2014年11月28日

 日頃から「持ちつ持たれつ」の関係(?)があるのかもしれないが、仮に頼まれたり、お金をもらったりして「ある組織や特定の個人の意図に沿った発信をする」というマスコミがあるとすれば、最初から「メディアとしての存在意義」を否定しているということになる。(苦笑) まあ、社会的信用のある(=社会的影響力のある)メディアでは「あり得ない話」だ。

 さて、地元紙の囲み記事に加えて、週刊誌でもチラッと取り上げられた中曽根弘文県連会長の長男との「ブログの応酬」については、もう触れないつもりだった。 が、誰にも聞かれていないが、恐らく疑問を持たれるかもしれない点については、きちっと真意を説明しておきたい。 

 それは、「山本一太自身が世襲議員なのに、なぜ、親子による議席の独占に反対するのか?」というシンプルな疑問だ。

 ひとことで言うと、「自分も世襲議員なのになぜ反対するのか?」ではなく、「世襲議員だからこそ、異を唱えなければならない!」と思っている。

 過去のブログで、麻生政権時代に菅義偉選対副委員長(現官房長官)が主張していた「世襲候補の立候補制限」という考え方を支持したと書いた。 このことを推進する議員連盟にも参加したとも。 この議連に加わった2世議員は山本一太と河野太郎だけだったことにも言及した。 

 党内にも多くの賛同者が出現。 「世襲立候補制限」は、党改革の大きなテーマになった。 当然、反対意見も根強く、最後は立ち消えになった。 これはこれで一つの結論だったと思う。「被選挙権にかかわってくるので(制限は)難しい」という麻生首相(当時)の言葉には、それなりの説得力があった。

 先日、ある場所で菅官房長官と会った。 久々に当時の話が出た。 今から6年前のことだ。 あの時の2人の共通認識は、次のようなものだった。 

1.世襲議員にも優秀なひとはいる。事実、小泉元総理、安倍前総理はもちろん、次世代の首相候補と呼ばれる人たちは、皆、いわゆる2世議員だ。しかも、立候補する権利は(世襲云々にかかわらず)誰にでもある。

2.日本の政界、特に自民党での世襲議員の比率(3割以上)は他国の主要政党に比べても、あまりに高い。この状況が続いたら、地盤や看板がなくても能力と志のある人材が新規参入出来ない。それで本当にオープンな政党と言えるだろうか?

3.国民の自民党に対する見方は厳しい。いつ衆院選挙があるかも分からない状況の中で、「もう古い自民党ではない!」ということをあらゆる面でアピールしていかないと、政権を維持出来ない可能性がある。

 結論から言うと、あの議論には意味があった。 2年前の衆院選挙における公認候補の世襲比率は、大きく低下しているからだ。

 あの時、「立候補制限」に反対していた複数の議員から、「一太さん自身も世襲議員なのに、なぜ、あんな議連に加わったのか?」と聞かれた。 「天に向かって唾を吐くようなものではないか?」という指摘もあった。

 こんなふうに答えていた憶えがある。 「いや、自分が世襲議員だからこそ、言わねばならないと思った。あの議連に一人も世襲議員がいなかったら、まるで既得権益を手放したくない集団みたいに見えてしまうではないか!」と。

 何度も書いているように、世襲議員そのものを否定しているわけではない。 候補者公募のプロセスは進化させていく必要があると思うが、本人にそれだけの資質があって、かつ、オープンで民主的なシステムで選ばれるなら、政治家の2世、3世でも全く構わないと思っている。

 が、しかし、今回の衆院群馬1区の場合は、公募の手続きは一切、なかった。 しかも、群馬で20年近く国会議員をやっている自民党県連の役員の一人である自分でさえ、前橋支部に公認申請までした候補者(?)のことを全く知らなかったのだ。

 加えて言うと、(申し訳ないが)そのひとには、過去に自民党に貢献した実績がなかった。 しかも、大臣を2度も歴任した現職の県連会長の長男であり、当選すれば、群馬県内の国会議員の7つの選挙区議席のうち、2議席(約30%)を親子で独占するという状況になるはずだった。

 もっと言わせてもらえば、周りの多くのひとが、「親子によるファミリー独占ビジネスの時代ではない」と囁いていたにもかかわらず、誰もオープンに異論を唱えることが出来ないでいた。 

 さらに加えると、新たな候補者(?)は、(いかに佐田氏への世間の評価が厳しかったとはいえ)現職が「何とか公認を得て出馬したい」ということを言い続けていた(=立候補の意思を明確にしていた)中で、前橋支部に公認の申請までやった。 全体の構図として、どうしても「火事場泥棒」のように見えてしまう側面もあった。

 こうした状況の中で、公募のような透明な手続きもなく、県連の会議でも発言出来ず、急浮上した新たな候補者(?)のことも全く知らないのに、「お前も世襲議員なのだから、何も言わずに賛成しろ!」」と言われても、それはいくら何でも無理だ。(笑) 

 逆に言うと、多くのひとが「おかしい」と思っていたからこそ、県連内の意見はまとまらず、公認申請をしないと決めた群馬1区支部も「現職に代わる具体的な候補」を示せなかったのだ。

 中曽根県連会長にも、ご長男にも、個人的な恨みは全くない。 状況が違っていたら、むしろエールを送っていたかもしれない。 が、自民党は「やる気のあるひとにチャンスを与える」オープンな政党でなくてはならない。 何度も言うが、選挙制度は、中選挙区から小選挙区に変わった。 時代状況も県民(有権者)の意識も大きく変化している。 どんなケースであれ、故郷群馬県で「同時期に親子が複数の国会議員の議席を独占する」ことには反対だ!(キッパリ)

 あ、お湯が沸いた。 熱いカフェオレを飲んだ後で、その2を書く。

 
◇山本一太オリジナル曲:
<a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1362912973" target="_blank">「素顔のエンジェル」</a><br><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1362913254" target="_blank">「マルガリータ」</a><br><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1298511048" target="_blank">「かいかくの詩」</a><br><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1372242789" target="_blank">「一衣帯水」</a><br><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/so21209855" target="_blank">「エイシア」</a><br>