしょう?

 スゴいスピードで書いている。 指が疲れた。(ふう) この続きはもう一杯、紅茶を飲んでから。 次回のブログ(その6)では、過去16ヶ月、日本政府がこの問題にどんな対応を取って来たのかを明らかにする。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」