2015年4月26日~5月2日

 今回の歴史的訪米で安倍首相が訪問先に選んだのは4つの都市。 ボストン、ワシントンDC、サンフランシスコ、ロサンゼルスだった。 総理の日程をざっと振り返ってみよう。

<ボストン編>

 4月26日の夕方、最初の訪問地であるボストンに到着。 安倍総理の米国での最初の公式行事は、ケネディ・ライブラリーの視察だった。 キャロライン・ケネディ駐日米国大使への配慮があったことは間違いない。 

 当然、ケネディ・ライブラリーの視察には、ボストンの空港で総理を出迎えたケネディ大使夫妻とハンサムだと評判の長男が同行した。 いの一番にケネディ・ライブラリーを訪れた総理の心遣いを、ケネディ大使はとても嬉しく思っているに違いない。

 そう言えば、今回、ケネディ大使は政府専用機で総理と一緒に米国内を移動した。 これも異例のことだ。 米国上下両院合同会議で行った演説では、わざわざ2階席にいたケネディー大使に言及し、出席者の拍手を求めた。 

 ワシントンDCのディナーでも、サンフランシスコの晩餐会でも、ケネディ大使は総理の隣に座っていた。 2人が楽しそうに会話を交わしている場面を何度も目撃した。 今回の訪米のあまり目立たない成果の一つは、総理とケネディ大使との信頼関係が一気に深まったことだと思う。 

 ケネディ家のプレステージは、依然として米国議会、いや米国社会に根強く残っている。 加えて、ケネディ大使自身がオバマ大統領から厚い信頼を寄せられている。 その意味で言うと、総理とケネディ大使との強い信頼関係は、日米関係強化のための後押しになるはずだ。
 
 夜はケリー国務長官主催の夕食会。 ケリー長官が総理を私邸に招く形で行われた。 ケリー長官の私邸は、歴史的にとても由緒のある建物らしい。 日本側の出席者は、総理と官房副長官を含むごく少数に絞られた。 総理に同行していた秘書官や参与も入れなかった。  

 総理がケリー長官と会食している間、ボストン総領事と市内のレストランで夕食を食べた。 この席には、総理に同行していた今井秘書官、飯島参与、中村参与等もいた。 過去のブログでもちらっと触れたが、これはこれでスゴく面白い会合だった。 政治家のアンテナでいろいろなことを感じ取った。

 え? 自分で言うのも何だけど、政治家山本一太はボーッとしているように見えて、人間観察力は意外に鋭い。 だから、モノマネが得意なのだ。(笑) どんな言葉も、一瞬の表情も見逃さない。 

 翌日(4月27日)の朝は、ボストンマラソン爆破事件跡地を訪問。 ボストン市長等が見守る中、安倍総理夫妻が犠牲者への献花を行った。 そこから故・ロバート・ケネディ大統領とケネディ大使の母校であるハーバード大学へ。 ビジネススクールのノーリア学長、ポーター教授等との朝食会では、アベノミクスについての突っ込んだ議論が展開された。 

 続けてケネディスクールを訪れ、伝説の教授たちと懇談。 その後には、学生たちからの質疑のセッションもあった。 総理の受け答えは見事だった。(ニッコリ) ここでもケネディ大使が(総理の挨拶の前に)簡単なスピーチをやった。

 ハーバードからMITのメディアラボに移動。 伊藤穣一所長の案内で、 最新の研究を視察した。 直後に、MIT学長を含む各分野の教授陣との意見交換に突入。 MITの特徴と実績について説明を受けると同時に、日本をイノベーションの拠点にするための方策、日本政府とMITの関係強化等についての議論が行われた。

 ハーバード大学やMITでのやり取りを聞きながら痛感した。 イノベーションのサイクルを作るためには、世界トップレベルの大学が必要だ、と。 日本は先ず、この条件を整えなければいけないな、と。 あ、温かいお茶、もらえますか? この続きは「安倍総理の歴史的訪米同行レポート:その2(ボストン編)(ワシントンDC編)で。   

追伸:ボストンの空港で安倍総理が乗る政府専用機の到着を待った。 佐々江駐米日本大使、姫野ボストン総領事、ケネディ駐日米国大使、米国国務省関係者等も一緒だった。 そこに、精悍な表情をした2メートルの大男が現れた。 昨年11月、共和党候補として当選したチャーリー・ベイカー・マサチューセッツ州知事だった。 全身からエネルギーを放っていた。

 自己紹介した途端に(名刺を見ながら)、「おお、君がロックを歌う日本の政治家、ロックスターか!(笑)何でも出来るんだね!」だって。(驚) 誰から聞いたんだろう?! こんな日本のちび政治家の情報まで頭に入ってるなんて、ただものではない。 さすがにアメリカは広い。 こんな覇気の塊みたいな政治家、日本では見たことないもの! 


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」