2014年11月16日:パート2

 23時過ぎ。 自宅の居間で、パソコン画面に向かっている。 今晩、開票された沖縄県知事選挙で、現職の仲井真弘多候補が敗れた。 残念としか言いようがない。(ため息) 

 正直言って、この結果には愕然とした。 一瞬、耳を疑った。 「これが本当に沖縄県の人たちの民意なのか?!」と思わずにはいられなかった。

 安倍政権にとって、今回の知事選は極めて重要な戦いだった。 仲井真陣営からの要請を受け、前沖縄担当大臣として、2度、沖縄県内の決起大会に参加した。 熱烈な応援演説を炸裂させた。 仲井真選対の皆さん、あまりお役に立てなくて、本当にごめんなさい!!

 翁長新知事は、さっそく「辺野古埋め立て承認の取り消し・撤回を断固として進める」意向を表明した。 すなわち、安倍政権との対決姿勢を改めて宣言した。 政府と新知事との関係は、最初からギクシャクすることになる。 

 沖縄担当大臣だった1年8ヶ月の間に、仲井真知事と40回の面談を重ねた。 上京した県知事一行と大臣室で会い、沖縄振興策や税制に関する要望を聞くこともあった。 逆にこちらから沖縄に足を運び、概算要求の中身や税制改正について知事に説明する場合もあった。 お茶を飲みながら2人きりで意見交換をやる機会も結構あった。 サシで食事をしながら熱く語り合ったことも何度かある。

 山本一太は、沖縄振興担当大臣だった。 だから、仲井真知事と基地問題について議論したことは、ほとんどない。 話題は常に沖縄振興政策とこの地域の未来ビジョンだった。 ひとことで言うと、これほど沖縄振興と沖縄の将来を私心なく考えている人には、ただの一度も会ったことがない。

 仲井真知事の2期8年の業績は枚挙に暇がない。 政府との粘り強い交渉を通じて、基地負担軽減策や返還後の跡地利用計画も着実に前進させて来た。 最大の功績は、沖縄経済を「かつてない次元」にまで活性化したことだ。 仲井真知事を失ったことで、この流れが止まってしまうことを何より恐れている。 政府と沖縄県の間に信頼関係がなかったら、沖縄の要望を実現することは難しくなるからだ。

 前沖縄振興担当相として最も心配しているのは、27年度沖縄振興予算をめぐる折衝だ。 翁長新知事は安倍内閣との対決姿勢を鮮明にしている。 この状況下で、沖縄関連予算のために本気で汗をかいてくれる人が(政権内や自民党内に)何人いるだろうか?!

追伸:仲井真前知事にひとこと、こう申し上げたい。 「2期8年、本当にお疲れ様でした。仲井真知事の功績は数え切れません。少し落ち着いたら、私の故郷の草津温泉で、ぜひ、慰労会をやらせてください!」と。


「fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」