2014年8月26日

 前回のブログに書いた「大臣就任以来、記者会見は120回以上」というのは、160回以上の間違いだった。

 山本一太の閣僚通信簿を担当した蔭西晴子(かげにし・はるこ)記者は、大臣として7年ぶりの北方領土訪問には同行していない。 過去14回の沖縄出張も(恐らくただの一度も)取材していない。 41回を数えた仲井眞知事との会談の前後に見かけた記憶もない。 

 何しろ、蔭西記者が内閣府の担当になったのはこの7月だ。 沖縄振興担当大臣として、総理や官房長官と密接に連携しながら沖縄振興予算を練り上げて来たことも、仲井眞知事とのギリギリの協議も、沖縄をめぐる4大臣会合の内容も、OIST(沖縄科学技術大学院大学)の現状や基地返還後の跡地利用問題も、ほとんど把握していないと思う。

 さらに言うと、蔭西記者は、安倍首相の指示を踏まえ、科学技術・イノベーション担当大臣として「総合科学技術会議」を活性化し、13回の開催にこぎ着けたことも、それぞれの会議の中身も、総合科学技術会議の民間議員や内閣府の科技部局とスクラムを組み、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)やImPACT(革新的研究開発推進プログラム)を創設したことも、この2つのプログラムの意義も恐らく分かっていない。

 ましてや、この2つのプログラムの予算(補正550億、本予算500億)を確保するために、担当大臣としてどれだけ必死の努力をしたかは、全く知らないはずだ。 STAP細胞問題で国会提出が遅れている特定研究開発法人創設を主導したのが内閣府だったことを認識しているとも思えない。 総理から指示のあった「総合科学技術会議の司令塔機能強化」なんて、全く関心がないに違いない

 加えて言わせてもらうが、蔭西晴子(かげにし・はるこ)記者は、他の分野の政策もまともにチェックしていない気がする。 IT担当大臣として「世界最先端IT国家創造宣言」をまとめ上げたことも、日本が国連電子政府ランキングで6位に躍進したことも、大臣の強い要望でパーソナルデータ検討会を立ち上げ、個人情報保護法改正への道筋を付けたことも、山本一太が担当し、成立させた法案で新たな権限を与えられた遠藤CIOと力を合わせて様々なシステム改革に取り組んだことも、政府のサイバーセキュリティー会議の中に新たな部会を作って、サイバーセキュリティーの提言を発表したことも、ちゃんと調べているとは思えない。

 大臣記者会見に2回(?)しか出ていない蔭西記者は、宇宙政策委員会の下で新たな宇宙戦略の策定が進んでいることを知っているだろうか? 海洋担当大臣として、関係各省の反対と戦いながら、総理も後押ししてくれている「EEZ等に関する包括法の整備」を前に進めようと頑張って来たことを掴んでいるだろうか? 領土担当大臣として、フィリピンの外務大臣やべトナムの外務大臣と会談し、マレーシアの外相とも電話で言葉を交わしたこと、英国の有力シンクタンクIISSが主催したシンガポールのフラートンレクチャーで講演したことなんて、頭の片隅にもないと思う。

 この600日間、内閣府特命担当大臣として取り組んで来た政策や活動は、まだまだある。 とても書き切れない。 そのうちの1つでも真面目に追いかけていれば、閣僚通信簿の中に「大臣として進めて来た政策」に関する言及が1つもないなどということは考えられない。 多少なりともポジティブな評価として出て来たのが、160回のうち2回(?)しか顔を出していない大臣記者会見のことだけというのは、いくら何でもヒドすぎる。 あまりに浅薄で、アンフェアな通知表だ。 この蔭西晴子(かげにし・はるこ)記者が、どうやって山本一太の評価を書くのだろうか? なぜ、この記者に通信簿を書かせるのだろうか? 自分には、全く理解出来ない。 

 たとえば、この通信簿が、「科学技術担当大臣として、新たなプログラム(予算枠)を創設するなどの努力はしたが、00の理由で十分、成果を上げられなかった」とか、「初代の領土担当大臣として対外発信の機能を担ったものの、外務省の意向を気にし過ぎて独自性を出せなかった」とか、そういう理由で星2つになったのなら、このブログは書かなかった。 星の数(得点)はともかくとして、他の閣僚の通信簿には、「政策の記述」がある。

 朝日新聞とは、様々な点で意見が違う。 今回の閣僚通信簿の内容(他の大臣への評価)にも、正直言って首を傾げる点が多い。 安倍政権に対する最近の報道ぶりについて、言いたいことは山ほどある。 それでも、朝日新聞が「日本を代表するメディア」の1つであることは、疑いのない事実だ。 だからこそ、国民に「正確な事実」を伝える責任がある。

  もう一度、言う。 「各閣僚を間近で取材し続けて来た『番記者』が、独自の視点で通信簿をつけた」という解説は事実ではない。 蔭西晴子(かげにし・はるこ)記者は、断じて大臣・山本一太の「番記者」ではない! 大臣記者会見にもほとんど顔を出さない、かつ内閣府の担当になって40日の記者に内閣府特命担当大臣の評価を任せたとしたら、通信簿という企画全体のクレディビリティーが問われることになる。

 主要閣僚と言われる外相や財務相も、初入閣のケースが多いと言われる内閣府特命担当大臣も、それぞれ真剣勝負で1つ1つの仕事に立ち向かっている。 本物のジャーナリストが、1つ1つの報道や記事に魂を込めているのと同じだ。

 閣僚通信簿の成績が良かろうが悪かろうが、報道する側も真剣勝負で評価してもらいたい。 数年後(?)に後任の内閣府特命担当大臣の閣僚通信簿をつける際には、ぜひとも、その大臣をちゃんと取材して来た記者を指名してください!! 

 あ、夕食を食べないと。 「朝日新聞、蔭西晴子(かげにし・はるこ)記者の閣僚通信簿:その4」に続く。


「fs山本一太オリジナル曲「素顔のエンジェル」「マルガリータ」「かいかくの詩」