2015年3月5日

 今週土曜日(3月7日)のTBS「あさチャン!サタデー」(5:45~7:30)と来週火曜日(3月10日)のBSフジ「プライムニュース」(20:00~21:55)に生出演する。 

 「プライムニュース」のテーマはエネルギーミックスだって。 「プライムニュース」からは、様々なトピック(科学技術、IT、外交等)で出演依頼をもらっている。 毎回、行けるとは限らないが、日程の調整がつけばどんな議論も逃げない! BSの政治討論番組の枠を破ったプロジェクトだからだ。

 午前8時から党本部101会議室で東日本復興加速化本部「福島第一原発廃炉・汚染水等事故収束対策会議」があった。 汚染水対策の現状について、東京電力と経済産業省から説明を受けた。 最も議論になったのは、福島第一原発の港湾の外に繋がっている雨水排水路の放射能のデータが公表されていなかった問題だった。

 東電の現場スタッフは、汚染水問題に必死に取り組んでいる。 これは間違いないと思う。 計画どおりに進んでいないからと言って、東電と経産省を徒らに攻撃するつもりはない。 が、手を上げて、次のように発言した。

「今回、雨水排水路の放射能のデータを発表していなかった件は、東電にとっても、政府にとっても本当に良くなかった。トレンチ内の汚染水除去、地下水バイパスやサブドレンからの組み上げ、遮水壁の設置や敷地舗装等、前に進んでいる対策があったとしても、国民から情報を隠していると思われた瞬間に全てチャラになってしまう。汚染水の問題に関しては徹底した情報公開が不可欠だと皆、分かっているはずだ。2度とこんなことがないようにしてもらいたい!(怒)」

 そう注文をつけた上で、「汚染水問題がなぜアンダーコントロールなのかを、具体的な数値を使ってもっと分かりやすく国民に説明する必要がある」と指摘した。 総理が「アンダーコントロール」を宣言した2年前に比べて港湾内の数値が下がっていることも改めて示すべきだ。 

 経産省は昨年12月(?)までデータの存在を知らなかったとのこと。 日頃から東電側と「情報公開は大前提」という会話を交わしていたため、いちいち確認しなかったようだ。 これからは、もっと積極的に東電の取り組みをチェックしてもらわねばならない。

 驚いたのは、会議に出席していた東電の幹部が、「現場で排水路の放射能のデータを取っていたことを昨年の11月まで知らなかった」と話していたことだ。 方針を決める幹部と現場のコミュニケーションが不足していたとしか言いようがない。 

 そもそも「雨が降ると放射能の濃度が上がる排水路の数値」は、本来、東電本社から現場に指示して取らせるくらいの重要なデータではないか!

 放射性物質を含む水には種類がある。 マスコミは何でも「高濃度汚染水」であるかのように報道する傾向があるが、流入する地下水によって増加する「燃料デプリの冷却水」(いわゆる高濃度汚染水)と敷地内の放射性物質で汚染された「雨水」は違う。

 たとえば、海水配管トレンチ内の水の放射性濃度は「告示濃度基準比」の数百万~数千万倍だ。 対して、敷地内で汚染された今回の排水路の水は、晴天時で1倍、降水日で2.2倍(最大で22倍)となっている。

 が、それでも、国民は(高濃度汚染水であろうとなかろうと)放射能に汚染された水(=基準値を超えた水)が海に流出すれば不安を感じる。 東電も経産省もここらへんの認識が甘かったと言わざる得ない。

追伸:ちなみに放射性物質濃度の「告示濃度基準」とは、1日2リットル、その水を1年間、飲み続けた時の体内被ばくが1ミリシーベルト以下という基準のことだ。


◇山本一太オリジナル曲:
「素顔のエンジェル」
「マルガリータ」
「かいかくの詩」
「一衣帯水」
「エイシア」