2014年8月30日:パート3

 間もなく18時。 東京から高崎に向かう列車の車中からのブログ。 高崎市内のある会合に顔を出し、そのまま東京にとんぼ返りする。

 先ほど、席についた際、通路を挟んで左の席に座っていたゴルフ帰りの男性が、こちらの顔を覗き込むようにして、「あ、SPだ!外にいるのもそうなのかなあ!」と大きな声で言った。 目が合っても、会釈もしない。 何て失礼なヤツだろう。(笑) まあ、いいか。 深呼吸をして、ブログの続編を書く。

 政治家は常に厳しい評価に晒される。 政策や言動を批判されたり、過去の失敗を蒸し返されて追及されたり、スキャンダルを嗅ぎ回られるなんて日常茶飯事だ。 が、これは、公人として当然のことだ。 熱いフライパンの上に乗る覚悟がなければ、最初から政治家なんてやるべきではないと思っている。

 過去のブログに次のような趣旨のことを何度か書いた憶えがある。 「今の時代、メディアを上手く活用出来ない政権、政治家は長続きしない。が、同時に、メディアは基本的にコントロール出来ないということを肝に銘じておくべきだ。逆に言うと、政権とメディアの間に緊張感があることが健全なのだ」と。

 ただし、報道する側(記者)にも、自らの報道や記事には責任を持ってもらわねばならない。 メディアには、それだけ大きな影響力がある。 これまで、「評価するほうも評価される」仕組みがなかったこと自体がおかしい!

 たとえば、蔭西晴子記者に通信簿を付けられた山本一太が、今度は蔭西記者の仕事を評価しろと言われたとする。 自分が先ずやることは、蔭西記者の過去の記事をチェックすることだ。

 さっそく、蔭西晴子(かげにし・はるこ)というキーワードを、Googleで検索してみた。 思ったとおり、最初の数ページには、「山本一太のブログ」に関連する情報がズラリと並んでいる。 ネットサーフィンを始めた途端に、蔭西記者が手がけた2つの作品に辿り着いた。 1つは、蔭西記者が谷垣自民党総裁の番記者だった時代に書いた2010年6月29日の記事、もう1つは仙谷由人元官房長官に関する2011年3月20日の記事だ。 そのまま転載する。

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党首がゆく・谷垣禎一総裁―変えるのは 党か自分か

2010年6月29日17時16分

<自民・谷垣禎一総裁 目標:与党過半数阻止>
党首がゆく・谷垣禎一総裁―担当記者から

 鳩山由紀夫が表舞台から退き、たたき上げの菅直人に代わったことで、よけいに際だつようになったことがある。谷垣禎一の「ひ弱な二世議員」とのイメージだ。

 振り返ってみればこの9カ月、谷垣が戦ってきたのは目の前の民主党ではなく、自らへのこんな評価と自民党内からの突き上げだ。

 話は2005年夏にさかのぼる。「君の旗は何だ」。後藤田正晴が谷垣のもとを訪れ、こう尋ねたのは死の2カ月前。安倍晋三が小泉純一郎の後継と目され、強烈な右ぶれに自民党内のリベラルが危機感を強めていたころだ。

 「絆(きずな)です」。国づくりへの思いを語る谷垣に、後藤田は「それでいい」と言い、こう付け加えた。「君の父上は相当荒々しかったよ」。文相を務めた故・専一のことだ。

 総理総裁を目指すなら、荒々しく前に出ろとの叱咤(しった)だと、谷垣は受け止めた。

 翌年の総裁選で安倍に敗れた谷垣が、再び前に出たのが昨年秋。「こんな時に総裁をやろうなんてやつはほかにいない」と思い定め、「捨て石になる」と進み出た。

 まず取り組んだのが党綱領の見直しだ。「国民のために何をする政党なのかから議論すべきだ」という、いかにもきまじめな谷垣らしい考えからだが、世論受けはしない。

 衆院選惨敗に浮足立つ党内の反発は激しかった。執行部刷新や組織改革など手っ取り早い変化を求める議員が連日総裁室に押しかけた。面と向かって「あなたは弱々しい」「選挙が戦えない」と言い募る者も。総理の冠が取れた総裁の権威は地に落ちた。

 だが、谷垣にだって意地がある。話は聞いても、実行には移さない。なぜか。谷垣の答えははっきりしていた。「結局、最後は議員本人しかないと思わないか」

 上っ面の党改革や総裁人気にあやかって選挙を戦おうというのは間違いだ。それは改めたはずじゃないか、という思いがそこにはあった。

 とはいえ、選挙とあらば勝たねばならぬ。「党が変わったというイメージが浸透していない」と認めざるを得ず、目先の変化も追い始めた。「強さ」を印象づけるため演説の要所で一本指を立てるパフォーマンスを鏡の前で何度も練習して取り入れた。

 そして持論の「消費増税」。慎重論を抑えて公約に盛り込み、自分なりに戦う態勢を整えたはずだった。

 そこに突然、菅の「消費税10%」発言が割り込んだ。「背中におんぶしてもらって消費税の川を渡らせてくれと言っている」と菅への批判は激しい。が、自分が言い出しっぺだけに切り捨てられない苦しさのただなかにある。

 この5月、「野党総裁の役割とは」と聞いた。谷垣は少し考え「国民の怒りを代弁することじゃないか」。内なる戦いのなか、政権の迷走とともに変化する民意を感じ取って得た感覚なのだろう。=敬称略(蔭西晴子)
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 谷垣総裁の番記者としては、かなり厳しい見方をしている。 あ、間もなく東京のアナウンス。 この続きは、「蔭西晴子記者の閣僚通信簿に異議あり!:その7」で。


「fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」