2015年9月29日

 18時過ぎ。 新幹線で東京に向かっている。 本日は終日、高崎市内の挨拶回り。 企業訪問中心の日程だった。 

 ふと思った。 今から5年前、稲田朋美衆院議員(現政調会長)がこれほど世間の注目を浴び、出世レースの一番手に躍り出て来るなんて、一体誰が予想しただろうか? だから、政界は面白いのだ、と。

 前回のブログで「石破派結成」のことを書いた。 さっそく予想どおりの反応(質問)が寄せられている。 「一太さんはなぜ、石破さんが好きなんですか?」と。 過去のブログでも何度か触れたが、(いい機会なので)もう一度、書いておきたい。

 山本一太参院自民党政審会長時代に、政審会長が初めて役員会の正式メンバーになった。 総務会の役員としても初めて席が与えられた。 最も画期的だったのは、党全体の政調会長代理(3人のうちの1人)を兼任することになったことだ。

 野党時代の政調会長は石破茂・現地方創生担当大臣だった。 「石破政調」では当選回数に囚われない斬新な人事が行われた。 野党ということもあったが、多くの若手が抜擢された。

 その石破政調に新設された「自民党エネルギー政策特命委員会」の委員長をやることになった。 原発事故後の自民党のエネルギー政策の基本方針を決める難しい作業だった。 オープンな会合を30回以上重ね、苦労して方針を取りまとめた。

 当時の自民党執行部からは「性急にやれ!」みたいな圧力もあった。 が、石破政調会長は最後まで梯子を外さず、山本特命委員長の意向を尊重してくれた。 その石破氏の胆力(懐の深さ)に感動した。

 そんな頃、石破政調会長が親しい仲間たちと「さわらび会」というグループを立ち上げた。 総裁選挙出馬を睨んだ動きであることは明白だった。 それでも石破氏本人から直接、声をかけられ、入会することにした。 安倍元総理(当時)が復活を賭けて総裁選挙に再出馬するかどうか、その時点ではハッキリしていなかったからだ。

 その後、安倍総理の決断を衆院議員会館の事務所で聞いた。 「もちろん、応援させていただきます!」と答えた。 そりゃあ、そうだろう。 安倍総理が再挑戦する場合は、(勝とうが負けようが)最後まで全力で支援するつもりだった。 間もなく発足した安倍元総理を支援する勉強会にも参加した。 

 翌日、石破政調会長と会った。 事情を説明し、その場で「さわらび会」を退会させてもらった。 「二股をかける」ようなことは出来ないからだ。

 3年後の2018年(又は2020年?)、日本再興の道筋をつけた安倍総理が総裁任期を全うする。 必ずそうなると信じている。 その時、安倍首相の後継を決める自民党総裁選挙でどの陣営に加わり、誰を応援するのかは全く分からない。 が、あの時(2年10ヶ月前)、安倍総理が総裁選挙に立候補していなかったら、「さわらび会」のメンバーとして石破さんを応援していたことは間違いないと思う。

 「ポスト安倍」は、ちょっとした「群雄割拠」の状況になるだろう。 石破茂・地方創生担当大臣はもちろんのこと、自らの派閥を率いる谷垣禎一幹事長や石原伸晃・前環境相、岸田文雄・外相も総裁レースに名乗りをあげるはずだ。 

 もう少し若い世代には、前々回の総裁選に立候補した林芳正農水相、その前の総裁選挙に出馬している河野太郎・党改革本部長、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの稲田朋美・政調会長がいる。 場合によっては、アニキ(菅義偉・官房長官)の名前が浮上することだってあるかもしれない。

 あ、間もなく東京駅のアナウンス。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」